原皮・革の輸入手続き:日本

質問

原皮、革の輸入手続きについて教えてください。

回答

まず、外国との貿易で商品を輸出入する場合には、輸出入される商品を、上6桁が世界共通のHSコード(関税分類番号)に分類する必要があります。皮革製品のHSコードは、加工の種類、毛の有無などにより多岐にわたります。正確なHSコードを事前に税関に確認することをお勧めします。
牛馬革(染着色等したもの)・牛馬革(その他のもの)・羊革・やぎ革(染着色等したもの)、革靴[革製および革を用いた履物(スポーツ用のものおよびスリッパを除く)]は、割当内の低い関税率(一次税率)と割当外の高い関税率(二次税率)が2段構えで設定されている関税割当品目です。

Ⅰ. 革製品のHSコード(関税分類番号)

革製品のHSコード(4桁レベルを記載)は、例として、以下のようなものがあります。

  • 牛または馬類の原皮(HS4101)羊の原皮(HS4102)
  • その他の原皮(HS4103)革製履物(HS6403)など

Ⅱ. 輸入時の規制

  1. 関税定率法/関税暫定措置法(関税割当)
    関税割当は、国(本品の場合は経済産業省)が毎年の一定の割当数量を定め、輸入者の申請に応じてその一定の数量内での枠の割り当てを行い、この枠の範囲内であれば低い税率(一次税率)が、この枠を超えて輸入される場合には高い税率(二次税率)を適用する制度です。一次税率は消費者利益を目的とし、二次税率は国内生産者の保護を目的としています。
    関税割当による一次税率の適用を受けるには、輸入前に関税割当申請手続きを行い、取得した「関税割当証明書」を輸入申告時に提示する必要があります。なお、二次税率適用での輸入数量に制限はありません。申請方法は経済産業省より公表されます。
  2. 家畜伝染病予防法
    偶蹄類の動物および馬、一部の鳥類や兎の皮などは、加工の程度により、指定検疫物に該当する場合があります。同法に該当する原皮革を輸入する場合は、輸出国の政府機関発行による検査証明書をあらかじめ取得し、輸入空海港を管轄する動物検疫所に検査申請を行います。その後、輸入検疫証明書の交付を受け、税関での輸入申告の際、提出します。
  3. 外為法/輸入貿易管理令(ワシントン条約)

    ワシントン条約では、絶滅のおそれがあり、保護が必要と考えられる野生動植物について、3区分に分類し、それぞれの必要性に応じて国際取引を規制しています。 輸出国・地域別に科・属について、ワシントン条約付属書に該当の有無を確認する必要があります。一般名では同条約の対象動物に該当するか否か、または飼育されたものかどうかの判断が困難なため、皮革製品のインボイスには「正式な学名」を記載する必要があります。

    附属書I:現在、絶滅のおそれのある種で、商業目的の取引は禁止。特例目的のための取引および学術研究用を目的とした取引のみが認められている種です。
    附属書II:現在は必ずしも絶滅のおそれのある種ではないが、国際取引を規制しないと絶滅のおそれがある種で、商業目的の取引は条件付きで可能な種です(但し、条約非加盟国等からの輸入は事実上禁止です)。
    附属書III:条約締約国において、自国内における規制および取締りのため他の締約国の協力が必要と認められた種です。

    附属書Iに該当するものは、学術研究目的の輸入または繁殖したものの輸入および条約適用前に取得したものの輸入であることを確認し、輸入承認を得る必要があります。附属書IIまたはIIIに該当する場合は、国際取引を厳密に規制している国・地域を原産とする動植物などの場合、輸出国の管理当局が発行した輸出許可書を取得のうえ、輸入公表第3号により経済産業大臣による事前確認が必要です。事前確認の対象とならない場合、付属書IIについては輸出国の管理当局が発行した輸出許可書または再輸出証明書、付属書IIIについては輸出国の管理当局が発行した輸出許可書、再輸出証明書、加工証明書または原産地証明書のいずれかを取得のうえ、税関による通関時確認が必要です。

  4. その他、「種の保存法」や「鳥獣保護法」の規制を受ける場合もあります。

関係機関

経済産業省 貿易経済協力局貿易審査課:
関税割当制度の概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
貿易管理−ワシントン条約(CITES)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
動物検疫所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省:
家畜伝染病予防法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
検査が必要な物(指定検疫物等)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
環境省:
種の保存法の概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
野生鳥獣の保護及び管理外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2013年7月
最終更新:2025年9月

記事番号: M-010546

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