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真贋判定セミナーをヤンゴンで開催-模倣品の税関差し止めを目指す-

(ミャンマー)

ヤンゴン発、知的財産課

2016年08月17日

 ジェトロと経済産業省は、日本ブランドの模倣品対策として、日系企業やミャンマー税関と協力し「ミャンマー税関差し止めプロジェクト」を実施している。その一環として、7月29日に2回目となる「真贋(しんがん)判定セミナー」を、ヤンゴンで開催した。ミャンマー税関職員に対し知的財産権保護の重要性を認識してもらい、輸入通関時に模倣品の差し止めができるよう、能力・知識を向上させることが狙い。

<ミャンマー税関差し止めプロジェクトの一環>

 ミャンマーでは2011年の民政移管後、市場開放が進み日本製品が多く輸入されるようになった。しかし中には、国境貿易などを通じて流入する模倣品も多く含まれており、国内の大型スーパーなどで販売されていることもある。ミャンマーでは知的財産権保護に関する法制が十分に整備されておらず、著作権法以外の知的財産権に関する法律が存在しないことが理由として挙げられる。著作権法も1914年に制定されたもので、長らく改正されていないため、法律の内容が実態に追い付いていない。

 

 こうした状況下、ジェトロと経済産業省は日系企業およびミャンマー税関と協力し、2015年度から模倣品の「ミャンマー税関差し止めプロジェクト」を実施している。同プロジェクトは、税関での真贋判定に関する訓練を行い、現地で税関登録を行った商品について、集中監視することを目的としている。2015年度は試験的に日本企業を1社選定し、具体的な商品に関する真贋判定セミナーをミャンマーで初めて開催した。また、過去にはやはり同プロジェクトの一環として、ミャンマーの税関職員を日本へ招いて差し止めに向けた啓発活動なども行ってきたが、今のところ、税関で模倣品を差し止めた実績はない。現場の人材不足やノウハウ不足、真贋判定に関する職員の情報不足などが原因とみられる。

 

<セミナーに実務経験者約35人が参加>

 2016年度は電子通関システム「マックス(MACCS)」が日本の支援で導入されることを踏まえ(2016年6月10日記事参照)、税関差し止めプロジェクトへ参加する日本企業が1社から4社に拡大された。また、2016年度のキックオフイベントとして、729日にヤンゴンでミャンマー税関向けの真贋判定セミナーが開催された。同セミナーには、ミャンマー計画財務省税関局のサンルウィン副局長をはじめ、税関の実務経験者約35人が参加した。

 

 セミナー開催に当たり、サンルウィン副局長は「ミャンマーにおける税関業務は改革の途中で、セミナーを通じて知的財産権保護の重要性を認識し、税関業務を国際レベルまで引き上げることが重要だ」と述べた。セミナーでは、日本の経済産業省から税関職員に対して、模倣品が市場に流通することで消費者の健康や安全に対する被害が生じること、市場の健全な発展が阻害されてしまうこと、などの悪影響を説明した上で、同プロジェクトの具体的なスケジュールや、税関職員が模倣品と疑われる輸入品を発見した際に取るべき手順などの説明があった。その後、同プロジェクトに参加する日本企業4社からは、ミャンマーにおける各社製品の模倣品の流通実態や正規品と模倣品の違いなどが説明された。

 

 セミナーの休憩時間には、多くの税関職員が参加企業から用意された正規品と模倣品を手に取り、日系企業の知財責任者から説明を受けながら、その違いについて確認していた。セミナー終盤では、税関職員から模倣品が発見された際の具体的な対応方法などに関する質問が多数あり、予定時間を大幅に超えた。セミナーに参加した税関職員からは「本日共有された真贋判定方法を持ち帰り、都市部のみならず国境付近の税関職員を含め内部に周知したい」といった意見も聞かれた。今後の税関職員の取り組みが期待される。

 

(堀間洋平、石川勇介)

(ミャンマー)

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