IEC規格
質問
IEC規格の概要を教えてください。
回答
IEC規格は国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission: IEC)が定めた電気および電子技術分野の国際標準規格です。
I. IECとは
IECはIEC規格の普及を目的とした標準化機関です。1906年に設立され、中央事務局はスイスのジュネーブに置かれています。加盟国は2018年1月現在、84か国(正会員+準会員)です。1カ国1機関のみが国内委員会(National Committee)として認められます。日本では日本工業標準調査会(JISC)が加盟しています。
II. IECの主な活動
電気・電子技術および関連技術分野の発展、世界貿易の推進に寄与するために、国際電気標準規格(IEC規格)を制定し、その標準・規格に適合した製品の品質と安全性を保証する適合性評価制度を提供しています。IEC規格のこれまでの総発行件数は7,537件に上ります(2018年1月現在)。 またIECは、国際標準化機構(ISO)、国際電気通信連合(ITU)、世界保健機構(WHO)など国際機関との密接な連携を図っています。
III. IECの適合性評価スキーム (Conformity Assessment Scheme)
以下の4つの認証制度があり、適合性評価評議会(Conformity Assessment Board: CAB)の権限のもと、認証管理委員会(Certification Management Committee: CMC)が運営しています。
- IEC電気機器・部品適合性試験認証制度(IEC System for Conformity Assessment Schemes for Electrotechnical Equipment and Components: IECEE)
国内認証機関(National Certification Body: NCB)は、IECEE委員会が承認した各国の認証スキーム運営機関です。NCBはIEC規格に基づき家庭用電気機器の安全性試験を行い、適合を証明する証書(Certification Body: CB)を発行します。CB証明書の取得は、NCBに直接申し込んで下さい。現在、日本には国内認証機関は4機関あります(文末のURL参照)。 - IEC防爆電気機器規格適合試験制度(IEC System for Certification to Standards Relating to Equipment for Use in Explosive Atmospheres: IECEx)
爆発性環境における電気機器の規格認証制度です。共通の防爆規格、適合証明書、適合マークを加盟各国が国際的規模で認める制度を導入することにより、一定レベルの安全性を確保し、各国の多重検定を極力排除し国際間の流通を促進しようというものです。日本では公益社団法人産業安全技術協会がIECExシステムの認証機関(ExCB)及び試験機関(ExTL)として活動しています。 - IEC電子部品品質認証制度(IEC Quality Assessment System for Electronic Components: IECQ-CECC)
品質認証された電子部品の国際貿易を促進することを目的とする認証制度です。製造業者、販売業者、テスト・ラボ等に対する組織認定と、製造された電子部品の品質認証が行われ、ISO9001規格等との連携も図られています。 日本では認証機関として一般財団法人日本品質保証機構(JQA)が活動しています。 - IEC再生可能エネルギー機器規格試験認証制度(IEC System for Certification to Standards Relating to Equipment for Use in Renewable Energy Applications: IECRE)
再生可能エネルギーセクターで使用される機器及びサービスにつき、一定レベルの安全性を確保しつつ国際間の流通を促進することを目的とする認証制度です。IECREには「風力発電システム認証」、「海洋エネルギー発電システム認証」及び「太陽光発電システム認証」の3つの活動範囲があります。
関係機関
経済産業省産業技術環境局基準認証ユニット(TEL 03-3501-1511):
日本工業標準調査会(JISC) (事務局は経済産業省に設置)
(財)日本規格協会
IECEE国内認証機関:
(株)UL Japan
テュフ ラインランド ジャパン(株)
(財)電気安全環境研究所(JET)
(財)日本品質保証機構(JQA)安全電磁センター
IECEEx認証機関:
(社)産業安全技術協会
IECQ国内認証機関:
(財)日本品質保証機構(JQA)
参考資料・情報
調査時点:2011年8月
最終更新:2018年12月
記事番号: S-040003
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