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OTC医薬品(医師の処方箋がなくても店頭で購入できる医薬品)の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出

質問

米国向けにOTC(Over-the-Counter)医薬品を輸出したいと考えていますが、米国の輸入規制および留意点について教えてください。

回答

OTC医薬品の輸入を規制する重要な法律は、米国食品・医薬品局(FDA)が所管する連邦食品・医薬品・化粧品法(Federal Food, Drug and Cosmetic Act:FDCA)です。

I. OTC医薬品の販売までのプロセス

米国に輸入されるOTC医薬品は、米国内で製造・販売されるOTC医薬品と同様の規制下に置かれます。OTC医薬品の販売までのプロセスとしては、1)OTC医薬品モノグラフ(OTC Drug monographs、以下モノグラフ)に収録された情報に基づいて製造し、承認申請プロセスを経由せずに販売する、2)FDAの医薬品評価研究センター(Center for Drug Evaluation and Research:CDER)に新薬承認申請(New Drug Application:NDA)を行って承認を受ける、の2種類があります。OTC医薬品の大部分は1)により販売されています。

  1. OTC医薬品モノグラフに基づく医薬品の販売
    モノグラフは、市販薬の基準承認の根拠となるもので、OTC医薬品として許容される有効成分、用量、剤型およびラベル表示についての情報が含まれています。モノグラフに収録された情報に従って製造された医薬品は、「安全かつ有効と認められる物質(generally recognized as safe and effective、GRAS/GRAE)」と見なされ、FDAへの承認申請を行うことなく、販売することが可能です。
    モノグラフは、CDER内の市販薬規則策定部門( Division of Nonprescription Regulation Development:DNRD)によって管理されています。新規に追加される有効成分やラベルの情報など、必要に応じてモノグラフは随時更新されます。
    現在米国市場には、30万種類以上のOTC医薬品が流通しており、治療クラスは80以上におよびます。モノグラフは、各治療クラスごとに作成され、暫定版および最終版のモノグラフが連邦官報(Federal Register)に発表されます。モノグラフの多くは連邦規則(Code of Federal Regulation:CFR)第21条(21 CFR)のセクション300に含まれています。また、各治療クラスのモノグラフにおける更新情報は、FDAのウェブサイトで確認することが可能です。
    有効成分の追加や、ラベル変更を含み、最終版モノグラフに変更を加えたいと考える企業は、FDAに対して請願(citizen petition)を行います。詳細は21 CFRのパート330.10のサブパートBを参照してください。
  2. NDAプロセスによる販売

    NDAは、CDER内部の市販薬臨床評価部門(Division of Nonprescription Clinical Evaluation:DNCE)が審査します。NDAプロセスは、モノグラフに収録されていない新規の医薬品や、処方箋医薬品からのOTC医薬品への変更申請などに利用され、申請様式はフォームFDA356hを利用します。米国内に法人を持たない日本企業がNDA申請を行うには、申請に係る米国内の代理人を置く必要があります。

    NDAにおいて、提出すべきデータ(臨床試験等)は、各OTC医薬品によって異なります。詳細については、それぞれの治療クラスのFDA担当者にお問い合わせください。NDAによる販売の場合には、法律(Prescription User Fee Act:PDUFA)に基づき、所定の手数料をFDAに支払う必要があります。利用する申請様式は、FDA3397で、オンラインで提出します。手数料の支払いがあるまで審査は開始されません。申請書類のオンライン提出に関しては、FDAのウェブページとガイダンスを参照してください。

  3. ホメオパシー(homeopathy)医薬品の扱いについて

    ホメオパシーは自然治癒力に働きかける治療薬です。FDCAの下、ホメオパシー医療における「レメディ(Remedy)」と呼ばれる治療用製品は、医薬品(drug)に分類されており、FDAの所管となります。ホメオパシー製品はOTC医薬品の扱いに準ずるものとされます。しかし、実際にはホメオパシー医療における治療用製品に含まれる成分はあまりにも希釈化されているため、ホメオパシー医薬品の承認プロセスは、安全性・有効性のプロファイルが厳しくチェックされる新規の処方箋医薬品/OTC医薬品の承認プロセスとはかなり異なります。具体的には、ホメオパシー医薬品専用のモノグラフに従って製造されたホメオパシー製品は、FDAの承認なしに、販売することが可能です。

    米国では、米国薬局方(United States Pharmacopeia:USP)とホメオパシー医薬品に特化する米国ホメオパシー薬局方(Homeopathic Pharmacopeia of the United States:HPUS)があります。ホメオパシーの医薬品としての承認に関しては、全てがHPUSに委ねられており、当該ホメオパシー医薬品のモノグラフがHPUSに収録されているかどうか確認します。HPUSに収録されていれば、その治療用製品は正式のホメオパシー医薬品とみなされ、ホメオパシー医薬品として販売することが可能です。ホメオパシー医薬品のラベルには、少なくとも1つの適応症、使用されている成分、希釈に関する情報が含まれている必要があります。

  4. OTC医薬品のラベル
    一般消費者にとり、読みやすく理解しやすいように、OTC製品では、ラベルに記載される内容と書式が標準化されています。メーカーはFDAが定めるラベルの規則を遵守しなければなりません。詳細については、ラベル要件の最終規定、および21 CFR 201.66を参照してください。また、各治療クラス毎に作成されたモノグラフを参照してください。

II. その他の留意点

  1. GMP規則の順守
    OTC医薬品の製造は現行の医薬品製造管理および品質管理基準(current Good Manufacturing Practice、cGMP)に準拠している必要があります。詳細については、21 CFRのパート210と211を参照してください。
  2. 企業登録および医薬品リストの提出

    外国企業は、米国内の企業と同様、医薬品のFDA承認獲得など、日本からの輸出が可能になった時点で、迅速にFDAに企業登録を行う必要があります。企業登録の際、外国企業は本社情報(社名、住所、電話番号やEメールなどの連絡先)に加えて、代理人情報(名前、住所、連絡先)が必要となります。

    また、米国内で販売する医薬品のリストは年2回提出しなければなりません。リストには、投与方法や有効成分、パッケージサイズ、製造企業の情報などを含みます。企業登録と医薬品リストの提出は、オンラインで行います。詳細については、FDAのガイダンスおよび21 CFRのパート207を参照してください。

  3. 輸入時の通関手続き
    輸入業者はまず、自動コマーシャル・システム(Automated Commercial System:ACS)を通じて輸入申告書(entry notice)と通関保証(entry bond)を米国税関国境警備局(Customs and Border Protection、CBP)に提出します。当該輸入品がFDA管轄のものである場合には、その情報がFDAに送られます。FDAは、同情報に基づき、現物検査の必要の有無を決定します。要検査となった場合、FDAはサンプルが各規定に沿っているかを検査し、問題なければ市場で販売可能となります。
    なお、米国に法人がない場合は輸入通関時のCBPとの連絡窓口は、企業登録で指定した米国内代理人となります。

関係法令

連邦政府印刷局:
連邦規則(CFR)電子版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

参考資料・情報

米食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA):
OTC医薬品の申請について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
OTC医薬品の規制についてPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.24MB)(英語)
FDAの連絡先外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
モノグラフの更新情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ホメオパシー医薬品のモノグラフ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
OTC医薬品企業の登録およびOTC医薬品リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
オンライン提出に関するウェブページとガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ラベル要件の規定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.32MB)(英語)

調査時点:2011年12月
最終更新:2020年9月

記事番号: Y-111202

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