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EPAの原産品判定基準と特恵関税:ブルネイ向け輸出

質問

日本からブルネイへ輸出する際の経済連携協定の原産品判定基準と関税について教えてください。

回答

日本からブルネイに日本原産品を輸出する際、「日本・ブルネイ経済連携協定(JBEPA)」または「日本・アセアン経済連携協定(AJCEP)」に基づく特恵関税の適用を受けることができます。前者は2008年7月31日に発効、後者は2009年1月1日に発効となりました。両者は優先関係のない、独立・並存する国際協定で、輸出者および輸入者は、どちらか有利な方を選択してブルネイでの輸入通関の際に申告できます。

I. 日本・ブルネイ経済連携協定に基づく場合

  1. ブルネイ側の輸入関税の引き下げ・撤廃
    日本・ブルネイ経済連携協定(JBEPA)では、同協定に定められた原産地規則を満たした産品に対し、付属書1で関税引き下げ(譲許)スケジュールを定めています。第1編は両国共通の一般的注釈、第2編の前半は日本の関税引き下げスケジュール、後半はブルネイのスケジュール(英語版にのみ記載)が記載されています。また、スケジュール表には、第1欄にHSコード、第2欄に品名、第3欄に基準税率、第4欄に区分(撤廃または譲許カテゴリー)が記載されています。

    特恵関税の適用を受けるためには、(1)輸出産品のHSコードの確認、(2)そのHSコードに基づき特恵税率の有無とその税率を確認、(3)EPAに定められた輸出産品に係る原産地規則の確認、(4)輸出産品に関する原産性の確認、(5)EPA適用の有効性を確認の上、日本商工会議所で特定原産地証明書の発給手続きを行います。なお、発給手続きはすべてWeb申請となります。受給した特定原産地証明書をブルネイ側に送付しブルネイ輸入者が輸入通関時に提出することにより、特恵関税の適用が受けられます。

  2. 原産地規則
    1. 原産品であるための条件
      原産地規則とは、物品が原産性を有するかを決定するためのルールです。JBEPAでは第三章で原産地規則を定めており、これに従い、両国の原産品の判定を行います。原産品とみなされる産品は以下のとおりです。
      1. 完全生産品(当該締約国の領域において得られ、または生産される産品)
      2. 締約国の原産材料のみから締約国の領域において生産される産品
      3. 非原産材料を使用して締約国で完全に生産される産品であって、付属書2(品目別規則)に定める実質的変更基準を満たすもの

      なお、iiiの変更基準には、以下の3種類があります。付属書2の品目別規則にて、HSコードごとに輸出産品がどの基準に該当するかを定めているので確認してください。

      1. . 付加価値基準(VAルール):加工の結果、産品に付加された価値が特定の比率(例:40%)以上となる場合。
      2. . 関税分類番号変更基準(CTCルール):非原産材料の関税分類番号と完成品の関税分類番号が異なれば、完成品の製造国の原産品となります。品目によってどのレベル(HSのケタ数)の番号変更が求められるかは付属書2の品目別規則を確認する必要があります。
      3. . 加工工程基準(SPルール):各製品について、重要と認められた製造作業または技術的な加工作業を例示し、域内で当該加工が行われたことをもって原産品とします。同協定の場合、繊維製品、化学品などが該当します。例えば、織物の場合は製織と染色の2工程、化学品の場合は化学反応・精製・異性体分離・生物工学的工程のいずれかひとつの工程を経ることが必要です。
    2. 救済規定
      上述の基準のほかに救済規定を設けています。関税分類番号変更基準の原産地規則には僅少の非原産材料(価額の10%以下の非原産材料、繊維製品については重量の7%)の使用を認めること(デミニマスルール)、間接材は原産材料として認めること、一方の国の原産材料を用いてもう一方の国で生産した場合、原産材料の価額を累積できることなどがあります。
    3. 積送基準
      同協定に基づく特恵関税の適用を受けるためには、原則として日本からブルネイへ直接輸送されなければなりません。第三国経由の輸送を行う際には、荷の積み替え、および荷を良好な状態に保つために行う場合のみ認められます。
    4. 仲介貿易
      日本・ブルネイ以外の第三国にある企業がいったん買い取り、ブルネイの企業に販売する仲介貿易を行う場合においても、同協定に基づく特恵関税の適用を受けることができます。その場合、特定原産地証明書の第8欄にインボイスを発行した第三国の企業名および住所を記載することが必要です。また、第7欄には第三国仲介者が発行したインボイスの番号および発効日を記載しますが、インボイスの番号などが不明の場合は、原産地証明書の発給を受けた日本の輸出者が発行したインボイスの番号および発行日を第7欄に記載し、第8欄には当該産品は第三国においてインボイスが発行されることを明記し、第三国の企業名を記載します。

II. 日本・ASEAN経済連携協定(AJCEP)に基づく場合

  1. 一般規則と品目別規則
    JBEPAではすべての品目に「品目別規則」が定められていますが、AJCEPでは例外的な取り扱いをする品目についてのみ「品目別規則」を定め、それ以外は「一般規則」の対象としています。輸出産品のHS番号が「品目別規則」に存在するかを確認し、該当している場合、その基準を満足していることが原産品と認められる条件となります。HS番号が「品目別規則」に存在しない場合は、「一般規則」である関税分類番号変更のCTH(Cahge in Tariff Heading:上4ケタ変更)、または域内原産割合が40%以上の基準を満たしていれば原産品となります。
  2. 累積条項
    AJCEPでは、ASEANの締約国における産品の累積による原産地認定が規定されています。詳細は、同協定第29条を中心に、関連する第26条・27条などをご確認ください。また、ジェトロ「 EPA活用マニュアル日本アセアンCEP版PDFファイル(4.9MB)」もご参照ください。

III. 特定原産地証明書(Form AJ)

JBEPAでは、ブルネイ協定原産地証明書、AJCEPでは、特定原産地証明はForm AJを使用します。AJCEPの原産地規則はすべての締約国で共通ですが、関税の譲許率は国によって異なります。また、AJCEPにおけるブルネイの譲許表は、JBEPAの譲許表とは異なりますので注意が必要です。2014年より2016年までにブルネイを始め各アセアン国で発給されるFromAJでは、原産性の証明に関し付加価値基準(RVC)を使用する以外においてはFOB価格を記載する必要はなくなりました。

IV. その他の注意事項など

ブルネイでの輸入申請時に、JBEPAあるいはAJCEPのどちらの税率が適用されるかは、原則として輸入者がどの協定に基づく特定原産地証明書を添付して輸入国の税関に申告するかによって決定します。

また、HSコードは原則として輸入国の税関が決定します。原産地規則や関税率などはHSコードによって異なるため、特定原産地証明書などEPAに関する書類を作成する前に、必ずブルネイ関税局に当該産品のHSコードを確認されることを推奨します。

参考資料・情報

外務省:
日・ブルネイ経済連携協定(JBEPA):
日本語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
運用上の手続き規則(英文)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP):
日本語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
運用上の規則(英文)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(646KB)
AJCEP原産地規則にかかるアセアン側原産地証明書の書式(Form AJ)の変更(平成26年6月2日) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
世界の関税率
日本・ブルネイ経済連携協定
EPA活用マニュアル 日本ブルネイEPA版PDFファイル(2.23MB)
日本・ASEAN経済連携協定

日本商工会議所:
EPAに基づく特定原産地証明書の発給手続きについて外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015年7月
最終更新:2018年10月

記事番号: E-080311

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