1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 貿易・投資相談Q&A
  4. 処方箋医薬品の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出

処方箋医薬品の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出

米国向けに処方箋医薬品を輸出したいと考えています。米国の輸入規則および留意点について教えてください。

処方箋医薬品の輸入を規制する主要な法律は、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration: FDA)が所管する連邦食品・医薬品・化粧品法(Federal Food, Drug and Cosmetic Act: FDCA)と医薬品価格および特許期限復活法(Drug Price Competition and Patent Term Restoration Act)に含まれるハッチ-ワックスマン法(Hatch-Waxman Act)です。米国で輸入される医薬品は、米国内で製造、利用もしくは販売される医薬品と同様の規制下に置かれます。


I. 臨床試験で利用する試験薬を輸出する場合
外国企業は輸出前に、人を対象とする臨床試験の開始にあたって必要となる、治験計画届(Investigational New Drug: IND)をFDAに提出します。申請者の名義は日本国内の企業でも構いませんが、試験薬の米国輸入手続きの際には、代理人が必要となります。申請様式は、フォームFDA1571を利用し、前臨床試験データ(薬理学データや毒性データ)、試験薬の製造仕様データ、臨床試験プロトコルおよび治験責任医師(Investigator)の情報などを提供する必要があります。
さらに、INDを申請する企業は、当該臨床試験を担当する治験責任医師または独立監視委員会(Institutional Review Board: IRB)からフォームFDA1572を入手しなければなりません。本フォームは申請企業で保管すればよく、FDAへの提出は法律上の義務ではありませんが、フォームの内容がFDAへ提供する治験責任医師の情報に該当するため、INDの申請時にフォームFDA1571と併せて、フォームFDA1572の写しをFDAへ提出するのが一般的です。
 また、2007年9月に施行されたFDA改正法(FDA Amendment Act of 2007: FDAAA)による公衆衛生法(Public Health Service Act)の修正条項により、フェーズ臨床試験については、臨床試験データバンク(ClinicalTrials.gov)への登録が義務付けられています。INDを行う企業は、データバンクへの収録に必要となる特定の情報を国立衛生研究所(National Institute of Health: NIH)に報告する必要があり、INDの申請の際には、当該報告をする旨のフォームFDA3674を併せて提出します。
 INDの詳細については連邦規則(Code of Federal Regulation: CFR)第21条(21CFR)のパート312および文末の「INDガイダンス」を参照してください。

II. 新薬の販売を目的とする場合
1. フォームFDA356hの提出
米国内で新薬を販売する場合、FDCAに基づきFDAから当該医薬品候補の承認を受けなければなりません。米国内に法人を持たない外国企業は、申請に当たって、申請に係る米国内の代理人を立てる必要があります。FDAへの承認申請は、医薬品の種類によって次の3種類に分類されます。
a. BLA(生物製剤承認申請):ウィルス、血清、毒素、ワクチン、血液製剤などを含むブランド生物製剤
b. NDA(新薬承認申請):一般的なブランド低分子医薬品
c. ANDA(簡易新薬承認申請):低分子医薬品のジェネリック薬

BLAの審査はFDAの生物製剤評価研究センター(CBER)、NDAとANDAの審査は、医薬品評価研究センター(CDER)の管轄となります。申請様式は、全てフォームFDA356hを利用します。

A. BLAおよびNDAに必要なデータ
新規ブランド生物製剤および低分子医薬品の承認申請においては、医薬品の化学構造や製造仕様データ、薬理学的データ、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)データ、毒性データ、臨床試験データ、関連特許情報、ラベルの下書きなどを含む包括的なデータ・書類の提出が必要となります。詳細については、21CFRのパート314およびパート601、文末の「NDAガイダンス」を参照してください。また、申請書類のオンライン提出に関しては、文末の「オンライン申請に関する情報・ガイダンス」を参照してください。

