1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 貿易・投資相談Q&A
  4. 中古車、中古建機の現地輸入規則および輸入手続き:マレーシア向け輸出

中古車、中古建機の現地輸入規則および輸入手続き:マレーシア

質問

マレーシアへ中古自動車や中古建設機械を輸出する際の現地での輸入規制と輸入手続きについて教えてください。

回答

マレーシアでは国産車保護政策により、中古車を含む全ての自動車(乗員10人以下)および建設機械は、Customs ACT 1967とCustoms(Prohibition of Imports)Order 1998に基づき輸入許可証(Approved Permit: AP)を有する場合のみ輸入が可能です。中古車は車両や状況により、税関申告に必要な書類が異なります。

I. 輸入許可証(AP)

国際貿易産業省(Ministry of International Trade and Industry: MITI)は以下の特定条件下に限り、中古車両の輸入許可証(AP)を発給します。

  1. 個人が非商業目的で使用する中古自動車
    具体的には駐在員の私有車や海外で就労・就学していたマレーシア人の帰国時、あるいはその他の特別な政策スキーム(MM2H: マレーシア・マイセカンドホーム・プログラム等)で持ち込まれる私用車に限ります。日本人駐在員が私用・非商業目的のため赴任時に個人輸入するような場合でも、個別の輸入許可証が必要で、高税率の関税、消費税も課されるなど、全体として厳しい輸入制限政策がとられています。
  2. 商業目的の普通乗用車(車齢5年以内)

    商業目的の普通乗用車の輸入に関しては、「オープンAP」といわれる事前認可の輸入許可証(AP)を保有するPEKEMA(マレーシア自動車輸入業者協会)所属のブミプトラ系(マレー系)ディーラーに限り、年間割当台数(前年輸入実績)の輸入が許されています。

    国際貿易産業省(MITI)は2014年に発表した国家自動車政策(NAP)でAP制度を2015年末には終了させるとしていました。しかし、「オープンAP」については2016年以降も存続させ、2017年1月からはブミプトラ系企業の中古車ビジネス参入を促す内容を加えた新制度に変更すると発表しました。
    なおAP制度には、前記の「オープンAP」の他に、正規自動車販売代理店用の「フランチャイズAP」があり、双方ともに、発行枠を調整することによる車両輸入台数の数量規制を目的にしています。「フランチャイズAP」については、NAPで2020年末までに廃止との政府方針が出ています。

  3. 中古車ディーラー
    中古車ディーラーはオープンAP保有企業と組むことで事業が可能となります。
    また輸入が認可される例外は、以下の場合です。
    1. クラシックカー(車齢25年以上のもの)、ビンテージカー(車齢25年以上のもの)
    2. 研究開発/展示/レーシンググランプリ等の目的による一時的輸入
    3. 官庁/王族その他機関による輸入
    4. バス(10人以上の人員輸送用:HS8702、車齢5年以内)
    5. 救急車や除雪車等の特殊車両(HS8703.10: ゴルフバギーは除く)であって、マレーシア国内企業では組み立てができないと認められるもの
    6. 総重量21トン以上の超大型トラック(車齢5年以内)
    7. 特殊用途自動車(HS8705: クレーン車、消防車、コンクリートミキサー、道路清掃車、散水車等。車齢5年以内) ただし、HS8705.90はマレーシア国内に製造業者が存在しないことの確認(Confirmation of Local Availability: CLA)が要求される。

II. AP申請手続き

全ての種類のAP申請に関しては、下記の書類の提出が必要です。

  1. 申請書類
    1. 申請の詳細を説明するカバーレター
    2. 特殊なAP申請には追加書類(例えばCLA要求等)
    3. 関税フォームJK69
      フォームJK69は政府刊行物の印刷業者Syarikat Percetakan Nasional Malaysia Berhadで購入できます。
  2. 申請先はMITI貿易サービス部(Trade Service Department)またはオンラインで行い、MITIは書類審査の上、認可または却下を判断し、申請者に通知します。審査所要期間(書類に不備がなかった場合)は、持ち込み申請で7営業日、オンライン申請で5営業日とされています。
  3. MITIから認可の裏書がなされたフォームJK69がAPとなります。ただし、APの有効期限は発行日から3カ月間に限られ、期限内に車両が輸入されなかった場合は再申請しなければなりません。

III. 輸入手続き

  1. 税関手続き
    輸入申告に必要な書類は概ね以下のとおりです。ただし、車両や状況によって異なります。
    1. 税関申告書(税関フォームK1)
    2. 税関からの輸入車両の関税番号の確認書
    3. インボイス/発注書/パッキングリスト(製品名、モデル、シャーシ番号、エンジン番号、製造年の詳細が記載されたもの)
    4. 製品カタログ、写真
    5. 輸入会社のフォーム9、24、29および定款の認証付コピー
    6. 原産地証明書原本およびコピー
    7. 車両の外国での登録抹消証明書
    8. その他、AP認可品目によって要求される書類、当局からのライセンスコピー、客観的な公的機関によるサポートレター、CLAなど
  2. 輸入税の支払い
    輸入時には、関税、物品サービス税が課税されます。税関では輸入中古車の年式・排気量・モデルを基に標準評価額を設定しており、輸入税額は税関が決定します。
  3. 検査/登録制度
    Motor Vehicle Registration and Licensing Rules 1959とMotor Vehicles Construction and Use Rule 1959に基づき、全ての車両は道路交通局(RTD)より民営化された検査機関PUSPAKOMの検査センター(全国に64カ所あり)に持ち込み、品質規格適合確認を受けてからRTDに登録することが義務付けられています。なお、当該車両規格はEU規格に整合しています。

IV. 中古建機

中古建機(HS8426、8427、8429)については以下のとおりです。

  1. HS8426: デリッククレーン、モバイル昇降クレーン、クレーントラック等
    1. 中古タワークレーン(HS8426.20)は輸入禁止
    2. クローラクレーン、オフショアクレーン、モバイルクレーン等はCLAが要求される。
    3. 当該関税番号下の中古車両は車齢5年以内でなければならない。
  2. HS8427: フォークリフトおよびその他の荷役トラックはAP不要。
  3. HS8429: ブルドーザー、パワーショベル、ロードローラー等もAP不要。

詳細はジェトロレポート「マレーシアへの輸入手続きガイドブック~中古車及び中古建設機械~(2010年11月)」をご参照ください。

関連機関:

国際貿易産業省(Ministry of International Trade and Industry: MITI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
マレーシア税関(Royal Malaysian Customs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
PUSPAKOM(中古車両検査会社)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報:

車両輸入申請ガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(22KB)
マレーシアへの輸入手続きガイドブック~中古車及び中古建設機械~(2010年11月)PDFファイル(11.39MB)

調査時点:2016年1月
最終更新:2018年5月

記事番号: J-101103

ご質問・お問い合わせ

記載内容に関するお問い合わせ

貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。