海外における日本産食材サポーター店認定制度

日本産食材サポーター店インタビュー 寿司 北海道 幸(SUSHI HOKKAIDO SACHI)

北海道をはじめとする日本産海産物を、
鮮度にこだわり届けるベトナム発の日本料理店。

所在地:ホーチミン(ベトナム)

北海道が誇る海の幸を、ほぼ毎日空輸で直送

CEOのスティーブン(レー・フイン・ブウ・ギー)氏がかつて日本を訪れた際、日本料理の味やレストランのサービスに感銘を受けたことから立ち上げた日本料理店「寿司 北海道 幸」。確かな味はもとより店舗の華やかな雰囲気も相まってベトナム人を中心に人気が上昇、2013年の創業から8年あまりで今やホーチミン市に9店舗を展開するまでになった。
最大の強みはその名の通り、北海道を中心とした日本産の新鮮なシーフード。日本からほぼ毎日空輸する海産物を、日本人シェフ監修のもと厳しいトレーニングを積んだスタッフが、腕によりをかけた美食に仕立て上げる。中でも寿司と刺身に力を入れており、北海道の特産である毛蟹や帆立のほか、マグロや牡蠣、ハマチ、カンパチなど、日本で知名度の高い食材は、ベトナムでも高い人気を集めているという。

寿司・刺身に加え卓上で焼き上げる七輪料理も人気

「当店では何より素材の鮮度と安全性にこだわっています。魚介などの日本産食材は当然ですが、野菜もベトナム中南部の高原の街ダラットの自社農場で栽培したものを使用しています」と話すのは、総料理長の成田清則氏。高品質の食材の確保は海外に拠点を置く日本料理店にとって常に大きな壁となるが、開店当初からスティーブン氏と共に何度も日本各地のサプライヤーを訪ね、独自のルートと商品を開拓。甲斐あって、今では常に新鮮で美味しい食材を、適正価格でベトナムの人々へ届けられるようになった。
そんな同店では現在、数多くの品を提供しているが、人気の寿司や刺身のみならず、特に七輪を使い卓上で仕上げる焼き物料理も日本情緒を感じられると好評だ。中でもクリーミーで濃厚な味わいのズワイ蟹味噌焼きは来店客の半数以上が注文するという大人気商品。その他、松阪・仙台・十勝などの日本産牛肉や、帆立などを熱した石版の上で焼く石焼き炭火メニューも人気が高い。

現地の好みに合わせ多彩にメニューをアレンジ

「日本へ行かずとも、食材・調理・サービス・空間と、全てにおいて本当の意味で日本を体験できる店」をコンセプトとして掲げる北海道 幸だが、味の嗜好の違いから当初はメニューの開発にも苦労した。
たとえば焼き魚。しっかりとした味付けの料理に慣れたベトナム人にとって、日本料理の味は淡泊に感じられる。そこで定番の塩焼きだけでなく、チーズ味噌焼きや明太子焼きを創作した。また、刺身では醤油や酢の代わりにハラペーニョやポン酢など、濃い味の調味料で締めたメニューを追加。生の魚を食べられない人に向け、炙りや巻き寿司のほか、子持ちニシンなど加工品も充実させた。さらには刺身に添えるワサビを希望により刻み赤唐辛子に変更できるようにするなど、基本的な和食のスタイルを保ちつつ、現地の好みに合わせたアレンジを加えることで、より幅広い客層に楽しんでもらう工夫を続けてきたという。

四季折々の旬の料理やイベントで日本食を紹介

その他にも同店では、四季折々の食材を使った「旬のおすすめ品」を提供している。定期的にメニューが更新されるもので、四季の味を通じて日本の食文化を知ってもらいたい、興味をもってもらいたい、との願いを込めているという。また、福岡県のホウボウや北海道の活ウニなど各地の海産物に焦点を当てたプロモーションや、寿司や十勝牛と日本酒のペアリングイベント、子供向けの寿司教室など、広く日本の食文化を伝えるイベントを不定期に開催。日本産食材サポーター店であることも、日本とベトナムを繋ぐ意義を感じるとともに、現地でのブランディングに役立っているとか。
ベトナムの食習慣に寄り添いつつ、日本の味を伝える北海道 幸。現在はホーチミン市のみだが、今後は首都ハノイなど全国での展開も視野に入れている。気軽なランチから特別なディナーまで、本物を求めるベトナムの人々へ、日本の味覚を通じた幸せをこれからも届け続けてくれるに違いない。
(2021年取材)

寿司 北海道 幸(SUSHI HOKKAIDO SACHI)
180 Pasteur Street, Ben Nghe Ward, District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
028-3823-2275
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