宮崎市などとJICAの協働で、IT人材育成体制の構築・経済交流促進に向けB-MEET始動

(バングラデシュ、宮崎)

ダッカ発

2022年11月25日

バングラデシュ政府の方針に基づいてIT産業の発展を目指し活動するバングラデシュ・ソフトウエア情報サービス協会(BASIS、2022年4月26日記事参照)は11月20日、ダッカ市内のホテルで「ジャパンデー」を開催した。ジャパンデーは、バングラデシュのIT企業・関係者と日本のIT企業・関係者の交流を深めることを目的に実施されている。2回目となる今回は、バングラデシュのIT人材育成体制の構築と、同国と宮崎市との経済交流の促進を目的としたプログラム「宮崎-バングラデシュICT(情報通信技術)人材育成事業」(通称「B-MEET」)の実施に向けて、宮崎大学とBASISとの間で覚書の調印式が行われた。

B-MEETは、国際協力機構(JICA)による草の根技術協力事業の一環として、宮崎市の提案の下、2022年4月から2025年2月までの3年間、宮崎大学が実施するプログラムだ。別途に宮崎大学では、宮崎を中心とした日本での就労を希望するバングラデシュ人のITエンジニアを対象に研修を行う「外国人ICT技術者人材育成プログラム」〔通称「B-JET」(注1)〕を実施中だ。B-MEETでは、日系企業との業務提携を望むバングラデシュのIT企業を主な対象に研修を行うことで、同国のIT人材育成体制をより強固にするとともに、両国の企業間連携を促進する狙いがある。

B-MEETのプログラムの実施内容は主に以下の4点に大別される。

  1. バングラデシュのICT企業(BASIS)や大学を対象とした、日本語、日本文化、ビジネスマナーなどの研修実施。
  2. バングラデシュ側のビジネス交流のコアメンバーに対する宮崎での研修実施。
  3. BASIS会員企業を対象とした、宮崎が求めるビジネススキルや日本の商習慣などに関するセミナー実施。
  4. 宮崎市ICT企業連絡協議会(Miyazaki IT Plus、注2)のメンバーを対象に、バングラデシュ現地の商習慣などに関するセミナー実施。

上記1の研修プログラムには、プロフェッショナル向けクラス(B-MEET for Professionals: BPクラス)と大学生向けのクラス(B-MEET for University Students: BSクラス)があり、BPクラスはBASISで、BSクラスはノースサウス大学(注3)で実施予定だ。どちらも1バッチ当たり1カ月のクラスで、授業料は無料(別途、施設利用料が必要)となっている。

2025年のプログラム終了までに、BPクラス、BSクラスともに、9バッチの実施を予定しており、トライアルとして初回のバッチの授業が12月にスタートする。

写真 覚書調印式の様子(ジェトロ撮影)

覚書調印式の様子(ジェトロ撮影)

(注1)JICAの技術協力プロジェクトの一環として2017年11月に開始し、バングラデシュICT人材向けの日本就職をターゲットとしたトレーニングプログラム。JICA事業としては2020年10月に終了したものの、2021年7月から新B-JETとして、宮崎大学とバングラデシュのノースサウス大学、コンピュータ評議会間に締結した合意文書に基づき、民間事業体制へ移行。

(注2)ICT産業と地域の発展に寄与することを目的として活動している業界団体。

(注3)ダッカ市内にキャンパスを持つバングラデシュ最高峰の私立大学の1つ。

(薄木裕也)

(バングラデシュ、宮崎)

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