医療機器の現地輸入規則と留意点:ロシア向け輸出

質問

ロシアへ医療機器を輸出します。どのような点に気を付けたらよいか教えてください。

回答

まず、日本からロシアへ医療機器を輸出する場合は、日本の外為法に基づく輸出管理規制や対ロシア制裁措置の対象となっていないか確認する必要があります。あらかじめ経済産業省等の公表情報をご確認ください。
さて、ロシアへ医療機器を輸出・販売するためには、原則としてロシア連邦保健監督局(Roszdravnadzor)による国家登録、またはユーラシア経済連合(EAEU)共通制度による医療機器登録が必要です。医療機器は、人体へのリスクに応じてクラスⅠ、Ⅱa、Ⅱb、Ⅲに分類され、クラスに応じて要求される試験や提出書類が異なります。ロシアでは2025年3月から国家登録制度が改正されるとともに、EAEU共通登録制度への移行が進められていますが、移行期間は延長されており、当面は国家登録制度とEAEU登録制度が並行して運用されています。なお、旧来のGOST R義務認証は廃止され、参照規格となっています。

Ⅰ. 関連法令

ロシアにおける医療機器規制は、ロシア連邦法 第323-FZ号「国民の健康保護の基本について」第38条 を基本法令とし、医療機器の定義、国家登録、流通管理の原則を規定しています。医療機器の国家登録制度については、ロシア政府令第1684号(2024年11月30日公布、2025年3月1日施行) により新しい登録手続きが導入され、電子申請の拡充、審査プロセスの再構築などが行われました。
ロシアはユーラシア経済連合(EAEU)の加盟国であり、EAEU共通医療機器規則(Agreement 2014/EEC Council Decision No.46/Decision No.27/2014)に基づく 共通医療機器登録制度への移行が進められています。現在は移行期間が 2027/2028年末まで延長されており、この期間中は ロシア国家登録(Decree 1684)とEAEU共通登録(Decision 27/2014) の両制度が並行して運用されています。

  • 2027年12月31日まで:新規の国家登録申請可
  • 2028年12月31日まで:既存国家登録の変更・再登録可

国家登録審査は、ロシア連邦保健監督局(Roszdravnadzor)が担当し、RMDR(医療機器登録証)が発行されます。
※RMDRはロシア国内のみで有効であり、EAEU加盟国全域で有効となるのは、EAEU共通制度に基づく登録証です。

Ⅱ. 対象品目と分類

医療機器には、診断、治療、予防、リハビリテーションその他医療目的で使用される機器、装置、器具、試薬、体外診断用医療機器(IVD)、医療用ソフトウェアなどが含まれます。 医療機器は使用目的及び人体への潜在的リスクに応じて、

  • クラスⅠ
  • クラスⅡa
  • クラスⅡb
  • クラスⅢ

の4区分に分類されます。
この分類はEU MDRと概ね同様の考え方を採用していますが、ロシア及びEAEU独自の分類ルールが適用されます。登録済み医療機器はRoszdravnadzorの登録データベースで検索することができます。

Ⅲ. 許認可・適合申告手続きについて

医療機器をロシア国内で販売又は使用するためには、原則としてRoszdravnadzorによる登録証明書、またはEAEU登録証明書を取得する必要があります。登録を受けていない医療機器は販売及び使用が認められません。

  1. 国家登録、またはEAEU登録
    1. 取得について
      外国製造業者は、国家登録またはEAEU登録の際、AR(Authorized Representative:現地代理人)を指定し、登録申請を行います。
      登録に当たっては、製品の種類やリスククラスに応じて、
      • 技術試験
      • 生物学的安全性評価
      • 臨床評価又は臨床試験
      • 技術文書審査
      • 品質マネジメントシステム(ISO13485等)の確認
      などが実施されます。
      クラスⅡb及びⅢなど高リスク機器では、製造所の品質システム調査や製造所監査が求められる場合があります。登録証明書は原則として有効期限はありませんが、製品仕様や製造者情報等に変更がある場合は変更登録が必要となります。
    2. 提出書類
      申請書類はロシア語で提出します。一般的には次の書類が必要です。
      1. 申請書
      2. 現地代理人への委任状
      3. 製造業者の会社概要及び登記事項
      4. 製品の技術文書
      5. 使用説明書(IFU)
      6. ISO13485等品質マネジメントシステムに関する資料
      7. リスク分析資料
      8. 臨床評価又は臨床試験に関する資料
      9. 性能試験、安全性試験及びその他必要な試験結果
      提出書類は製品の種類やリスククラスにより異なるため、事前に現地代理人又は登録支援機関へ確認することをお勧めします。

    関係機関

    参考資料・情報

    調査時点:2014年8月
    最終更新:2026年9月

記事番号: R-120902