塩の輸入手続き:日本

塩の輸入手続きについて教えてください。

関税分類番号(HSコード):塩(HS2501)

輸入販売にあたっては、塩事業法に基づく届出登録が必要です。また、食品として販売する場合は食品衛生法の手続きも必要です。特殊用塩の一部は医薬品医療機器等法に該当する場合もあります。

I. 輸入時の規制
1. 食品衛生法
A. 規制内容
輸入時は、農産物の農薬残留基準(農薬の各食品中の残留量の限度)に留意します。

これは食品衛生法に基づく厚生省告示第370号「食品、添加物等の規格基準」で規定されています(残留農薬等に関するポジティブリスト制度)。

なお、ポジティブリストになく基準が設定されていない農薬等が許容される一定量は0.01ppm以下です。

また、食品添加物や使用基準が定められている物質の含有にも注意を要します。日本では使用が規制されている発色剤、着色料、保存料等の食品添加物が使用されている場合があります。

B. 基本的な手続き
販売目的で輸入する場合、厚生労働省検疫所食品等輸入届出受付窓口に「食品等輸入届出書」と必要書類(原材料、成分または製造工程等に関する説明書、衛生証明書(必要に応じて)、試験成績書(必要に応じて)を届け出る必要があります。

審査の結果、規格基準や安全性の確認が必要と判断されたものは検査が実施されます。審査・検査で同法上問題がなければ、税関への輸入申告時に通関書類とともに、検疫所から発行される「食品等輸入届出済証」を提出します。不適格と判断されたものは輸入できないため、輸入者は積戻し・廃棄等の措置を取ります。

2. 塩事業法

同法上「塩」とは、塩化ナトリウムの含有量が40%以上の固形物を指し、特定販売(輸入販売)とは「自らまたは他の者に委託して輸入した塩を販売し、または自ら使用すること」と定義されています。

A. 塩の登録

塩の輸入販売を行う場合、「塩特定販売業者」(輸入販売業)として、主たる事業所の所在地を管轄する税関長に「登録」を受ける必要があります。

B.特殊用塩の登録
特殊用塩のみ特定販売を業として行う場合は「特殊用塩特定販売業者」として税関長に「届出」を行う必要があります。この場合の「特殊用塩」とは以下に該当するものです。

  1. 医薬品医療機器等法第2条に規定する医薬品、医薬部外品または化粧品に該当する塩
  2. 試薬塩化ナトリウム
  3. 細菌等の試験研究用の培地として使用される塩、その他専ら学術研究または教育用に供される塩
  4. 銅のメッキ処理過程等において専ら触媒の用に供される塩
  5. 亜鉛、鉄その他の金属成分を含有する塩で、直方体または球形等の塊状に成形されたもの
  6. 塩化ナトリウムの含有量が60%以下の塩で、塩化ナトリウムとそれ以外の成分が容易に分離し難いもの
  7. 販売先を限定して試験的に販売される塩であって、年間販売数量が100トン以内のもの
    (100トンを超える場合は「登録」が必要)

3. 医薬品医療機器等法(医薬品医療機器等法第2条に規定する医薬品、医薬部外品または化粧品に該当する塩の場合)

医薬品医療機器等法該当物品を輸入し販売する場合は「製造販売業許可」が必要です。また、輸入後、包装・表示・保管などを行う場合は「製造業許可」も必要となります。許可申請は輸入販売しようとする事業所(総括製造販売責任者のいる事務所)の所在地を管轄する都道府県薬務主管課に対して許可申請書、登記簿謄本、組織図、総括製造販売責任者の資格を証する書類、品質管理および製造販売後安全管理に係わる体制に関する書類等を提出します。

さらに業として輸入する際には、製造販売業者の氏名・住所、製造販売業許可の種類・許可番号・許可年月日その他の所定事項を記入した輸入届を所轄の厚生局へ提出のうえ、通関時までに確認を受ける必要があります。

II. 販売時の規制
1. 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
国内販売時は、JAS法に基づく品質表示基準に従って一括表示を行う必要があります。輸入品には原産地(国)表示が義務付けられています。

「塩」の規格はありませんが、各種加工食品として販売する場合には同法に基づく品質表示基準に従って一括表示を行う必要があります。ただし、塩は期限表示を省略できる食品に該当します。輸入品には原産地(国)表示が義務付けられています。

2. 食品表示法
2015年4月に施行された「食品表示法」、従来食品衛生法、JAS法および健康増進法で規定されていた以下の項目について一元的に規定しています。

  1. 加物やアレルギーなど安全性に関する表示
  2. 原材料や内容量など品質についての表示
  3. エネルギーや炭水化物など健康に影響する栄養成分表示

詳細については、文末の関係機関、消費者庁「食品表示一元化情報」を参照ください。

3. 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)/公正競争規約
過大な景品付販売や消費者に誤認されるおそれのある誇大・虚偽表示等は禁止されています。食用塩公正取引協議会が定めた公正競争規約があります。

4. 資源有効利用法/容器包装リサイクル法
ガラス瓶、紙製容器、PETボトル等は分別回収促進のための材料識別表示が義務付けられており、特定事業者(輸入業者も含む)は容器廃棄物の再商品化の義務を負います。

関係機関
厚生労働省:
食品等の輸入届出の手続の流れ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品衛生法に基づく輸入手続きについて外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品添加物外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
植物防疫所:
植物検疫に関する問い合わせ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸入の禁止について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
植物等輸出検査申請書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省 表示規格課:
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有機食品の検査認証制度外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
有機登録認定機関一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
消費者庁:
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参考資料・情報
日本食品化学研究振興財団:
残留農薬等ポジティブリスト制度について(食品に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品の限度量)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
関西空港検疫所:
食品等輸入届出書の記載方法と記入例外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015/09

記事番号: M-010766

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