中古車、中古建機の現地輸入規則および輸入手続き:マレーシア

質問

マレーシアへ中古自動車や中古建設機械を輸出する際の現地での輸入規制と輸入手続きについて教えてください。

回答

マレーシアでは国産車保護政策により、中古車を含む全ての自動車および建設機械は、1967年関税法(Customs Act 1967)と2023年関税(輸入禁止)令(Customs(Prohibition of Imports)Order 2023)に基づき輸入許可証(Approved Permit: AP)を有する場合のみ輸入が可能です。中古車は車両や状況により、税関申告に必要な書類が異なります。

I. 輸入許可証(AP)

投資貿易産業省(Ministry of Investment, Trade and Industry: MITI)は以下の特定条件下に限り、中古車両の輸入許可証(AP)を発給します。

  1. 個人が非商業目的で使用する中古自動車
    具体的には駐在員の私有車や海外で就労・就学していたマレーシア人の帰国時、あるいはその他の特別な政策スキーム(MM2H: マレーシア・マイセカンドホーム・プログラムなど)で持ち込まれる私用車に限ります。日本人駐在員が私用・非商業目的のため赴任時に個人輸入するような場合でも、個人輸入許可証(Individual AP)と呼ばれる個別の輸入許可証が必要です。
  2. 商業目的の普通乗用車(車齢1年以上5年以内):車齢は原産国での最初の登録日からの年数
    商業目的の普通乗用車の輸入に関しては、「オープンAP」といわれる事前認可の輸入許可証(AP)を保有するブミプトラ資本のディーラーに限り、年間割当台数の輸入が許されています。
    投資貿易産業省(MITI)は、2015年12月に新たな「オープンAP」を発表し、2019年1月から実施しています。「オープンAP」は、ブミプトラ資本の企業に中古車ビジネス参入を促す内容となっています。
    なお、AP制度には、前記の「オープンAP」の他に、正規自動車販売代理店用の「フランチャイズAP」があり、双方ともに、発行枠を調整することによる車両輸入台数の数量規制を目的にしています。「フランチャイズAP」については、2020年末までに廃止との政府方針が出ていましたが、モニタリングおよびデータ収集を目的として、2020年国家自動車政策(NAP)において存続させることを発表しています。
  3. その他の輸入許可証(AP)
    上記の他に自動車に関するAPは以下のものなどがあります。
    1. バッテリー式電気自動車(BEV)(2023年1月1日から2025年12月31日まで)
    2. 観光目的の自動車(2023年1月1日から2025年12月31日まで)
    3. クラシックカー(車齢35年以上のもの)、ビンテージカー(車齢50年以上のもの):車齢は車両の製造年からの年数(2018年6月11日付MITI通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(147KB)
    4. 研究開発を目的とする一時的輸入
    5. レース、展示、撮影を目的とする一時的輸入
    6. 再輸出(改造・修理)を目的とする一時的輸入
    7. 政府機関による輸入

II. AP申請手続き

AP申請に関しては、下記の書類の提出が必要です。

  1. 申請書類
    APには上記のとおり、4つの種類(個人AP・オープンAP・フランチャイズAP・その他のAP)があり、それぞれ申請要件が定められています。それぞれの申請要件・申請書類は、輸入許可証(Approved Permit: AP)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをご参照ください。
    申請書類は例として以下のものなどがあります。
    1. 申請の詳細を説明するカバーレター(その他のAP)
    2. 特殊なAP申請には追加書類(例えば、マレーシア国内に製造業者が存在しないことの確認(Confirmation of Local Availability :CLA)要求など)
    3. 関税フォームJK69(オープンAPおよびフランチャイズAP)
      フォームJK69は政府刊行物の印刷業者Syarikat Percetakan Nasional Malaysia Berhadで購入できます。
  2. 申請先はMITI貿易サービス部(Trade Service Department)またはオンラインで行い、MITIは書類審査の上、認可または却下を判断し、申請者に通知します。審査所要期間(書類に不備がなかった場合)は、持ち込み申請で7営業日、オンライン申請で5営業日とされています。
  3. APの有効期限(オープンAPおよびフランチャイズAP)は発行日から6カ月間(またはその年の12月31日まで)に限られ、期限内に車両が輸入されなかった場合は再申請しなければなりません。

III. 輸入手続き

  1. 税関手続き
    輸入申告に必要な書類は概ね以下のとおりです。ただし、車両や状況によって異なります。
    1. 税関申告書(税関フォームK1)
    2. 税関からの輸入車両の関税番号の確認書
    3. インボイス/発注書/パッキングリスト(製品名、モデル、シャーシ番号、エンジン番号、製造年の詳細が記載されたもの)
    4. 製品カタログ、写真
    5. 輸入会社のフォーム9、24、29および定款の認証付コピー
    6. 原産地証明書原本およびコピー
    7. 車両の外国での登録抹消証明書
    8. その他、AP認可品目によって要求される書類、当局からのライセンスコピー、客観的な公的機関によるサポートレター、CLAなど
  2. 輸入税の支払い
    輸入時には、関税、売上・サービス税が課税されます。税関では輸入中古車の年式・排気量・モデルを基に標準評価額を設定しており、輸入税額は税関が決定します。
  3. 検査/登録制度全ての車両は道路交通局(RTD)より民営化された検査機関PUSPAKOMの検査センター(全国に64カ所あり)に持ち込み、品質規格適合確認を受けてからRTDに登録することが義務付けられています。なお、当該車両規格はEU規格に整合しています。

IV. 中古建機

APの対象となる重機については以下などがあります。

  1. HS8426: クレーン
    1. 中古タワークレーン(HS8426.20)は輸入禁止
    2. 固定式天井クレーン(HS8426.11)、モバイルリフティングフレーム(HS8426.12)、ブリッジクレーン(HS8426.19)、ポータル/ペデスタルジブクレーン(HS8426.30)などはCLAが要求される。
    3. 当該関税番号下の中古車両は車齢5年以内でなければならない。
  2. HS8701.21: 原動機(中古)
  3. HS8704.10: ダンプトラックおよびクローラーキャリア
  4. HS8075: 特殊用途自動車(主に人や物品の輸送のために設計されたものを除く)

関連機関:

関係法令:

参考資料・情報:

調査時点:2016年1月
最終更新:2024年3月

※本記事は、日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業による調査として、TNY Consulting (Malaysia) Sdn Bhdに委託し、2024年3月に入手した情報に基づき作成した物です。 掲載した情報は作成委託先の判断によるものですが、一般的な情報・解釈がこのとおりであることを保証するものではありません。また、本記事はあくまでも参考情報の提供を目的としたものであって、法的助言を構成するものではなく、法的助言として依拠すべきものでもありません。本記事で提供する情報に基づいて行為をされる場合には、必ず個別の事案に沿った具体的な法的助言を別途お求めください。 ジェトロおよびTNY Consulting (Malaysia) Sdn Bhdは、本記事の記載内容に関して生じた直接的、間接的、派生的、特別の、付随的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、それが契約、不法行為、無過失責任、あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロおよびTNY Consulting (Malaysia) Sdn Bhdがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。

記事番号: J-101103

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