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加工食品の現地輸入規制および留意点:ニュージーランド向け輸出

質問

ニュージーランド向けに加工食品を輸出する際の現地輸入規制および留意点を教えてください。

回答

ニュージーランドは、島国で独特の生態系を持っています。その生態系を維持し、外来種の浸入を水際で防ぐためにバイオセキュリティー(植物・動物検疫)が厳しく行われています。また、食糧輸出国として食の安全に対して高い意識を持っています。2016年3月1日より新食品法(Food Act 2014)が施行されました。製造業者、輸入業者、レストラン等食品を取り扱う業者は、第一次産業省(Ministry of Primary Industries: MPI)に登録し、消費者の安全を守るために食品安全基準の遵守が義務付けられ、扱う品目やビジネスのタイプに応じた食品管理運営が求められるようになりました。輸入の際には検疫と安全性がチェックされ、輸入後も新食品法で定めた食品安全プログラムの元で適正に保管、輸送、販売されているか管理されます。

I. 関税分類番号(HSコード)と関税率

麦・コメ・その他穀物加工品(HS1901-HS1905):0%~5%
野菜・果実加工品(HS2001-HS2009):0%~5%
乳製品(HS0401-HS0406、HS2105):0%~5%
食肉および食肉加工品(HS0201-HS0210、HS1601-HS1603): 0%~5%
水産品および水産加工品(HS0301-HS0308、HS1604-HS1605):0%~5%

最新の関税率はジェトロ「世界の関税率」(World Tariff)またはニュージーランド税関ウェブサイトで確認してください。中国、アセアン、韓国等ニュージーランドと自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を締結している国からの関税率は撤廃あるいは段階的に引き下げられています。外務貿易省(MFAT)ウェブサイトの関税早見表「Tariff Finder」で品目(HS番号あるいはキーワード)と輸出国を入力すると関税率をすぐに確認できます。

輸入の際には、関税のほかに物品サービス税(Goods and Services Tax: GST)が15%課税されます。アルコール類にはアルコール課徴金(Alcohol Excise Duty)が課税されます。1.15%以上のアルコール度数を含むアイスクリームもアルコール課徴金の課税対象です。税率は、品目及びアルコール度数により異なります。課徴金の税率は頻繁に改訂されますので、ニュージーランド税関ウェブサイトにて最新の税率(Excise Duty)をご確認ください。

II. 輸入手続き

  1. 輸入業者登録

    ニュージーランドで食品を輸入して販売するためには第一次産業省(Ministry of Primary Industries: MPI)に輸入業者登録をします。旧食品法(Food Act 1981)で既に登録済みの輸入業者も2016年3月の新法施行に伴い、毎年更新しなければならなくなりました。登録できるのは、ニュージーランド居住者に限られます。非居住者は輸入業者としての登録はできませんが、登録済みの代理店(agent)に委託すれば輸入できます。

    新食品法(Food Act 2014)に基づき、消費者にとってリスクの高い食品には食品管理計画(Food Control Plan: FCP)、比較的リスクの低い食品にはその程度により3段階の国家プログラム(National Programme: NP)を遵守した食品の管理運営が義務づけられます。扱う品目やビジネスのタイプ(製造業者、カフェ等)により食品管理計画(FCP)あるいは国家計画(NP)を地元の自治体(Auckland Council 等)またはMPIに提出することにより業者登録が行われます。提出した計画どおりに食品の安全性を保てることが検査官によって承認されればMPIから通知されます。その後は、関連法を遵守していることを記録し、保管します。FCPあるいはNPの提出及び登録は毎年更新しなければなりません。新法に完全移行する2019年4月30日までは品目やビジネスタイプ毎に移行スケジュールが定められています。

  2. 規格基準
    Food Act 2014、Biosecurity Act 1993、Animal Products Act 1999、Agricultural Compounds and Veterinary Medicines Act 1997、New Zealand (Maximum Residue Limits of Agricultural Compounds)Food Standards 2015及びオーストラリア・ニュージーランド食品基準局(Food Standards Australia New Zealand: FSANZ)の基準を遵守し、消費に適した安全な食品でなければ輸入することができません。オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、オーストラリアおよびニュージーランド国民の健康と安全を保護するために二国間で設立した機関で、食品にかかわる表示要件、添加物・残留物等様々な基準をFSANZコードで定めています。FSANZコードは2016年3月1日に改訂されました。
    1. バイオセキュリティ(検疫)及び食品衛生基準

      第一次産業省(MPI)のウェブサイトでは、「酪農製品」、「卵」、「果実・野菜」、「穀物・種・ナッツ」、「蜂蜜・蜂蜜製品」、「肉類」、「オーガニック食品」、「豚」、「家禽」、「加工食品」、「健康食品・サプリメント」、「水産品」、「ワイン・飲料」について輸入までのステップ、規制、提出書類等を詳細に解説しています。加工食品のうち、動物由来の食品についてはそれぞれ関連品目(酪農、肉類等)の輸入手続きをご参照ください。検索画面で品目名、輸出国を入力すれば衛生基準、必要手続きを調べることができます。

      植物由来の加工食品のうち、特定ブランドの野菜・果物については既にMPIから承認済みのものがあります。輸入する製品が承認済みかどうか「事前承認済み加工食品リスト」にてご確認ください。例えばオーストラリアの”Sumich”の人参、ハワイの”Del Monte”のスライスパイナップルなどは既に承認されています。継続的に輸出をする場合は、生産・包装施設、保管状況等の安全基準を満たす資料を整えて事前承認を取得することをお勧めします。事前承認されていない食品は、検疫及び食品衛生の基準を満たさなければ輸入できません。品目ごとの輸入衛生基準(Import Health Standard: IHS)はMPIウェブサイトにてご確認ください(検索画面から対象品目の衛生基準を検索できます)。

