外国投資法の新たな細則を発表

(ミャンマー)

途上国ビジネス開発課、アジア大洋州課

2016年03月31日

 ミャンマー投資委員会(MIC)は3月21日付で通達26号(2016)を発表した。2014年8月14日発表の通達49号(2014)で規定された「外国企業には投資が認められない11分野」が12分野へ、「外国企業がミャンマー企業と合弁によってのみ認められる30分野」が27分野へ、「その他制限分野で特定の条件の下、外国企業がミャンマー企業との合弁によってのみ認められる21分野」が22分野へと、それぞれ変更された。通達50号(2014年)で定められた「環境アセスメントが認可の条件となる経済活動(30分野)」については言及がないことから、変更はないものと考えられる。

<さらなる外資の進出に期待>

 2014年の通達49号および50号の細則は以下のとおり〔(1)~(4)は49号、(5)は50号、2014年10月1日記事10月2日記事参照〕。

 

1)外国企業には投資が認められない経済活動(11分野)

2)外国企業がミャンマー企業との合弁によってのみ認められる経済活動(30分野)

3)関係省庁の意見書が必要で、外国企業がミャンマー企業との合弁によってのみ認められる経済活動(43分野)

4)その他制限分野で特定の条件の下、外国企業がミャンマー企業との合弁によってのみ認められる経済活動(21分野)

5)環境アセスメント(EIA)が認可の条件となる経済活動(30分野)

 

 今回の通達26では以下のような変更があり、通達49号(2014年)は廃止された。

 

1)外国企業には投資が認められない経済活動が、11分野から12分野へ増加

 これまで11分野には「自然林の保護および管理」が含まれていたが、さらに「洪水防止の役割を担う地域の森林、宗教上大切に保護された地域ならびに伝統的祭事を行う地域、放牧地、段々畑・棚田や農業地、水源などを破壊する事業」が追加された。

 

2)外国企業がミャンマー企業と合弁によってのみ認められる経済活動が、30分野から27分野へ減少

 具体的には、第1項(ハイブリッド種の製造および販売)、第2項(収穫率の高い種子、固有種の製造および販売)、第13項(ゴムおよびゴム製品の製造)が削除された。

 

3)関係省庁の意見書が必要で、外国企業がミャンマー企業との合弁によってのみ認められる経済活動43分野(第1項~第7項)のうち、第2項「環境保護・森林省の意見書が必要な分野」の修正

 第2項(2)「エコツーリズム」が削除され、第2項(4)「森林地帯(保護林)における長期借用での植林および伐採」が「森林地帯(保護林)における伐採」となった。

 

4)その他制限分野で特定の条件の下、外国企業がミャンマー企業との合弁によってのみ認められる経済活動が、21分野から22分野に増加

 「予防薬の製造および販売〔特定条件として、国営企業との合弁による事業に限る。世界保健機関(WHO)のGMP基準(注)を最低限満たすこと〕」が追加され、21分野から22分野に増加した。

 

 今回の通達では、「本通達に含まれない事業に関し、事業の性質上MICが関係省庁の認可が必要と判断するもの以外は、100%の外国投資が認められる」と記載された。またサービス業については、関係省庁の認可を得たものに限り事業が認められるとなっている。

 

 ジェトロが投資企業管理局(DICA)に確認したところ、今回の通達は外国企業に対するさらなる規制緩和を目的に出されたとのコメントがあった。投資の認可手続きの透明性が高まることが期待される。

 

(注)医薬品製造で必要な、製造管理および品質管理の基準。

 

(クントゥーレイン、水谷俊博)

(ミャンマー)

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