デンマーク風力大手オーステッド、ポーランド洋上風力案件の進捗を発表
(デンマーク、ポーランド、米国)
デュッセルドルフ発
2026年06月01日
デンマークの風力発電大手のオーステッドは5月11日、ポーランド最大の電力会社PGEとともに進める洋上風力プロジェクトである「バルティカ(Baltica)2」について最初の基礎構造の据え付けが完了したと案件の進捗を発表した。出資比率50対50で建設・運用される。同プロジェクトはバルト海、ポーランド沖40キロメートルの地点に建設され、タービン107基、発電容量は1,498メガワット(MW)で、洋上風力発電プロジェクトとしてはポーランド最大規模で、稼働は2027年を予定する。発電容量1,255MWとなる「バルティカ3」についても計画されており、こちらは2029年稼働予定だ。
欧州市場重視の姿勢を示すオーステッド
オーステッドは昨今、欧州市場重視の姿勢を示している。同社は5月6日に2026年第1四半期の中間報告書を発表したが、その中で、欧州市場の重要性を指摘した。中東情勢により、欧州の化石燃料の輸入への依存が明らかになったとし、再生可能エネルギーの継続的な導入拡大によってのみ、欧州のエネルギー面での自律性を維持できるとした。また、同報告書では4月に同社が発表した洋上風力に関する論文にも言及し、同論文によると太陽光発電と風力発電を合わせた電源構成比率が2024年の28%から2040年の83%に拡大するシナリオでは、欧州の電力システムのコスト(注)は28%低下するとした。その主要な要因は化石燃料の使用量減だとしている。
一方、同社の米国でのプロジェクトは、米国政府からの建設停止命令や建設材料の価格高騰などを受け、業績が悪化していた(2025年8月27日、9月12日、9月26日記事参照)。米国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)は2025年12月22日に、同社がロードアイランド州沿岸で進める「レボリューション・ウィンド」、ニューヨーク州沖の「サンライズ・ウィンド」を含む洋上風力プロジェクトに対し建設停止命令を再び発出した。オーステッドはこれに対しその違法性を提訴、連邦地方裁判所がこれを受理し、1月と2月にそれぞれ、建設再開を認める仮処分命令を発出している。これにより訴訟の間、事業の再開が認められるが、米国では不確実性がある中での事業運営を余儀なくされる格好となっている。
(注)発電コストに加え、送電網、電力系統への統合コストを含む全体のコスト。
(福井崇泰、安岡美佳)
(デンマーク、ポーランド、米国)
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