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麦類の輸入手続き:日本

質問

麦類の輸入手続きについて教えてください。

回答

麦類は米と同様、政府が輸入を管理しています。また、麦類のうち、麦芽など一部の品目は、関税割当対象品目です。関税割当による一次税率の適用を受ける場合は、関税割当制度申請手続きが必要です。その他、植物防疫法、食品衛生法、食品表示法の手続きが必要となる他、家畜用の飼料として麦類を輸入する場合は、家畜伝染病予防法および飼料安全法にかかる手続きも求められます。

I. 輸入時の規制

  1. 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法)
    麦類は米と同様、「主要食糧」として政府が輸入を管理しています(ライ麦、オート麦などは対象外)。政府以外の者が麦類を商業目的で輸入する場合は、通関手続きの前に所定の輸入納付金と関税を政府に納めることが義務付けられています。詳細は農林水産省「米麦等を輸入される方へ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。
  2. 関税定率法/関税暫定措置法(関税割当)
    関税割当制度は、一定の輸入数量の枠内に限り無税又は低税率(一次税率)を適用し需要者に安価な輸入品の供給を確保する一方、この一定の輸入数量の枠を超える輸入分には高税率(二次税率)を適用することによって、国内生産者の保護を図る制度です。麦芽などは関税割当対象品目です。関税割当による一次税率の適用を受けるには、輸入前に関税割当申請手続きを行い、取得した「関税割当証明書」を輸入申告時に提示する必要があります。なお、割当申請には資格要件があります。 詳細は農林水産省「関税割当に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をご参照ください。
  3. 植物防疫法
    大麦属植物、小麦属植物、ライ麦属植物の茎葉については、ヘシアンバエ(検疫有害動植物)の分布する国・地域(アメリカ、カナダ、ニュージーランド等)からの輸入が禁止されています(同法施行規則第9条(輸入禁止地域および輸入禁止植物)別表2外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。輸入禁止植物ではない植物を輸入する際、農林水産省植物防疫所に検査申請を行います。検疫有害動植物が付着していない旨が記載された輸出国の植物検疫機関発行の植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)が必要です(国際植物防疫条約に定める様式による)。なお、検査荷口を特定するための関係書類(B/L、インボイス等の写し)が必要になる場合もあります。植物防疫所での検査の結果、検疫有害動植物の付着が判明した場合は、消毒、駆除、廃棄等の措置が命じられます。
  4. 食品衛生法
    販売目的で麦類を輸入する場合、厚生労働省検疫所食品等輸入届出受付窓口に「食品等輸入届出書」と必要書類(原材料、成分または製造工程等に関する説明書、衛生証明書(必要に応じて)、試験成績書(必要に応じて))を届け出る必要があります。審査の結果、規格基準や安全性の確認が必要と判断されたものには検査が実施されます。審査・検査で同法上問題がなければ、税関への輸入申告時に通関書類とともに、検疫所から発行される「食品等輸入届出済証」を提出します。不適格と判断されたものは輸入できないため、輸入者は積み戻し・廃棄等の措置を取ります。同法に基づく厚生省告示第370号「食品、添加物等の規格基準PDFファイル(789KB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で農産物の農薬残留基準(農薬の各食品中の残留量の限度)が定められています。過去の違反事例としては、ブラジル産小麦について、検疫所のモニタリング検査によりメタミドホス(殺虫剤)が検出されたことから、輸入届出ごとの全ロットについて検査命令(第26条3項)が出されたことがあります。
  5. 家畜伝染病予防法
    「家畜飼料用の穀物わら・乾草」を輸入する際には「家畜伝染病予防法(指定検疫物)」の規制対象となります。口蹄疫の発生地域からの穀物のわら ・飼料用の乾草は原則輸入禁止です。ただし、条件を満たしたもので、輸出国政府機関が発行した証明書を添付してある穀物のわら・飼料用の乾草は輸入が可能です。 最新の規制状況は動物検疫所「わら 、飼料用の乾草の輸入検査手続外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で確認ください。
  6. 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(飼料安全法)/飼料需給安定法
    家畜用の飼料として麦類を輸入する場合は同法の適用を受けます。同法では、飼料の成分規格や製造・使用方法等について規格基準に適合しない飼料の販売目的での輸入を禁止しています。輸入者は輸入事業を開始する2週間前までに「飼料(飼料添加物)輸入業者届」を提出する必要があり、輸入された麦類を用いて飼料を製造するものは「飼料製造業者届」も必要となります。届出は輸入者の本社住所地の都道府県知事を経由して農林水産大臣宛に提出します。以後輸入品目が増える毎に追加の届出を行います。飼料需給安定法に定めのある輸入飼料(大麦、小麦など)の買い付けについても農林水産大臣への報告義務(同法施行規則3条2項)があります。
    詳細はジェトロ貿易・投資相談Q&A「飼料の輸入手続き外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照ください。

II. 販売時の規制

  1. 食品表示法
    食品衛生法、JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)および健康増進法の食品の表示に関する規定を統合した食品表示法が2015年4月に施行され、表示すべき事項(名称、アレルゲン、保存方法、消費期限、原材料、添加物、栄養成分の量および熱量、原産地その他食品関連事業者が表示すべき事項)を食品表示基準として定めています。輸入農産物は原産国名を記載することが必要です。詳細は、消費者庁サイト「新しい食品表示制度についてPDFファイル(1.04MB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 」を参照ください。
  2. 有機JAS規格
    「有機」および「オーガニック」と表示するためには、有機JAS基準に基づく登録認定機関の検査を受け、認定を受ける等の手続きをする必要があります。海外の有機食品を日本で販売する場合、日本産の有機食品と同様に日本で有機JAS規格の認定を受けなければ、有機JASマークの貼付および「有機」、「オーガニック」などの表示はできません。
    ジェトロ貿易・投資相談Q&A「有機食品の表示制度:日本外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 」をご参照ください。

参考資料・情報

食糧法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
植物防疫法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
家畜伝染予防法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
飼料安全法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

農林水産省:
関税割当に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

日本食品化学研究振興財団:
残留農薬基準値検索システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

独立行政法人 農林水産消費安全技術センター:
飼料・飼料添加物の製造・輸入・販売業者届出手続き 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2013年11月
最終更新:2019年1月

記事番号: M-010880

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