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ACFTA(中国ASEAN自由貿易協定)の特恵関税適用

中国からタイに輸出する際、タイの客先からForm Eを取得するように依頼されました。これはどのようなものでしょうか。

Form Eとは中国ASEAN自由貿易協定(ASEAN China Free Trade Agreement:ACFTA)の原産地証明書の名称です。


I.ACFTA特恵関税の適用
協定で定められた原産地規則を満たした産品に対してACFTA特恵関税の適用が認められます。ACFTAの譲許スケジュールは、Normal Track、 Sensitive Trackに分かれており、Sensitive Trackは、Sensitive ListとHighly Sensitive Listに分かれます。そのほかに、引き下げ対象外の品目もあります。
Normal Trackにリストアップされた品目の関税率は、ASEAN先行加盟6カ国と中国(ASEAN6+中国)では、2010年までに、(ASEAN新規加盟4カ国)カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV)は2015年までに撤廃します。Sensitive Track品目は、ASEAN6+中国は2018年までに、CLMVは2020年までに0〜5%に引き下げることになっています(High Sensitive Track品目はASEAN6+中国は2015年までに50%以下、CLMVは2018年までに50%以下に引下げることになっている)。


II.互恵規定(Reciprocity)
ACFTAでは、特恵関税は必ずしも各国の譲許スケジュールどおりに適用されません。輸入国のNormal Track にある品目でも輸出国のSensitive Listにある品目に対しては、MFN(最恵国対遇)税率を超えない範囲で、Normal Track とSensitive Trackのどちらか高いほうの税率を適用されます。


III.原産地証明書(Form E)と原産地規則
特恵関税を適用させるためには、次の条件を満たさなければなりません。
1.原産品判定基準

  1. 完全原産品(Wholly Obtained)
    収穫・採取・漁撈・狩猟されたもの、その他産業廃棄物など
    1. 付加価値40%以上
    2. 品目別規則に記載された品目は、そこに定められた条件
  2. 完全原産品でないもの(Not Wholly Obtained)
    下記条件を満たすもの

2.積送基準(直送の原則)
直送することが原則です。ただし、荷の積み替えや荷の状態を保つための一時保管は認められます。

3.手続的条件
原産地証明書の発給、運送要件証明書の提示


IV.第二議定書と三国間貿易
2011年1月1日からACFTAの第二議定書が発効となりました。この第二議定書により。三国間貿易が可能となり、また、いわゆる「連続する原産地証明書」であるMovement Certificate(移動証明書)が発給されるようになりました。
Movement Certificateとは、ある締約国に荷(貨物)を輸出し、(税関監督下の保税倉庫で)保税状態で保管している荷(貨物)を分割して他の締約国に輸出する場合、保管している国の原産地証明書発給機関に申請して受給します。それを最終輸入(締約)国(の輸入申告時税関)に提示することにより、ACFTA特恵関税の適用が受けられます。
Third Party Invoicingとは、三国間貿易のことです。
Form Eの第13欄にThird Party Invoicing とMovement Certificateにチェックする欄が設けられました。ただし、三国間貿易をする場合でも、輸出地でのFOB価格の記載は必要ですのでご注意ください。


参考資料・情報
Singapore FTA Network:
ACFTA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ:
日本およびASEANが締結しているFTAの物品の貿易に関する書手続き一覧
アセアンFTAにおける原産地の定義
EPA実践マニュアル「これだけは知っておきたいEPA/FTA要点と注意点」


調査時点:2013/06

記事番号: J-111201

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