医療機器の現地輸入規則および留意点:インドネシア向け輸出
質問
インドネシアに医療機器を輸入する際に必要な手続きを教えてください。
回答
I. 医療機器の定義
医療機器は、「医療機器と家庭用器具の流通許可に関する保健大臣規定No.1190/MENKES/PER/VIII/2010」および「医療機器の流通に関する保健大臣規定No.1191/MENKES/PER/VIII/2010」により、病気の予防・診断・治療・健康の回復・人体の一部を形成する機能回復のための器具、装置、機械および医薬品以外のインプラントと定義されています。
具体的には、上述の「保健大臣規定No.1190/MENKES/PER/VIII/2010」の附属書に対象となる品目リストがあります。
II. 輸入・販売許可
インドネシアで医療機器を輸入・販売するためには、輸入者は一般製品の輸入に必要な輸入ライセンス(API)や通関基本番号(NIK)だけでなく、医療機器流通業者ライセンス(Izin Penyalur Alat kesehatan: IPAK)および医療機器流通ライセンス(Izin Edar)を取得する必要があります。 これらのライセンスはインドネシアの国内企業しか取得することができません。
- 医療機器流通業者ライセンス(IPAK)
申請者の所在する州の保健局に認可申請を行います。申請条件は、以下のとおりです。
- 事業許可(Izin Usaha)を取得した法人であること。
- フルタイムの技術責任者がいること。
- 事務所や倉庫に適した施設、設備を有すること。自己所有あるいは賃貸でもよいが、賃貸の場合は最低2年間の賃貸契約を締結していること。
- アフターサービスに対応するための修理施設を有する、あるいは他の会社と提携していること。
- 医療機器優良流通手順(Cara Distribusi Alat Kesehatan yang Baik:CDAKB)を遵守していること。
- 医療機器流通ライセンス(Izin Edar)
IPAK許可取得後に、本許可にて、輸入・販売製品の品目登録を行います。申請は、海外製造元より販売総代理店に指名された、あるいは製造元などからの委任状を有するIPAK、または輸入品をインドネシア国内で組み立て・据え付けを行うための製造証明書を有している企業が行います。
申請方法の詳細は、文末に記載の「インドネシアにおける医療機器市場の概観」を参照ください。
III. 規格
規格については、「保健大臣規定No.1191/MENKES/PER/VIII/2010」にて、インドネシア薬局方(Farmakope Indonesia)、インドネシア国家規格(SNI)、医療機器評価指針、あるいは総局長が定めるその他の基準のいずれかに見合った品質、安全性、効用でなければならないと規定されています。
IV. 表示ラベリング
「保健大臣規定No.1190/MENKES/PER/VIII/2010」にて、以下の項目の表示が義務付けられています。
- 製品名/商標
- 製造者名および住所
- 輸入者名および住所
- 基本成分(構成)
- 原料
- 効用および使用方法
- 警告、副作用の注意書き
- 使用期限
- バッチ番号/生産コード/シリアルナンバー /流通許可番号/ネット重量
表示は、図や色の利用が認められていますが、fおよびgについては、インドネシア語での表記が義務付けられています。
関係機関
関係法令
- 保健大臣規定2010年第1190号「医療機器と家庭用器具の流通許可に関する規定(No.1190/MENKES/PER/VIII/2010)」No.1190/MENKES/PER/VIII/2010(258KB)
- 保健大臣規定2010年第1191号「医療機器の流通に関する規定(No.1191/MENKES/PER/VIII/2010)」(170KB)
参考資料・情報
- 医療機器優良流通手順(CDAKB)(7.3MB)
- National Standardization Agency of Indonesia:
- インドネシア国家規格(SNI)
- ジェトロ:
- インドネシアにおける医療機器市場の概観(1.8MB)
調査時点:2015年7月
最終更新:2018年11月
記事番号: J-120401
ご質問・お問い合わせ
記載内容に関するお問い合わせ
貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。