中国とのFTAが発効-オーストラリア側は2019年1月には関税全廃-

(オーストラリア、中国)

シドニー事務所

2015年12月24日

 オーストラリアと中国の自由貿易協定(FTA)が12月20日に発効した。中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国。発効と同時にオーストラリアからの輸出額の86%以上の関税が撤廃され、最終的には96%の関税が撤廃される。一方、中国からは輸出額の82%の関税が撤廃され、2019年1月には全ての品目の関税が撤廃される。

<サービスを含む交易拡大に期待>

 豪中FTAは約10年間にわたる交渉を経て201411月に合意し、20156月にオーストラリアを訪問した中国の高虎城商務部長とオーストラリアのアンドリュー・ロブ貿易・投資相が調印した。中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国だ。2014年の輸出は894億オーストラリア・ドル(約77,778億円、豪ドル、1豪ドル=約87円)、輸入は520億豪ドルに上る。FTAの発効により、最終的にはオーストラリアからの輸出額の96%が撤廃される一方、オーストラリア側では全ての関税が撤廃されるなど、両国の貿易関係が一層深まると期待される(2014年11月18日記事2015年7月10日記事参照)。

 

 ロブ貿易・投資相は1220日のメディア発表で、「オーストラリアの輸出者の競争力は本日から高まることになる。乳製品や牛肉、ワイン、シーフード、果物、加工食品などといった主要輸出品の関税が引き下げられる。14億の人口と急速に拡大する中間層を有する、わが国最大の貿易相手国である中国との歴史的なFTAは、貿易や投資を通じてオーストラリアの経済成長や雇用の創出、生活水準の向上をもたらすとともに、企業にとって大きな機会を提供するだろう」と述べた。また、「金融サービス、法務、専門サービス、教育に加え、高齢者介護、健康、建設、製造サービスなどの分野の市場も開放された」として、サービス分野のビジネス拡大にも期待を示した。

 

(平木忠義)

(オーストラリア、中国)

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