イタリア産地の新興市場開拓〜サッスオーロのセラミックタイル産業(2013年3月)

最終更新日: 2013年03月14日

イタリア北部のエミリア・ロマーニャ州のモデナ県サッスオーロを中心に、イタリア最大のセラミックタイル産地が形成されている。第二次世界大戦後に自然発生的に始まったこの地域のタイル産業は、戦後復興の建設大ブーム、消費文化の浸透により1960年代、70年代と大きな成長期を迎えた。しかし1974年の石油ショック以降の経済危機と建設市場縮小の影響で、産地のリストラが行われ、企業グループ化、垂直統合型の生産が普及。1980年代中ごろには再び深刻な大不況に見舞われたが、これを契機に産地内企業は工場の自動化プロセスや技術革新を進め、それが地域内に普及し産地全体の競争力を強化する結果となった。

1990年以降、国内市場の伸び悩みもあり産地内企業は輸出強化の道を進め、輸出割合は年々増加。2000年に入ると産地売上高の7割以上が輸出へ向けられるようになった。同時にグローバル化の進展により販路拡大を目的とした海外直接投資が増え、2000年代には大手企業各社は海外に生産工場を設け、海外市場へより深く浸透する戦略を進め始めた。
海外生産拡大の影響を受け、産地の生産量は縮小しているが、グローバル化により市場のすそ野が広がったことで、逆に同産地はノウハウ集積と技術革新の場所としての重要性を高めている。

発行年月:2013年3月

作成部署:ジェトロ調査企画課

総ページ数:38ページ

記事番号:07001248

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