人民元指数の通貨バスケットに11ヵ国の通貨を追加

(中国)

上海発

2017年01月13日

 中国外貨取引センター(CFETS、本部:上海市)は1月1日、13ヵ国・地域の通貨で構成する人民元指数の通貨バスケットに、新たに11ヵ国の通貨を加えた。今回、米ドルの割合は4ポイント引き下げられ、人民元レート形成における米ドルの影響力はさらに低下している。

<米ドルの割合は4ポイント低下>

 CFETSは2016年12月29日、「CFETS人民元指数の通貨バスケットの調整規則を発表する公告」を公布した。同公告によると、CFETSは人民元レート変動の基準となる「CFETS人民元指数」の通貨バスケットの構成を調整し、13ヵ国・地域から成る従来の通貨バスケットに南アフリカ共和国・ランド、韓国・ウォンなど11ヵ国の通貨を追加し、計24ヵ国・地域へと拡大する(表参照)。CFETSは2017年1月1日、新通貨バスケットの運用を開始した。

表 CFETS人民元指数の通貨バスケット構成

 CFETS人民元指数は、各国・地域の貿易加重平均で編成された通貨バスケットに対する人民元のレートの変動状況を反映しており、CFETSは2015年12月から人民元レート変動の新基準として、対米ドルレートに代わりCFETS人民元指数の運用を開始した(2015年12月28日記事参照)。CFETS人民元指数の使用で、人民元レート形成における米ドルの影響力を弱め、人民元の独立性を強化する狙いだ。

 

 今回の通貨バスケット調整により、構成比トップの米ドルの割合は26.4%から22.4%と4ポイント低下し、対米ドルレートの影響力はさらに低下している。2位のユーロ(16.34%)、3位の日本円(11.53%)の割合もそれぞれ5.05ポイント、3.15ポイント低下した。今回追加された11ヵ国の通貨の割合は合計で21.09%に達する。

 

 CFETSは通貨バスケット調整の理由について、新通貨バスケットは主要貿易パートナーの通貨をカバーするようになり、通貨バスケットの信頼性を高めている、と説明している。

 

(文涛)

(中国)

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