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一時輸入制度:マレーシア

マレーシアにおける展示会出品貨物・商品サンプル・職業用具の一時輸入制度について教えてください。ATAカルネの利用が可能か、またカルネを使用しない一時輸入制度について教えてください。

マレーシアにおいて一時輸入を行うにあたっては、ATAカルネを利用する方法と、ATAカルネを利用せずマレーシア関税法に基づく一時輸入制度を利用する方法の2通りあります。

I. ATAカルネの概要
ATAカルネとは、展示会への出品物、商品見本および職業用具などの物品を外国へ一時的に持ち込む場合、外国の税関にて免税扱いで一時輸入通関および輸出ができる通関手帳のことです〔物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(通称:ATA条約)〕。マレーシアはATA条約と一時輸入に関する条約(展覧会条約、商品見本条約、職業用具条約)のすべてに加盟しています。
ATAカルネは、一般社団法人日本商事仲裁協会に対して担保の提供(担保はATAカルネを返還すると返却されます)または担保措置料の支払いをすることで、事前に発給を受ける必要があります。

A. 条件
a. 申告先:輸入地の税関(輸入者が必要事項を記入したカルネフォームを提出)
b. 許可期間:ATAカルネ発行日から12ヵ月間(輸入日ではないので注意が必要です)
c. 罰則規定:以下の場合、免税されていた関税、物品・サービス税の支払い義務と罰金が科されます。
i. マレーシアから再輸出されない場合
ii. ATAカルネを使用して輸入された貨物をマレーシア国内での販売および譲渡した場合
d. 担保:マレーシア税関への担保の提供は不要

B.再輸出
輸入者は、再輸出される品目とカルネに記載されている品目に相違がないことを、税関により確認を受けなければなりません。


II. 一時輸入制度
マレーシア国内で行われる展示会・見本市に出展する貨物、およびサンプル品や職業用具(メディア・放送用機器、映画撮影用機器など)については、同国内での消費・販売を行わず一定期間内に再輸出することを条件に、輸入時の関税および物品・サービス税(Good and Services Tax:GST)が免除されます〔1967年関税法(Customs Act 1967)第97条〕。

A. 条件
a. 申告先:一時輸入される貨物が到着する州に所在する税関
b. 許可期間:輸入日から3ヵ月間(最大12ヶ月まで延長可。更なる延長は輸入地の税関長の許可が必要。)
c. 展示会への出品物を消費・販売する場合:
罰則規定などはありませんが、許可期間内に税関に申告の上、関税およびGSTを納付する必要があります。
d. 担保:
i. 通常輸入した場合にかかる関税額またはそれ以上の額が担保として必要です。
ii. 税関は同国内の銀行が発行する銀行保証(Bank Guarantee)を要求します。

上述の事項により、実質的には同国内に拠点を有する企業のサポートが必要となり、同国内に拠点を持つ物流会社に手配を依頼することが一般的です。
e. 必要書類:
インボイス、パッキングリスト、B/LまたはAir Waybill(AWB)、展示会運営者の証明書などが必要です。

なお、貨物がジュエリーの場合のみ、一時輸入の条件が以下の通り一部変更になります。
a. 展示会場は保税地域であること
b. 担保の金額は通常輸入した場合にかかる関税およびGSTの2倍
a. 税関フォーム No. 1(輸入申告書)
b. インボイス
c. パッキングリスト
d. B/L(船荷証券)またはAWB(航空貨物運送状)
e. 原産地証明書
f. 輸入ライセンス(輸入制限品や他法令の承認が必要な製品の場合)

B. 再輸出手続き
輸入者は、一時輸入された貨物がマレーシアから出国する地点(輸出地)を管轄する税関に輸出の申告を行い、貨物が確実にマレーシア国外に再輸出されることを、税関により確認を受けなければなりません。再輸出の確認がされた後、税関より担保(銀行保証)の解除が行われます。


関係機関
マレーシア税関(Royal Malaysian Customs Department)
一般社団法人日本商事仲裁協会(JCAA)

関係法令
1967年関税法(Customs Act 1967)

参考資料・情報
ジェトロ:
貿易・投資相談Q&A「小口貨物の通関制度:マレーシア」

調査時点:2015/08

記事番号: N-110213

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