      書類審査で問題がなければ輸入許可証が発行されます。書類審査で疑義がある場合は、指定の食品検査所でサンプル検査が行われます。サンプル検査となった場合は検査費用が発生しますので、事前に第一次産業省の下記の事務所(Central Clearing House: CCH)に対象物を説明して検査が必要かどうか確認することをお勧めします。

      Central Clearing House(CCH)
      Ministry for Primary Industries - Verification Services
      19 Richard Pearse Drive, Airport Oaks, Auckland
      Email: imported.food@mpi.govt.nz
      Fax: +64- 9-909-6208
      Phone: +64-9-909-6210、+64-9-909-6211

    2. 添加物(FSANZ Standard 1.3.1)
      使用可能な食品添加物とその分量もFSANZコードにより細かく定められています。MPI発行の「Identifying Food Additives」にも使用可能な添加物のリストが記載されています。
    3. 残留物(FSANZ Standards 1.4.2)
      食品の生産・製造過程で使用され、残留の可能性がある化学物質、農薬などは、含有量の検査、生産・製造過程のトレースバック、短期・長期にわたる健康への影響などが調査されます。最大残留基準(Maximum Residue Limits: MRLs)は、FSANZの基準とは別にニュージーランド基準<New Zealand(Maximum Residue of Agricultural Compounds)Food Standards 2015> が定められています。しかし、ニュージーランドとオーストラリアの相互協定によりオーストラリアで販売されているものはニュージーランドでも販売することができますし、その反対も同様です。したがってオーストラリア・ニュージーランド基準(FSANZ Standards 1.4.2)に従ったものも認められています。

III. 販売時の規制

  1. 販売時の食品表示
    販売時には以下の表示が義務付けられています。詳細は文末のMPI発行の食品表示ガイド(Food Labelling Guide)にて該当する項目および各FSANZコードを参照してください。
    1. 食品の名称(Standard 1.2.2)
    2. ロット識別情報(Lot ID)(Standard 1.2.2)
    3. 供給業者(輸入業者、販売業者)名と所在地(Standard 1.2.2)
    4. 消費期限(Use by)、賞味期限(Best before)(Standard 1.2.5)
    5. 原材料、主要原料のパーセント表示(Standard 1.2.10)
    6. 添加物(水、砂糖、色素等)(Standard 1.2.4)
    7. 栄養情報、熱量(Standard 1.2.8)
    8. 特定材料に関する義務的な警告・説明文(Standard 1.2.3)
    9. 保管に関する指示(Standard 1.2.6)
    10. 遺伝子組み換え材料を使用した場合の表示(Standard 1.5.2)
    11. 原産国(Standard 1.2.11)オーストラリアで表示義務がある原産国は、ニュージーランドでは任意
    12. 食品照射 殺菌等のために放射線を照射した場合はその旨を表示する(Standard 1.5.3)

    2013年1月から、食品表示制度が改正され、「低脂肪」、「食物繊維・鉄分ミネラル・カルシウム豊富」、「高タンパク」、「低糖・低塩」、「ダイエットの効果がある」、「病気の予防に役立つ」といった健康に関する効果を表示できる成分基準が明確に定義されました。NPSC (Nutrient Profiling Scoring Criterion)の計算に基づき、一定の栄養成分を含んだ食品に限り健康に関する表示が認められます(例えば「低塩」食品は食品100グラム当たり塩分120ミリグラムまで)(Standard 1.2.7)。

  2. パッケージ(Standard 1.4.3)
    食品容器は、消費者が飲み込む、あるいは怪我をする危険性がないよう定めているだけでしたが、FSANZ改訂版(2016年3月施行)にパッケージに関する基準が設けられます。FSANZコードとは別にニュージーランドでは Animal Products Act 1999およびFood Act 1981に食品容器についてのリスクマネージメントが記載されています。

IV. その他

  1. 輸送時の梱包材
    輸送および梱包材(ダンネージ、詰め物、木枠、パレット、ドラム、リール等)に木製製品を使用する場合は、輸送梱包材の植物検疫が必要になります。燻蒸処理済みを表す「ISPM 15 スタンプ」が押されていないと通関できません。「ISPM 15」は、国際連合食糧農業機関(FAO)が2002年3月に「国際貿易における木製梱包材料の規制ガイドライン、International Standard for Phytosanitary Measures: ISPM NO.15」で規定した国際規格です。
  2. 遺伝子組み換え食品
    遺伝子組み換え食品(Genetically Modified Foods)は、安全性が確保されていないことから慎重に取り扱われています。野菜、果物、肉類では遺伝子組み換えが禁止されています。オーストラリア・ニュージーランド食品基準(FSANZ)で認められている遺伝子組み換え材料は、とうもろこし、キャノーラ、綿花、大豆、ポテト、テンサイのみです。これらを使用した加工食品は、安全性に関する証明書を添付することで輸入が認められ、販売の際には遺伝子組み換え材料を使用していることを示す必要があります。

関係機関

関係法令

参考資料・情報

ジェトロ:
世界各国の関税率
ジェトロ以外:
ニュージーランド税関(関税率)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ニュージーランド税関(課徴金)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ニュージーランド外務貿易省(自由貿易協定)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
FTA締結国からの関税早見表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
How to Import Food into New ZealandPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(225KB)
衛生基準検索外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
添加物リストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(473KB)(英語)
残留物基準外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
オーストラリア・ニュージーランド食品基準FSANZ コード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ラベル表示ガイド Food Labelling Guide外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
木製梱包材について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
遺伝子組み換え食品について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
(参考)
貨物梱包材の消毒処理:ニュージーランド向け輸出

調査時点:2016/03

記事番号:J-160301

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