ジュエリーや貴金属、アクセサリーの輸入手続き:日本

質問

ジュエリーや貴金属、アクセサリー類の輸入手続きについて教えてください。

回答

ジュエリーや貴金属、アクセサリーの輸入について特段の規制はありません。ただし、さんご、象牙、べっこうなど絶滅のおそれのある動植物から派生したものを使用した製品はワシントン条約の規制対象です。

I. 関税分類

ジュエリーとは一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)の定義によれば、装身具のうち素材に貴金属、天然宝石を用いた宝飾品を言います。天然または養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属および貴金属を張った金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類ならびに貨幣はHS第71類に分類されます。ジュエリー用貴金属およびその合金とは、金、銀、プラチナ(白金)、パラジウムの4種の元素及びその合金を言います。

  1. 真珠(7101)
  2. ダイヤモンド(7102)
  3. 貴石・半貴石(7103)
  4. 銀、金、白金など(7106-7110)
  5. 身辺用細貨類(7113)
  6. 貨幣(7118)

II. ワシントン条約

ワシントン条約は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora: CITES)」の通称です。 ワシントン条約外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、野生動植物の種を絶滅の恐れのある可能性などに応じて、附属書IからIIIに分類し、それぞれに必要な国際取引規制を設けています。日本は1980年に同条約を批准し、「輸出貿易管理令」と「輸入貿易管理令」として法令に反映しています。同条約では、附属書IからIIIにより具体的な規制対象の種を規定しています。一般名では異なる名前でも、同一種である場合など、動植物種の呼称は様々なケースが想定されます。附属書では、そうした誤解を避けるため、それぞれの種を学名で表記しており、輸出入に際しては規制の有無を学名で確認する必要があります。
例えばサンゴについては下記のように分類されています。

  1. 附属書I   :該当なし
  2. 附属書II  :角サンゴ(クロサンゴ目)、アオサンゴ科、石サンゴ目、クダサンゴ科、アナサンゴモドキ科、サンゴモドキ科、サンゴモドキ科の各全種
  3. 附属書III :モモイロサンゴ、アカサンゴ、シロサンゴ、ミッドサンゴの各中国産品

また、加工品としてのべっこう(タイマイの甲羅)を含むウミガメ科全種は付属書Iに該当し、商業目的の取引は禁止されています。その他の対象については附属書PDFファイル(537kB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをご確認ください。

III. 販売時の規制

  1. 品位表示および規格

    欧米諸国には宝飾品に関して信用が置ける機関がプラチナ、金、銀等の貴金属で作られた製品の純度を証明する打刻をするホールマーク制度があります。しかし、ホールマークに関する国際統一基準はなく、対象となる貴金属や証明される品位は国ごとに異なります。日本では、造幣局が公的な第三者として貴金属製品の製造または販売をしている事業者からの依頼に応じて、貴金属製品の品位試験を行い、この試験に合格したものに証明記号を打刻してその品位を証明する制度外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがあります。工業標準化法に基づくJIS規格でジュエリー用貴金属合金の純度、品位(JIS H6309)が定められています。

    また、表示規定等に関する業界ガイドラインとして一般社団法人日本ジュエリー協会が「ジュエリー及び貴金属製品の素材等の表示規定PDFファイル(600kB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」や各種倫理規定等を設けています。

  2. 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
    消費者に誤認されるおそれがあるなどの不当表示や過大な景品付き販売は禁止されています。原産地の誤認を招く表示も不当表示です。

関係機関

税関外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

経済産業省:
ワシントン条約(CITES)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ワシントン条約(条約全文、付属書、締約国など)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

独立行政法人 造幣局:
貴金属製品の品位証明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

一般社団法人 日本ジュエリー協会:
「ジュエリー及び貴金属製品の素材等の表示規定PDFファイル(600kB)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料

ジェトロ貿易投資相談Q&A:
ワシントン条約に基づく輸出入規制:日本外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2013年10月
最終更新:2018年12月

記事番号: M-010800

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