香辛料の輸入手続き:日本

香辛料(スパイス)の輸入手続きについて教えてください。

I. 関税分類番号(HSコード)
香辛料(スパイス)のHSコード分類は0904〜0910です。一部の混合調味料は調製食料品とされる場合、野菜または種に分類される場合があります。

【HSコード分類例】
胡椒・とうがらし(HS0904)
シナモン(HS0906)
クローブ(HS0907)
ナツメグ・カルダモン(HS0908)
カレー(HS0910.91.110)
マスタード(HS2103.30)など

ローズマリーやバジルは、一般にはスパイスとして使用しますが、香料用または医療用に使用されるものはHS1211に分類されます。

II. 輸入時の規制
1. 植物防疫法
a. 輸入手続き
輸入時は農林水産省植物防疫所に検査申請を行います。
病害虫が付着していない旨が記載された輸出国の植物検疫機関発行の「植物検疫証明書」が必要です(国際植物防疫条約に定める様式による)。
植物防疫所での検査の結果、病害虫等の付着が判明した場合は、消毒、駆除、廃棄等の措置が命じられます。
なお、土が付いたものは輸入できません。

b. 輸入植物検疫制度の改正
近年、輸入植物の種類や輸出国が増加・多様化しています。
より効率的な植物検疫措置のため、2011年3月と2012年7月に改正・植物防疫法施行規則が施行され、検疫有害植物リスト、植物検疫措置内容の見直しが行われました。
改正の概要についてはジェトロ貿易・投資相談Q&A「 植物防疫法 」を参照ください。

2. 食品衛生法
a. 規制内容
輸入時は、農産物の農薬残留基準(農薬の各食品中の残留量の限度)に留意します。
これは食品衛生法に基づく厚生省告示第370号「食品、添加物等の規格基準」で規定されています(残留農薬等に関するポジティブリスト制度)。
なお、ポジティブリストになく基準が設定されていない農薬等が許容される一定量は0.01ppm以下です。
また、食品添加物や使用基準が定められている物質の含有にも注意を要します。日本では使用が規制されている発色剤、着色料、保存料等の食品添加物が使用されている場合があります。
例えば過去に以下のような違反例があります。

  1. アフラトキシン、マイコトキシン(カビ毒)の検出(チリパウダー、唐辛子、ナツメグ、ターメリック)
  2. 酸化エチレン(指定外添加物殺菌剤)のシナモンへの使用
  3. 二酸化硫黄(漂白剤)の乾燥ハーブへの過量残存
  4. プロフェノスホスの検出(クミン)
  5. EPNの検出(レモングラス)など

また、海外では香辛料に放射線照射による殺菌を認可している国もありますが、日本では原則禁止です。残留農薬基準(ポジティブリスト制度)にも注意が必要です。

b. 基本的な手続き
販売目的で輸入する場合、厚生労働省検疫所食品等輸入届出受付窓口に「食品等輸入届出書」と必要書類(原材料、成分または製造工程等に関する説明書、衛生証明書(必要に応じて)、試験成績書(必要に応じて)を届け出る必要があります。
審査の結果、規格基準や安全性の確認が必要と判断されたものは検査が実施されます。審査・検査で同法上問題がなければ、税関への輸入申告時に通関書類とともに、検疫所から発行される「食品等輸入届出済証」を提出します。不適格と判断されたものは輸入できないため、輸入者は積戻し・廃棄等の措置を取ります。

III. 販売時の規制
1. 農林物資の規格化および品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
国内販売時は、JAS法に基づく品質表示基準に従って一括表示を行う必要があります。輸入品には原産地(国)表示が義務付けられています。
生鮮品は「生鮮食品品質表示基準」、加工品は「加工食品品質表示基準」、冷凍品は「野菜冷凍食品品質表示基準」など、関連する品質表示基準の確認が必要です。詳細は、文末の消費者庁ウェブサイト「品質表示基準一覧」を参照ください。
なお、「有機」、「オーガニック」と表示するためには、有機JAS基準に基づく登録認定機関の検査を受け、認定を受ける必要があります。

2. 食品表示法
現在は食品表示については、以下3つの法律で定められていますが、2013年6月28日に「食品表示法」が公布され2年以内に施行される予定です。
A.食品衛生法
添加物やアレルギーなど安全性に関する表示
B.農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
原材料や内容量など品質についての表示
C.健康増進法
エネルギーや炭水化物など健康に影響する栄養成分表示

「食品表示法」の詳細については文末の関係機関、消費者庁「食品表示一元化情報」を参照ください。


3. 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)・公正競争規約
過大な景品付販売や消費者に誤認されるおそれのある誇大・虚偽表示等が禁止されています。カレー業全国公正取引協議会が定めた公正競争規約(景品)があります。

4. 資源有効利用法/容器包装リサイクル法
ガラス瓶、紙製容器、プラスチック容器等は分別回収促進のための材料識別表示が義務付けられています。特定事業者(輸入業者を含む)は容器廃棄物の再商品化が義務付けられています。


関係機関
厚生労働省:
食品等の輸入届出の手続の流れ
食品衛生法に基づく輸入手続きについて
食品添加物
植物防疫所:
植物検疫に関する問い合わせ
輸入の禁止について
農林水産省 表示規格課:
食品表示とJAS規格
有機食品の検査認証制度
有機登録認定機関一覧
消費者庁:
品質表示基準一覧
食品表示一元化情報

参考資料・情報
日本食品化学研究振興財団:
残留農薬等ポジティブリスト制度について(食品に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品の限度量)
関西空港検疫所:
食品等輸入届出書の記載方法と記入例
経済産業省:
資源有効利用促進法


調査時点:2013/09

記事番号: M-010834

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