海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本産食材サポーター店インタビュー SUSHIMAMA

在住14年のシェフがこだわる本物の味
スロベニアの本格的な和食レストラン

所在地:リュブリャナ(スロベニア)

旧市街の中心で本格的な日本料理を味わう

スロベニアの首都リュブリャナの観光スポットが集中する旧市街に、観光客に限らず、現地の人々にも非常に人気の高い、こだわりの日本食を提供する「SUSHIMAMA」 はある。シェフを務める石川洋喜(いしかわひろき)氏 は、スペインでの滞在などを経て14年前にスロベニアに移住。移住当初は日本食の認知度が低かったが、近年ではスロベニアの高級百貨店も日本産ウイスキー、和牛、海苔や醤油、味噌などといった調味料を取り扱うなど、その認知度は確実に上がっていることを実感し、更なる認知度向上へ大きな期待を寄せている。今回の日本産食材サポーター店認定に対しても、「今まで、"これが日本産です"というのは特にメニューに書いていなかったので、これでお客さんに比べていただいて、クオリティーの高さを実感してもらえれば。」と意気込んでいる。

寿司のみならず、他にも豊富な日本食メニュー

おしゃれで大人の雰囲気が漂う店内は、入店するとまず寿司屋ならではの立派なカウンターが目に入る。スタッフも皆生き生きとしていて、親切に席へと案内してくれる。人気のメニューはやはり寿司と刺身。中でも日本から取り寄せている生食用のホタテはスロベニアでは非常に珍しく、現地の方にも人気が高いと石川シェフは誇らしげに言う。また、日本産の味噌にもこだわっており、例えば夏にはオクラの酢味噌和えや、柚子ジュースと玉みそを混ぜたスズキのグリルが提供されている。更なるこだわりは日本酒だ。こちらは現地のスタッフが自発的に勉強し、積極的に売り込むなどした結果、確実に現地での認知度と人気は上がっているとのこと。「日本酒が簡単に手に入らない分、こちらからプレゼンをしていかないと、なかなか興味を持ってもらえない。そのプレゼン担当がウエーターたちになる。」

生鮮食品の入手に苦労

「本当だったら生鮮食品が扱えれば一番面白いですけど、やはりスロベニアは物流の問題などもあって、マグロとか、ヨーロッパ圏内から取り寄せるのも結構大変なんですよ。」魚を生で食べる習慣がないため、ただでさえ生鮮食品の物流が日本ほど発達していないヨーロッパ。その中でも小国のスロベニアでは取扱量も少なく、なかなか物流ルートが開拓されないと石川シェフは訴える。飛行機は直行便も少なく、ディストリビューターを通して2週間に一度の配達が行われるようになったのもここ数年のこと。さらに追い打ちをかけるように現在はコロナ等の影響もあって欠品が多く、頼んだものの半分しか来ないこともあるという。

シェフの挑戦は続く

主な客層はスロベニア人と観光客。コロナ明けでスロベニアは現在国を挙げて観光やグルメに力を入れている。そのため、2年ほど前からミシュランも入って来ていて、現地星付きレストランのスターシェフが日本産の食材を使うことにより、さらにその認知度が上がることに石川シェフは期待を示す。シェフ自身も新たな取組みとして日本産の和牛をメニューに取り入れた。「日本のものはこちらと比べるとクオリティーも高いし、単純においしいということもあるので、そういう食材を使って日本の文化なども料理と一緒に発信したい。また、それをきっかけに日本に興味を持ってもらい、実際に行ってもらいたい。」日本の魅力を少しでも多くの人に知ってもらおうと、石川シェフの挑戦は続く。

SUSHIMAMA
Wolfova ulica 12, 1000 Lubljana
+386 40 70 20 70
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