国内販売には品質規格の確認が必要-中南米における基準・認証制度の動向-

(ベネズエラ)

カラカス発

2016年01月26日

 ベネズエラで販売・提供される財・サービスの品質の管理監督組織は、工業商業省傘下の標準化・品質・度量衡・技術規則庁(SENCAMER)だ。SENCAMERは品目やサービスごとに品質規格(COVENIN)を定めている。COVENINには強制されるものと推奨されるものがあるため、ベネズエラで商品を販売する場合は注意が必要だ。

<規格はウェブサイトで確認可能>

 ベネズエラにおける財・サービスの品質について定めている法律は、20021023日付官報第37555号の「ベネズエラ品質制度組織法」だ。同法は、工業商業省傘下のSENCAMERを品質の管理監督組織としており、同庁はベネズエラ国内で財・サービスを販売するに当たり、順守すべきCOVENINを定めている。輸入品については、関税分類番号ごとに順守を推奨するCOVENINを定めている。

 

 ベネズエラで販売を検討している商品の製品規格を確認するには、当該商品の関税番号を特定した上で、国家税関徴税統合庁(SENIAT)が公開している関税率表(Arancel)別添(AnexoIを確認する。別添ISENIATウェブイトで確認できる。別添Iには強制認証を必要とするCOVENINの関税番号およびCOVENIN番号、発効年が記載されている。取り扱いを検討している商品にCOVENINが設定されている場合はSENCAMERに規格詳細を確認する。SENCAMERウェブサでは、COVENIN番号および発効年を入力することで規格の詳細が閲覧できるが、情報が古い場合もあるのでSENCAMERに直接確認するのが望ましい。なお、COVENINは欧米の規格に準ずるものが多く、ベネズエラ特有の仕様が設定されることはまれのようだ。

 

<製品により管轄官庁の承認や登録が必要なものも>

 製品によってはCOVENINの順守に加えて、管轄官庁の承認や登録を必要とする場合がある。例えば、医療機器・医療材料の輸入、製造、販売、メンテナンスを行う企業は、保健省に登録する義務がある。また、企業登録とは別に、品目ごとに衛生登録をしなければならない場合もある。輸入要件の有無はSENIATのウェブサイトに掲載されている関税率表の法規制(Regimen Legal)の欄で確認できる。同欄に(1)~(17)までの番号記載のあるものが規制対象で、各規制の概要はジェトロのウェブサイト「ベネズエ貿易管理制度」でも確認できる。

 

 ベネズエラの食品輸入企業によると、日本酒の輸入を検討していたが、アルコール類をベネズエラ国内で販売する際に必要な衛生登録手続きが進まず、輸入を諦めた、という話もある。非効率な手続きや承認権限を持つ管轄官庁の腐敗などにより、承認、登録までに時間がかかるケースは多いようだ。

 

(松浦健太郎)

(ベネズエラ)

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