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外商投資企業の進出形態比較:中国

中国で設立する外商投資企業の子会社、分公司、事務所および外国企業駐在員事務所の違いをご教示ください。

4つの形態は多くの点で違いがあります。外商投資企業または外国企業は、拠点の商業目的や運営コストなどの要素を総合的に考慮した上で、最も適した拠点形態を選択するとよいでしょう。
I.各形態の性質/法人資格
1.子会社
中国法人で、独立した法人資格を有します。自己の名義で提訴、応訴し、独立して対外的に責任を負うことができます。

2.分公司
中国法人の分支機構で、独立した法人資格はありません。自己の名義で提訴、応訴することができますが、通常、独立して対外的に責任を負うことはできません(通常、本社が責任を負う。ただし、分公司がまず責任を負うことができれば、不足部分について、本社が連帯責任を負う)。

3.事務所
中国法人の分支機構で、独立した法人資格はありません。通常、自己の名義で提訴、応訴することができず、独立して対外的に責任を負うことはできません(中国法人が責任を負う)。

4.駐在員事務所(以下、代表処)
外国法人の分支機構で、独立した法人資格はありません。通常、自己の名義で提訴、応訴することができず、独立して対外的に責任を負うこともできません(外国法人が責任を負う)。


II.経営範囲
1.子会社
子会社は独立法人のため、その経営範囲は営業許可証に記載されている内容に準じます。


2.分公司
原則上、営利活動を行う分公司は本社の経営範囲を超えない業務を行うことができ、営利活動を行わない分公司は本社の経営範囲内の連絡、コンサルティングなどの業務を取り扱うことができます。
留意点として、省(区、市)をまたいで分公司を設立する場合、実務取扱いでは、一部の地方政府部門は地方税収の増収など考慮し、現地で営利活動を行う分公司を設立するよう求め、営利活動を行わない分公司の設立を歓迎しない可能性があります。


3.事務所
中国法人の経営範囲内の連絡、コンサルティングなどの業務を取り扱うことができます。


4.代表処
外国企業の製品または役務に関連する市場調査、展示、宣伝活動、および外国企業製品の販売、役務提供、国内仕入、国内投資に関する連絡活動を取り扱うことができます。通常、営利活動を行うことができません(リーガルサービス、会計、監査、税収サービスなどの一部業種の代表処は除く)。

4つの形態のうち、子会社、分公司だけは営利活動を行うことができます。事務所、代表処が営利活動に従事した場合(一部業種の代表処を除く)、違法所得の没収、営利活動の従事を目的として使用された財物の没収、過料、登記証取上げなどの行政処罰に処される可能性があります。


III.設立と運営
1.運営資金

a.子会社
最新改正された中国「会社法」では最低資本金の規制を廃止されましたが、実務上では、商務審査機関は企業の資本金と経営規模の一致性を要求する可能性があります。
また、最新改正された中国「会社法」では、会社の登録資本を「払込登記制」から「払込引受登記制」に変更されました。そのため、設立の段階において、通常実際に資本金を払い込む必要がありません。払込期限については各企業の定款により定めるとのルールに統一されました。
なお、一部特定の業界や会社は係る法律、行政法規および国務院決定に従い、最低限度額の資本金を払い込み、あるいは払込登記制実施により設立の段階においても資本金を払い込む必要があります。
b.分公司
設立に当たり資本金の払込みは不要で、運営資金は本社から送金します。
c.事務所
運営資金はなく、事務所の諸費用は本社が直接支払います。
d.代表処
運営資金は外国法人から送金します。


2.政府手続き

a.子会社
通常、所轄の商務部門による審査許可、工商登録登記手続きを経て、営業許可証を取得することになり、その後税務登記を行います。企業年度報告の公示が必要です。
b.分公司
通常、関係部門による事前審査許可は不要であり(「外商投資産業指導目録(2011版)」の制限類投資項目を除く)、工商部門の登記手続きさえ行えば、営業許可証が取得でき、その後税務登記を行います。企業年度報告の公示が必要です。
c.事務所
関係部門の事前審査許可、工商部門登記手続きが不要です。営業許可証を取得できず、税務登記も要しません。企業年度報告の公示は不要です。
d.代表処
通常、関連部門の事前審査許可は不要です。工商部門登記手続きを行い、外国企業代表処登記証を取得する必要があり、その後税務登記を行います。登記機関への年度報告提出は必要です。


