27品目の鉄鋼輸入を強制規格の対象に追加

(マレーシア)

アジア大洋州課

2014年08月26日

国際貿易産業省(MITI)は8月4日、鉄鋼27品目を強制規格の対象に追加した。これにより、対象品目の輸入については所轄官庁から適合性評価許可証(COA)を取得しなければ通関できなくなった。

<鉄鋼製品の流入を抑制する狙いが背景に>
MITIが今回導入した強制規格の対象品目は、冷延鋼板や建設材料として使用される形鋼、ワイヤグリルなどで、HSコードは表のとおり。これにより、該当品目の輸入に当たっては所轄官庁からCOAを取得しなければならない。COAの申請先は、建材用は建設業開発庁(CIDB)、非建材用はマレーシア工業標準規格院(SIRIM)となる。COAは通関時に求められる。

強制規格の対象に追加された鉄鋼品目のHSコードとCOA発行機関

鉄鋼製品については、中国などからの粗悪な製品の流入が急増したことから、政府がその防止策として2008年11月から段階的にCOAを導入しており、建材用の棒鋼、薄板類、パイプ類などを含む合計150品目がCOA対象となっていた(2009年3月2日記事参照)。今回は新たに27品目が追加されたことになる。

今回の強制規格導入の理由について、2014年8月4日付のMITIプレスリリースは、輸入製品の品質と安全性を確保するためとしている。しかし背景として、鉄鋼産業はマレーシアの代表的な国内保護産業の1つで、COA運用を厳格化していくことで鉄鋼製品の流入をさらに抑制したいという政府の狙いがある。最近は鉄鋼製品のみならず、ガラス製品など強制規格の対象品目は拡大しているため、規制状況については今後も注視する必要がある(2014年1月24日記事参照)

規制の詳細、SIRIMとCIDBの連絡先は、MITIのウェブサイトを参照。

(手島恵美)

(マレーシア)

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