日本着航空貨物の元払いと着払いの運賃の差額:日本

質問

日本着の航空貨物の場合、元払いと着払いでは、運賃にどのくらいの差がありますか。また、その差額は何を意味するのですか。

回答

航空貨物の基本料金は元払いと着払いで差はありません。
ただし、航空貨物会社に荷送を依頼し、運賃と従価料金を着払い扱いとした場合、元払いの場合には徴収されない「着払貨物取扱料(Charges Collect Fee)」が課されます。また、同じ基本料金(運賃)でも、元払い時と着払い時での為替レートの違いによる金額差が生じることはあり得ます。

着払貨物取扱料は着地で計算し、荷受人から徴収され、最終的には航空会社の収入となります。取扱料の算出方法は国により異なります。日本着の場合は、運賃と従価料金の合算額の5%、または最低料金3,000円のいずれか高い方で、運送状面の「due carrier」欄に記入されます。

運賃は貨物の重量と距離に応じて決定されます。一方、従価料金は貨物の価額に基づいて決定されます。後者は、航空会社が高価な貨物を運送する場合に負担しなければならない危険を、料金の形で荷主に分担してもらうという考えに基づくものです。ただし、航空会社には貨物の価額がわかりません。そのため、荷送人はすべての貨物について当該貨物の価額を申告しなければなりません。その申告価額(Declared Value for Carriage)が貨物1kg当たりSDR(Special Drawing Rights:特別引き出し権)17.00相当額を超えた場合、その超過した部分に対し一定の料率(原則として0.75%)を乗じて算出されます。従って、貨物が高額な場合には、従価料金が高額となり、「着払貨物取扱料」も高額となります。

従価料金を支払うことにより、航空貨物運送状(Air Waybill)に記載されている申告金額が航空会社の運送責任限度額となります。無申告N.V.D(No Value Declared)も申告の一つのかたちとして貨物1kg当たり20米ドル以下と見なされます。航空会社の運送責任限度額も同様に解釈されます。

なお、日本での運賃着払いは、いずれの国からでも、いずれの航空会社からでも問題はありません。ただし、荷受相手国の為替管理が厳しく、通貨が国際的に流通していない国では、運賃着払い条件が適用できない、あるいはその国のナショナル・フラッグに限られるのが一般的です。

航空貨物運送に関する規則や料金など各種情報は国際航空運送協会(IATA)発行の「THE AIR CARGO TARIFF(TACT)」という本に記載されています。

郵便貨物やクーリエサービスは一般的な航空貨物の運賃体系とは異なります。運送会社へお問い合せください。

関係機関

参考資料・情報

調査時点:2012年8月
最終更新:2021年3月

記事番号: A-A21228

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