金融緩和に転じた欧州中央銀行〜ユーロ圏の金融政策とユーロ〜(ユーロ圏)

最終更新日: 2004年03月30日

Report 7 金融緩和に転じた欧州中央銀行〜ユーロ圏の金融政策とユーロ〜(ユーロ圏)

欧州中央銀行(European Central Bank(ECB);ドイツ・フランクフルト所在)が、ユーロ圏における統一的な金融政策を99年1月1日より開始して3年余りが経過した。

2001年はECBにとって金融緩和の年であった。5月以降4回にわたって計1.50ポイントの政策金利の引き下げを行った(図1)。これは、[1]ドイツ経済をはじめとするユーロ圏経済の停滞、[2]ユーロ圏経済の停滞を背景とした消費者物価上昇率の低下、および[3]2001年9月11日の米国テロ事件などによる金融市場の不安定性の高まり、といったユーロ圏経済の状況を背景とするものである。

また、2002年1月1日には、ユーロ現金通貨が導入された。ECBおよびユーロ圏各国中央銀行はユーロ紙幣・硬貨の物理的な流通を開始すべく入念な準備を進めてきたが、この物流計画が実行に移された。これにより、92年2月のマーストリヒト条約が規定した欧州の経済通貨統合のプロセスが、現在ユーロ圏を構成する12カ国において完了したことになる。

本レポートは、[1]ECBの金融政策の目的・戦略について概説し、[2]2001年の金融政策を振り返るとともに、[3]ユーロ現金通貨の導入およびユーロの為替相場の動向を分析し、[4]ユーロ圏経済の今後の見通しおよび今後の金融政策の方向を展望する。

主な図表
・ECBと米国FRBの政策金利の推移(p.65)
・ユーロの為替レートの推移(p.72)

発行年月 :2002年05月
作成部署 :フランクフルト事務所
総ページ数:12ページ

記事番号:05000339

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