B. ANDAに必要なデータ
ジェネリック薬に係るANDAの要件・手続きは、ハッチ-ワックスマン法によって規定されています。ANDAを行う企業は、前臨床試験データや臨床試験データをFDAに提出する必要はなく、当該薬が、ブランド医薬品に対する生物学的同等性を有し、FDAの求める必要条件を満たしている限り、承認されます。通常は、24〜36人の健常者にジェネリック薬を投与し、そのバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)がブランド薬と同等であることを証明することで、生物学的同等性を有していることを実証できます。
また、ANDAを行う企業は、「オレンジブック(承認済みブランド医薬品の特許情報を公開する公報)」を参照し、ブランド医薬品の特許について、a. 特許情報が提出されていない、b. 特許の期限が満了している、c. 特許期間が特定期日に満了する、d. 特許は無効、あるいはジェネリック薬によって侵害されない、の4項目のいずれか一つに該当する旨の証明書を提出しなければなりません。詳細については、文末の「ANDAガイダンス」および21 CFRのパート314とパート320を参照してください。

2. 手数料の支払い
Prescription User Fee Act(PDUFA)に基づき、NDA/BLAを行う企業は、承認申請時に当該医薬品候補の審査管轄部署(CDERもしくはCBER)に手数料を支払います。利用する申請様式はFDA3397で、オンラインで提出します。手数料が支払われるまで審査は始まりません。なお、関連子会社の従業員を含む総従業員数が500名以下の企業が、初めてFDAに新薬の承認申請を行う場合には、手数料の支払いが免除となります(2回目以降は支払う必要があります)。免除を希望する企業は、免除請求書をFDAに提出しなければなりません。詳細は、文末の「PDUFAのガイドライン」および「手数料(ユーザー・フィー)」を参照してください。 

III. 留意点
1. FDAとの協議
書類の不備や試験方法がFDAの要求と異なることによる審査の遅延や不承認を防ぐため、FDAは申請者にあらかじめFDAと協議を行うことを推奨しています。協議は、a. IND申請前(pre-IND meeting)、b. フェーズ終了後、c. フェーズIIの終了後・フェーズIIIの開始前、d. NDA/BLAの申請前に行うよう推奨されています。NDA/BLAの申請前の協議では申請書式などの事務手続きが主な議題となります。
FDAとの協議を希望する申請企業は、管轄する部署(CDERもしくはCBER)に書面で協議開催を要請します。必要となるデータ、手続きなどについては、文末の「ミーティングリクエスト・ガイダンス」および21 CFRのパート312を参照してください。なお、日本企業が単独で申請手続きを適切に行うことは、実務上ほぼ不可能であるため、米国での開発経験がない企業は、大手CRO(Contract Research Organization)と提携して手続きを行うことが一般的です。

2. GMP規則の順守
IND、NDAおよびBLAを行う企業は、現行の医薬品製造管理および品質管理基準(current Good Manufacturing Practice: cGMP)を準拠する必要があります。詳細については、21 CFRのパート210と211を参照してください。

3. 企業登録および医薬品リストの提出
外国企業も、米国内の企業と同様、FDAに企業登録を行う必要があります。企業登録は、医薬品がFDA承認を受けて、日本からの輸出が可能になった時点で、迅速に行います。外国企業の場合、本社情報(社名、住所、電話番号やEメールなどの連絡先)に加えて、米国内の代理人情報(名前、住所、連絡先)の登録が必要となります。
 また、米国内で販売する医薬品のリストを年2回提出しなければなりません。リストには、投与方法や有効成分、パッケージサイズ、製造企業の情報などが含まれます。企業登録と医薬品リストの提出は、オンラインで行います。詳細については、文末の「企業登録および医薬品リストの提出について」および21 CFRのパート207を参照してください。

4. 輸入通関
輸入通関時に税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection: CBP)との連絡窓口は、FDA企業登録の際に指定した米国の代理人となります。CBPは、貨物について、代理人から提供された情報をFDAに送り、当該医薬品が承認されていることの確認を取ります。通常は、承認が確認されれば問題なく輸入することができます。

関連機関
米国食品医薬品局(FDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税関・国境警備局(CBP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


関係法令
連邦規則(CFR)電子版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
米食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration: FDA):
関連CFR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


参考資料・情報
INDガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
NDAガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オンライン申請に関する情報・ガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ミーティングリクエスト・ガイダンス
PDUFAのガイダンス
cGMPのガイダンス(IND)
FDAの連絡先外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Center for Drug Evaluation and Research (CDER)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Center for Biologics Evaluation and Research (CBER)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Office of Generic Drugs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
手数料(ユーザー・フィー)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


調査時点:2016/01

記事番号: Y-111201

ご質問・お問い合わせ

記載内容に関するお問い合わせ

貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。