電気機器の安全基準認証制度:マレーシア向け輸出

質問

マレーシアへ電気機器を輸出する際の規格について教えてください。

回答

マレーシアに電気機器を輸入、展示、販売または宣伝する場合、1994年電気規則(Electricity Regulations 1994)の規則97(1)に基づき、マレーシアのエネルギー委員会(Suruhanjaya Tenaga: ST)の承認(SIRIM認証)を得て承認書(Certificate of Approval: COA)を取得する必要があります。
サラワク州では、国とは別にサラワク州電気検査部(EIU Sarawak)による承認が行われています。マレー半島を経由して輸入される機器は国の承認のみでサラワク州での承認は必要とされていませんが、直接サラワク州に輸入される機器は同州電気検査部(EIU Sarawak)の承認が必要です。検査部は国レベルの安全基準に則り検査します。

I. 対象機器

マレーシア工業標準所(SIRIM)は、電気機器の承認に関するガイドライン(Guideline for Approval of Electrical Equipment)において、強制的に認証を取得する必要がある品目を下記のとおり定めています。エネルギー委員会(ST)から委託を受けているSIRIM QAS Internationalが認証します。

  1. プラグ(15A以下)
  2. スイッチと調光器
  3. ソケットアウトレット(15A以下)
  4. 蛍光灯ソケット/スターター・ホルダー
  5. 天井ローゼット
  6. バイオネットキャップ/マルチアダプター
  7. 照明器具
  8. 蛍光灯用コンデンサ
  9. 蛍光灯用安定器
  10. AC電流漏電遮断機を含むサーキットブレーカーおよびミニチュア遮断器
  11. ポータブル照明ランプ
  12. 電気ポット類
  13. 厨房機器
  14. トースター、オーブン
  15. 炊飯器
  16. 冷蔵庫
  17. 浸水式電気温水器
  18. 電気温水器
  19. 洗濯機
  20. 扇風機/換気扇
  21. ハンドドライヤー
  22. アイロン
  23. 電気ひげ剃り
  24. ベポライザー(蚊取りマット、芳香器など)
  25. 電気掃除機
  26. 音響機器
  27. ビデオ映像機器
  28. オーディオ/ビデオプレイヤー類
  29. マッサージ器
  30. エアコン
  31. クリスマスイルミネーション
  32. ポータブル家庭用電動工具
  33. アダブター、充電器
  34. 電線、ケーブル類

(出典)Guideline for Approval of Electrical Equipment (2018)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(12.1MB)

II. 関係機関

  1. エネルギー委員会(Suruhanjaya Tenaga: ST)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. マレーシア工業試験所(SIRIM) QAS International外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが認証業務を委託されている。

III.申請手続き

輸入者が商品をマレーシアに輸入する前に、オンラインによって行います。申請に問題がなければ、約6営業日で認可を得ることができます。
申請者は、下記の試験所からテストレポートを入手し、Dagang Net Technologies Sdn. Bhd. (Dagang Net) が運営する電子申請システム(ePermit)で申請します。
申請フローは下記のとおりです。

  1. 申請者(輸入者)はDagangNetのウェブサイトより電子申請
  2. エネルギー委員会(ST)に登録済みでなければならない。未登録の場合は、COR(Certificate of Registration to Manufacture/Import)に登録
  3. ePermitにて申請者は、電気機器の名称、ブランド名、モデル名を入力し、テストレポートを添付。
    ※電気機器の名前やモデル名などが間違っている場合、申請は拒否される。
  4. 冷蔵庫、エアコン、テレビ、ファン、照明器具等MEPS(最低エネルギー性能基準)対象品目の場合はMEPS実施テストを添付。
  5. 申請手数料 30リンギットを支払う
  6. エネルギー委員会(ST)が下記の試験所によるテスト結果および国の個別要求に基づいて評価
  7. 審査完了の通知後、新規申請料金を支払う
    単相220リンギット、三相330リンギット
  8. 承認書(COA)発行

承認書(COA)の更新についても、電子申請システム(ePermit)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで申請します。更新は、有効期限の1か月前から14日前までに行わなければならないとされています。

テストレポート入手先:

  1. マレーシア工業標準所(SIRIM)もしくはマレーシア標準局(DSM)認定の試験所
  2. IEC電気機器安全規格適合性試験制度(IECEE CBスキーム)認定の試験所認定の試験所
  3. アジア太平洋試験所認定協力機構(APLAC)の相互承認協定に署名した認定機関が認定した試験所
  4. 国際試験所認定協力機構(ILAC)の相互承認協定に署名した認定機関が認定した試験所
  5. ASEAN電気機器協定の相互認証が認定された試験所
種類 エネルギー委員会(ST)が規制対象とする電気製品用のSIRIM-STラベル
スキーム 製品テスト/委託テスト(委託テストの場合は"BATCH"と表示される)
ラベル
22mm×15mm
(2022年2月10以降)
25mm×10mm
(2022年2月9日以前)

2022年2月10日以降のSIRIM-STラベル(製品テストのみ変更)

2022年2月10日以降のSIRIM-STラベル(製品テストのみ変更)

2022年2月9日以前のSIRIM-STラベル

出所:SIRIM QAS International ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2022年2月10日よりSIRIM-STラベルが変更されました。消費者のアクセスを容易にするために、QRコード付のラベルが導入されました。これにより、製品の情報を簡単に入手することができるようになり、利便性が向上しました。2022年2月10日以降も以前のSIRIM-STラベルは、有効とされています。

関係機関

関係機関

参考資料・情報

調査時点:2015年2月
最終更新:2024年2月

※本記事は、日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業による調査として、TNY Consulting (Malaysia) Sdn Bhdに委託し、2024年2月に入手した情報に基づき作成した物です。
掲載した情報は作成委託先の判断によるものですが、一般的な情報・解釈がこのとおりであることを保証するものではありません。また、本記事はあくまでも参考情報の提供を目的としたものであって、法的助言を構成するものではなく、法的助言として依拠すべきものでもありません。本記事で提供する情報に基づいて行為をされる場合には、必ず個別の事案に沿った具体的な法的助言を別途お求めください。 ジェトロおよびTNY Consulting (Malaysia) Sdn Bhdは、本記事の記載内容に関して生じた直接的、間接的、派生的、特別の、付随的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、それが契約、不法行為、無過失責任、あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロおよびTNY Consulting (Malaysia) Sdn Bhdがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。

記事番号:W-150801

ご質問・お問い合わせ

記載内容に関するお問い合わせ

貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。