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輸出入ライセンスの免除品目で解釈に食い違い−現場では混乱続く−

(ミャンマー)

ヤンゴン事務所

2013年08月21日

ミャンマー政府は、一部の品目について輸出入ライセンス制度を免除すると2月末に発表した。日系企業からは貿易業務の負担軽減につながると期待が高いものの、実際の運用では対象品目と判断できる商品についても解釈の違いから依然ライセンスを求められるなど、現場では一部混乱が続いており、注意が必要だ。

<商業省が輸入品リストを改定中>
ミャンマーでは輸出入を行う際に商業省貿易局の定めに従い、事前に輸出入ライセンスを取得しなければならないとされてきた。軍事政権時代に掲げられた輸出第一政策により、輸出で稼いだ外貨(輸出外貨)でしか輸入を認めないなど、特に輸入に関しては厳しい制限が課されてきた。2000年代半ばから本格化したタイ向け天然ガスの輸出により外貨準備が増えるに従って規制は緩和されてきたが、それでも貿易を行う際の事前の輸出入ライセンス取得制度は廃止されず残っていた。以前は申請窓口が首都ネピドーに限られていたため、登録輸出入業者は出荷の度にネピドーまで赴く必要があり(注1)、またその有効期限もわずか3ヵ月で、非関税障壁の最たる例としてその廃止を訴える声が多かった。

最初に商業省から発表があったのは、3月1日から輸出152品目、輸入166品目については事前の輸出入ライセンスを取得せずとも輸出入を許可するというもので、商業省のウェブサイトにリストとともに公開された(注2)。しかし、同リストにはHSコードが付されておらず、また、品目名もミャンマー語のみでかつ定義があいまいなものが多かったため、解釈の上で大きな混乱が生じる結果となった。今回添付した輸出152品目のリストは、商業省がミャンマー語で公開したものをジェトロが英訳したものだ。

また、輸入166品目については特に現場での混乱が大きく、全く同じ品目が重複して掲載されているなど初歩的な間違いも多かったため、商業省は同リストの更新作業を進めているところだ。今回添付した輸入593品目のリストは、改定中の同リストをジェトロが入手したもので、当初発表された166品目のリストを詳細にしたものだ(注3)。今回のリストにはHSコードが付されており、品目名も英語で記載されている。ただし、549番や563番には番号が付されていないが、原リストでも空欄となっている。

<税関当局との連絡不足が目立つ>
ジェトロ・ヤンゴン事務所がヒアリングして調べたところ、リストに掲載されている品目にもかかわらず、依然として輸出入ライセンスを要求されるケースが複数確認されている。当地にCMP(Cutting, Making, Packing:委託加工生産)工場を有するある日系縫製メーカーによると、今回の通達でCMP製品輸出はリストの152番目に記載があるため確かに事前の輸出ライセンスなしで出荷できるようになったという。しかし、かねて輸出の際に必要とされてきたミャンマー縫製業者協会(MGMA)発行の輸出承認書は廃止に至っておらず、その手間は変わらないという。また輸入に関しては、リストを見る限り一部縫製原料として認められる品目があるものと期待していたものの、現状では全ての品目につき従前どおり輸入ライセンスの取得を要求されているという。また、あるミャンマー系貿易会社によると、6月ごろに文房具を海外から輸入しようとした際、ボールペンは166品目の廃止リスト(輸入)に掲載があったためライセンスなしで認められると思っていたが、実際には取得が必要と税関当局から求められ、やむなく取得したという。

通常の輸出入業務に関しては、商業省のみならず税関当局も関わる事項が多いが、財務歳入省には2月28日付の商業省の通達内容が必ずしも事前に十分に説明されていなかったもようで、商業省が不要と判断しても税関で輸出入ライセンスを求められるケースが相次ぐなど、現場では引き続き混乱が続いている。

ミャンマー政府は2015年末のASEAN共同体発足に向け、非関税障壁の撤廃を含めASEANの一員として貿易環境整備の準備を急いでいるが、足元では政府行政機関の準備不足が目立っており、また現場での運用が必ずしも追い付いていないなど、多くの課題を残しているといえる。

(注1)2011年10月、一部の品目については商業省のヤンゴン支局で申請が可能になった(2011年10月12日記事参照)
(注2)2013年2月28日、商業省通達第16号
(注3)添付した輸入593品目については、ミャンマー政府が正式に発表しているものではないため、参考情報。

(水谷俊博)

(ミャンマー)

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