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駐在手当や外国資産所得に優遇税制−「駐在員の法務・税務」セミナー(2)−

(フランス)

パリ事務所

2014年01月28日

ジェトロが開催した「駐在員の法務・税務」に関するセミナー報告の後編は、駐在員の税務について。

<国籍に関係なく居住者か非居住者によりフランスで課税>
滞在・就労許可を得た外国人は、許可の種類や社会保障の取り扱いに関係なく、フランスの税規定の対象となる。税制においては、国籍はほぼ関係なく居住者か非居住者に分類されて課税される。

フランスの税制上の居住国の定義は、税法4Bにより、(1)本人および家族の主な居住地、(2)主な職業活動場所、(3)資産の所在、で定められる。フランス居住者には、フランス国内外全ての所得をフランスにおける所得として申告する義務がある。非居住者については、フランス源泉所得だけが課税対象となる。

<日仏租税条約により居住地を定義>
日仏租税条約の第4条により居住地が定義されており、a.恒久的住居、b.利害関係の中心地、c.両国に居住地がある場合、常用の住居が居住地となる。ただし、双方の国籍を保持する個人、またはどちらの国籍も持たない個人については日仏当局の合意により居住地が定められる。

給与所得については、第15条により、原則として給与活動がなされた国で課税される。駐在員の給与のうち、日本で支払われた給与についてもフランスで課税される。フランス滞在が年間で183日に達しない場合は、フランスでは非課税となる。

<フランス駐在員には優遇税制を適用>
外国企業の従業員・役員で、フランス企業に駐在する者は、一般税法典の第155条Bにより優遇税制が適用される。(1)フランスでの勤務開始前の5年間において、税法上のフランス居住者でなかったこと、(2)赴任と同時に税法上のフランス居住者となることを条件とする。ただし、日本の本社での勤務経験がなく、フランスで採用された者は(1)の条件を満たしていなくても対象となる。同法律は、勤労所得、外国資産所得に適用される。日本企業の従業員であるフランス人が日本からフランスに駐在員として赴任した場合も適用される。

○勤労所得
駐在に伴い支給される駐在手当、現物支給(車、住宅など)について、所得税の優遇制度が適用される。駐在員は下記のa.とb.のうち、本人にとって有利な方が控除される(一般税法典第155条B、図1参照)。また、直接にフランスで採用された者にだけ適用される定額免税率30%がある(一般税法典第155条B−2、図2参照)。個人所得税の修正申告は3年前までさかのぼることが可能。

a.給与総額の50%の上限額
b.駐在手当差し引き後の課税所得の20%の上限額

図1日本から派遣された駐在員に適用される免税額の計算例
図2直接にフランスで採用された者に適用される免税額の計算例

○外国資産所得
外国源泉特定資産所得のうち、(1)配当利子所得、(2)著作権からの収益、(3)有価証券と株式の譲渡益は、50%まで非課税となる。非課税期間は6年間。

<富裕税も非課税の対象に>
純資産が基準(2013年は130万ユーロ)以上の場合、フランス居住者は富裕税の対象となる(表参照)。ただし、過去5年間にフランス居住者でなかった者は非課税となる。適用期間は5年間。外国にある資産は対象外。

資産額が130万ユーロ以上257万ユーロ未満の場合は、個人所得税申告の一環として申告用紙2042で申告する。納税は納税請求書の受け取り後に支払う。257万ユーロ以上の場合は、申告用紙2725により別途申告する。申告時に納税する。

富裕税税率

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