コンテナラウンドユースとは:日本

質問

コンテナラウンドユースを活用するメリットについて教えてください。

回答

コンテナラウンドユース(Container Round Use: CRU)とは、輸入で使用したコンテナを港に返却せずに、輸出で継続して利用する取り組みのことです。

I. コンテナラウンドユースの概要

コンテナラウンドユースの方法として、現状、以下の二通りあります。

一つは、輸入コンテナの中身の貨物を荷卸しした後、空となったコンテナを港に返却することなく直接輸出者のところまで運び、輸出用コンテナとして継続して使用する方法です。

もう一つは、輸入コンテナの中身の貨物を荷卸しした後、空となったコンテナを港に返却することなくインランドデポ(Inland depot: ICD)と呼ばれる内陸のコンテナ中継地に返却し、再びその付近で輸出がある際は、輸出用コンテナとして利用する方法です。(この輸出時の荷主は、輸入時の荷主と同一でなくてもよい)

II.コンテナラウンドユースを活用するメリット

コンテナラウンドユースを活用するメリットとして、以下のようなものがあります。

  1. 物流の効率化とコスト削減
    空コンテナの輸送回数を減らし、輸送コストの削減につながります。
  2. CO2排出量の削減
    空コンテナの輸送に伴うCO2排出量を削減し、環境負荷を軽減します。。
  3. 港湾混雑の緩和
    空コンテナのCYへの搬入・搬出作業が減り、港湾の混雑緩和に貢献します。
  4. ドライバー不足の緩和
    空コンテナの回送にかかるドライバーの時間を削減し、ドライバー不足の緩和につながります。

III. コンテナラウンドユースの流れ

  1. 輸入:輸入貨物を積載したコンテナが港(Container Yard: CY)に搬入され、輸入者の指定先住所まで輸送し、貨物を荷下ろしします。
  2. コンテナ手配:空になったコンテナを港に返却せず、輸出貨物の積み込みに使用します。
    1. 直接輸送: 輸入者から輸出者に直接コンテナを輸送します。
    2. インランドデポ経由:内陸コンテナデポ(ICD)にコンテナを返却し保管。
    輸出があった際に、コンテナを輸出者まで輸送します。
  3. 輸出: 輸出貨物を積載したコンテナを港(CY)に搬入します。

IV. デメリット

  1. 輸出入貨物量の不均衡
    同じ地域間であっても企業ごとに輸出入のタイミングや貨物量、コンテナサイズなどが一致しないことがあり、コンテナの余剰や不足が発生するため、最適なマッチングに至ることが困難になる場合があります。例えば、輸入過多になった場合は、内陸部のインランドデポで空コンテナが滞留し、管理コストが増大する可能性があります。
  2. 利用船会社分散の可能性
    船会社ごとに輸出入で強みがある地域が異なるため、同一の船会社で輸出入を一貫して依頼できない可能性があります。船会社間で共同利用サービスを行っている場合は、異なる船会社間においても相互利用が可能となります。
  3. コンテナマッチング
    コンテナのサイズタイプ(DRY.REEFER /20FEET. 40FEET等)が多種に渡る為、輸出入貨物で共同利用を行うための適切なコンテナのマッチングが難しく、管理が複雑になります。

調査時点:2025年3月

記事番号: J-250301

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