鉄鋼97品目の一般関税率15%を180日間再延長-暫定措置、対象品目は変わらず-

(メキシコ)

メキシコ発

2016年10月12日

 メキシコ経済省は10月7日、暫定措置として鉄鋼97品目にかけていた一般関税率15%について、さらに180日間延長すると発表し、10月8日から適用した。対象の97品目に変更はなく、電気、電子、自動車産業に対して特別に設定した産業分野別生産促進プログラム(PROSEC)に基づく10品目(HS番号ベース)の無関税品目リストについても同様だ。

<国内鉄鋼産業の保護が目的>

 鉄鋼97品目の一般関税率は、2015107日付官報公示の政令第1条に基づき、2015108日以降0%から15%に引き上げられ、201645日から延長措置が取られていた(44日付官報公示)。同97品目の一般関税率は108日以降、さらに180日間延長される。政令前文に記載された同措置の背景説明も基本的には今までと同様で、世界的な経済環境の悪化や不当な競争環境により国内の鉄鋼業界が打撃を受けているため、としている。品目リストにも変更はなく、全てHS72類の鋼材となっている。また、移行措置規定により、今回も期限を定めた暫定措置となっている。

 

 今回の措置の対象となる97品目を含む鋼材268品目の関税は、201557日以前は3%だったが、それ以降は無税となっていた(注)。97品目以外の鋼材の一般関税については0%で変更はないものの、原産国によってはアンチダンピング(AD)税の対象になっているため、AD税の有無の確認が必要だ。

 

 政令第2条により、PROSEC対象業種のうち、電気、電子、自動車(部品も含む)産業に登録されている企業であれば、対象となる10品目についてはPROSEC税率が0%となる。品目は変更がなく、電気産業(I)向けが3品目、電子産業(II)向けが1品目、自動車産業(XIX)向けが7品目(1品目が電気産業と重複)となっている。具体的な対象品目については、2015年10月14記事添付を参照。

 

 また、本件は一般関税率の引き上げを目的としており、日本製の鋼材(HS72類)を輸入する場合には、日本メキシコ経済連携協定(日墨EPA)に基づく特恵関税の適用を行えば、PROSECの取得状況いかんにかかわらず、無関税で輸入が可能だ。

 

(注)201029日付官報で公示された輸出入一般関税率(TIGIE)ならびにPROSEC政令を改定する政令に基づき、鉄鋼および鉄鋼製品の大半の関税率は201211日に0%となった。しかし、2012年にアンパロ訴訟(憲法で保護された基本的人権を国が侵害した場合、その原因となった行政・立法・司法措置の無効を訴える裁判)が2件提訴され、当該人権行為(関税の引き下げ)の差し止めが請求され、これが裁判所に認められたことから、0%だった関税率は201281日に3%に引き上げられた(2012年8月10日記参照)。突然の関税率の引き上げにより影響を受けた企業が多かったため、同アンパロ訴訟自体が不適法だという訴えが裁判所に出された。裁判所は201557日、同アンパロ訴訟の適法性を否認したことにより、同日から鋼材268品目の一般関税率は0%に戻っていた。

 

(中島伸浩)

(メキシコ)

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