ビザの種類を入国目的で12に細分化−9月から外国人出入国管理条例が施行−

(中国)

北京事務所

2013年08月15日

新「出入国管理法」施行(7月1日)を受け、具体的な実施条例として外国人出入国管理条例が7月12日に公布され、9月1日から施行される。ビザの種類が8種類から12種類に増え、従来のFビザの対象の一部がMビザに変更されるほか、Zビザは一般就労目的の滞在に統一される。取得すべきビザの種類を入国目的に応じ細分化することによって、不法就労や不法滞在などを厳しく制限する意図がうかがえる。

<商用の外国人はFビザからMビザに>
「出入国管理法」は外国人、中国国民ともに適用される法律だが、「外国人出入国管理条例」は外国人に対する入国、居留、出国などについての具体的な実施条例で、「総則」「査証の類別および発行」「滞在・在留に関する管理」「調査および送還」「付則」の5章、39条からなる。

ビザの種類変更の主な留意点として、商用目的の外国人のビザがFビザからMビザになることと、駐在員の家族が駐在員と同じZビザからSビザ(短期はS2ビザ)になることが挙げられる。変更点は表のとおり。

ビザの種類の変更点

<現地法人での就労にはZビザが必要か>
従来はFビザで入国して就労していたケースが少なからずあったようだが、商業目的の訪問者はMビザに統一される。

新法のMビザの該当者は「商業目的の訪問者(ビジネス、商談など)」であり旧法のFビザと同じようだが、新法のMビザはあくまで外国の会社から出張者として商用で中国に入国する場合に限定されるものと考えられる。例えば、常駐していない中国現地法人の総経理などが、Fビザを取得して現地法人と外国での勤務を兼務していたような場合、今後は中国現地法人への勤務はMビザではなく就業証を取得してのZビザ取得が必要になる可能性が高い。

Zビザ取得時は、就労許可により限定された勤務地で居留許可を取得することになるが、その後に他地域(例えば他地域の分公司)で勤務することになったような場合は、新「出入国管理法」第43条2項の「就労許可により限定された範囲を超えて中国国内で就労した時」に該当するとして、不法就労と見なされる可能性がある。短期出張の場合は当地の公安へ宿泊登記(一般的にはホテル、マンションが代行手続きをする)をするだけでよいと思われるが、長期出張の場合は就労許可を当該地で取得して居留許可も変更するのが望ましいという見解もある。

<無犯罪証明書は事前に必要性の確認を>
従来、新規に就業許可証を取得する時に労働部門が無犯罪証明書の提出を要求するのは一部地域にとどまっていた。

しかし7月1日以降、北京など他の地域においても労働部門から無犯罪証明書を要求される事例が報告されている。このため地元の労働部門にあらかじめ証明書が必要かどうか確認しておく必要があるだろう。無犯罪証明書は日本の警察へ申請し取得する。指紋採取が必要なため本人が申請することになる。

在中国日本大使館など在外公館でも申請は可能だが、入手におおむね2ヵ月前後、場合によっては3ヵ月以上要することもあるという。日本で申請した場合でも入手に2週間程度必要なため、手続きに余裕をみておく必要がある。

<在留証書更新には実質3週間かかる場合も>
新出入国管理法によると、在留証書(居留許可)は期限の30日前までに延長申請する必要があり、「管理条例」では、在留証書の更新は申請後15日を超えない日数で可能と規定している。この15日は、実態としては15営業日であり、実質的に約3週間必要ということになる。

この間はパスポートを公安機関に預けることになるため、出国だけでなく、国内出張などでの航空機、列車、ホテル利用に支障を来すことになる。上海など一部の地域では空港やホテルのチェックインは、在留証書延長申請時に発行される受理票に顔写真を貼り出入国管理局の公印を押印したものと、パスポートのコピーなどを提示することにより可能ともいわれているが(2013年7月16日記事参照)、北京の出入国管理局ではそのような対応を予定していない。

出張などの手配に際し、受理票をパスポートの代わりとして認めてくれるかどうか、空港やホテルなどに事前に確認する必要があるだろう。

新出入国管理法は7月1日に施行されたものの、9月1日の「管理条例」施行を控え、新しい手続きが実務的にどのように定着していくか流動的な面もあるため、現状では事務のスケジュールに余裕を持たせるとともに、手続きや必要書類などを事前に当局に確認しながら作業を進めていく必要がある。

(中谷政行)

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