3.執務/営業場所の賃借
子会社、分公司および代表処は自己の名義で執務/営業場所を賃借することができますが、事務所は通常、自己の名義で執務/営業場所を賃借することはできません。


4.銀行口座の開設
子会社、分公司および代表処は自己の名義で銀行口座を開設することができますが、事務所は通常、自己の名義で銀行口座を開設することはできません。


5.従業員雇用
子会社および分公司は従業員を直接雇用でき(労働契約の締結)、労務派遣機関を通じて雇用することもできます。事務所は従業員の直接雇用(労働契約の締結)、労務派遣機関を通した従業員雇用のいずれもできません。代表処は労務派遣機関を通した従業員雇用のみ可能です。


6.納税(予測される主な税目および納付方法)

a.子会社
企業所得税、流通税(増値税、営業税、消費税など)、関税などにかかわることが考えられます。自己の名義にて税関申告を行い、関税を納付します。独立法人として法定条件を満たせば、税収優遇政策を受けられる場合もあります。独立採算と個別納税申告を行い、親会社と相互に損益を補填することはできません。

b.分公司
企業所得税、流通税(増値税、営業税、消費税など)、関税などにかかわることが考えられます。それぞれの納付方式はやや複雑です。本社と分公司の間は「統一計算、分級管理、現地予納、確定申告、財政金庫移動」という原則に基づき、企業所得税を納付します。すなわち、本社と分公司をひとつの主体とし、所得税課税額の確定申告をしてから、本社の主管税務機関と全分公司の主管税務機関にそれぞれ50%の税金を納付し、また各分公司間で営業収入(35%)、従業員給与(35%)、資産金額(30%)の割合によって具体的に計算し納付額を割り当てます。実務上では、本社の売上高が極めて高く分公司の売上高が極めて低い、またその逆のケースが発生する可能性がありますが、本社と分公司間の規模、売上高などと関係なく、企業所得税を申告納付する際には、いずれも上記の計算方法(関連比例を含む)に従い、現地で予納し、且つ年度満了後は上記の計算方法にて確定申告を行います。なお、法律に定める特殊事情のある分公司(例えば、零細企業の分公司および主体生産経営機能がなく、かつ現地で増値税、営業税を納付しない製品アフターサービス、内部研究開発、倉庫などの一括納税企業内部の補助的な分公司など)は統一して本社の主管税務機関に企業所得税を納付します。流通税(増値税、営業税、消費税など)は通常、登録先で独立納付します。関税は本社の名義で通関申告を行い、納付します。非独立法人として、通常、単独で税収優遇政策を受けることはできません(外資R&Dセンターなどを除く)。

c.事務所
独立採算を行わず、税務登記も行いません。

d.代表処
企業所得税、流通税(増値税、営業税、消費税など)、関税などにかかわることが考えられます。企業所得税は税務部門で査定された納税方式で納付します(通常、事実に基づき申告納税する、経費の支出に基づき収入を換算してから徴収する、収入総額に基づき課税所得額を査定する、という3つの課税方式がある)。自己の名義で通関申告を行い、関税を納付します。


関係機関
中国商務部
中国国家工商行政管理総局
中国国家税務総局
中国税関総署


関係法令
中国中央人民政府:
中国会社法(主席令第8号、2013年12月28日改正)
中国会社登記管理条例(2014改正)(国務院令第648号、2014年2月19日改正)
外国企業常駐代表機構登記管理条例(国務院令第638号、2013年12月28日改正)
同上
国務院による登録資本金登記制度改革方案の公布に関する通知(国発[2014]7号、2014年2月7日施行)
中国国家工商行政管理総局、商務部、税関総署、国家外貨管理局:
外商投資の会社審査許可登記管理の法律適用にあたっての若干事項に関する執行意見(工商外企字[2006]81号、2006年4月24日施行) 中国国家工商行政管理総局:
「外商投資の会社審査許可登記管理の法律適用にあたっての若干事項に関する執行意見」実施に関する通知(工商外企字[2006]第102号、2006年5月26日施行)
会社登録資本金登記管理規定(国家工商行政管理総局令第64号、2014年3月1日施行)


調査時点:2014/10

記事番号: C-130308

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