化学品の現地輸入規則および留意点:ブラジル向け輸出

質問

ブラジル向け化学物質(品)輸出の際の現地輸入規則および留意点について教えてください。

回答

ブラジルでは、2024年11月に施行された2024年11月13日付法律第15.022号により、国内で使用・製造・輸入される化学物質の登録とリスク評価が義務化されました。一方、水質汚染、土壌汚染、人体や環境への潜在的リスクのある化学品・有害物質の管理や環境保護管理などについて、環境省(Ministério do Meio Ambiente: MMA)、農牧食糧供給省(Ministério da Agricultura, Pecuária e Abastecimento: MAPA)、法務省(Ministério da Justiça)、保健省(Ministério da Saúde)、経済省(Ministério da Economia)やそれら傘下の機関である国立再生可能天然資源・環境院(IBAMA)、連邦警察局(DPF)、国家衛生監督庁(ANVISA)、貿易局(SECEX)、あるいはブラジル技術規格協会(ABNT)、化学工業協会(ABQUIM)などの複数の官庁等が関与しています。

Ⅰ. ブラジル版REACH規制 (2024年11月13日付法律第15.022号)

2024年11月に施行された2024年11月13日付法律第15.022号は、「ブラジル版 REACH」とも言われ、EUのREACHに類似した化学物質管理法です。年間1トン以上製造・輸入される化学物質は、国家化学品届出システム(Sistema Nacional de Notificação de Substâncias Químicas)への登録が義務付けられています。
登録のため、外国企業は現地代理人を任命する必要があります。

Ⅱ. 連邦警察局(DPF)による規制対象の化学物質

「麻薬および向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」に対応するため、2001年12月27日付法律第10357号、2002年6月10日付政令第4262号により、連邦警察局(DPF)が特定の化学物質の移動、使用を規制、監視することが定められました。 DPFによる規制、監視対象の化学物質(および規制対象基準量)は、2019年3月12日付法務省令 240/2019(附属書I~VII)に規定されています。

これらの化学物質を輸出入、再輸出するにはDPFに事前許可を申請する必要があります。申請書には、化学物質の名称、数量、濃度、含有量あるいは純度、梱包の種類、金額、輸出者・輸入者・製造者の識別情報、輸送に関する情報等を記載したプロフォーマ・インボイスを添付します。

Ⅲ. ロッテルダム条約(PIC条約)による規制対象の化学物質

ブラジルは、ロッテルダム条約(「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質および駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」PIC条約)に批准(2005年1月31日付政令第5360号)しており、条約附属書IIIの指定物質への対応(輸入禁止、特定条件のもとで輸入許可、無条件で輸入許可)をロッテルダム条約事務局に通告しています。ロッテルダム条約外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトで対象の化学物質の輸入可否を調べることができます。

Ⅳ.化学物質を原料とする製品

化学物質を原料とする製品の規制官庁は、その使途により異なります。

  1. 農業関連(農薬、除草剤、肥料など)
    農牧食糧供給省(Ministério da Agricultura, Pecuária e Abastecimento: MAPA)
  2. 林業、木工製品、MAPA管轄外の除草剤など
    • 環境省(Ministério do Meio Ambiente: MMA)
    • 国立再生可能天然資源・環境院(Instituto Brasileiro do Meio Ambiente e dos Recursos Naturails Renováveis: IBAMA)
  3. 食品、医薬品、化粧品、健康・衛生関連
    • 保健省(Minstério da Saúde)
    • 国家衛生監督庁(Agência Nacional de Vigilância Sanitária: ANVISA)
  4. その他(輸入ライセンス・品質規格)
    • 経済省(Ministério da Economia)
    • 国家度量衡・品質・科学技術院(Instituto Nacional de Metrologia, Qualidade e Tecnologia: INMETRO)

Ⅴ.化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)への対応

化学品の危険有害性の分類基準や安全データシートの内容を調和させることを目的とした「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」については、2007年6月26日付政令第2007号により、ワーキング・グループ「GT-GHS-BRASIL」が商工サービス省(MDIC)を中心に12省庁により組織されました。その後、2023年7月にABNT NBR 14725:2023(GHS第7版準拠)が策定され、2025年7月4日からブラジル国内での適用が義務化されています。そのため、ブラジル版GHSに基づく安全データシートであるFDS(Ficha com Dados de Segurança:FDS)形式でABNT規格の分類・ラベル要件を満たすよう整備する必要があります。

Ⅵ.輸入手続きの留意点

化学品の輸出入規制と手続きは、2023年7月4日付外貿局省令 249/2023(輸出)などに規定されています。化学品については複雑な面がありますので、輸出にあたっては輸入者と連絡を密にして進めることが重要です。

関係機関

関係法令

調査時点:2015年2月
最終更新:2025年12月

記事番号: I-120101

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