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保税区と輸出加工区の優遇策:中国

質問

中国の保税区と輸出加工区の優遇策について教えてください。

回答

保税区、輸出加工区はいずれも税関が監督管理する特殊閉鎖区域です。
保税エリアという特殊性により、保税貿易、保税加⼯および貨物の保税保管を⾏う上で⼀般地区(⾮保税エリア)と⽐べ、以下のような優位性があります。

I. 保税区・輸出加工区の優位性

  1. 区内の企業の自社用機器設備、自社用の合理的数量の事務用品、工場建屋・倉庫施設の建設に必要な物資・設備等を海外から輸入する場合、関税および輸入時の税が課税されません。
  2. 区内の企業が輸出製品の加工に必要とする原材料、部品、包装材料等を保税で輸入できます。
  3. 貨物を保税区・輸出加工区と海外の間で自由に出入させることができます。関税、輸入時の税が免除され、輸出入許可証やクォータ管理の規制対象外となります。
  4. 区内で行われる課税役務に対して増値税が課税されません。
  5. 保税区および輸出加工区内の企業は外貨登記証を取得する必要がありません。「貿易外貨収支企業リスト」の登記手続きを行い、また、真に合法的な取引実態のある輸出収入は域外に存置できる等、柔軟な外貨政策が実施されています。
  6. 保税区および輸出加工区内の企業は、加工貿易銀行保証金台帳は不要です。

II. 保税区と輸出加工区の機能と設立可能な会社形態

  1. 保税区

    保税区は主として以下の3つの機能を有し、3タイプの会社設立が可能です。また、環境汚染のないプロジェクトであれば、その他のサービス業を含め、幅広い業態の会社を設立できます。

    1. 国際貿易機能
      区内では、国際貿易や三国間貿易取引に従事する貿易型企業を設立できます。
    2. 倉庫保管機能
      区内の保税倉庫を登記地として倉庫・仕分型企業を設立できます。倉庫・仕分型企業は貿易型企業の機能を兼営できます。
    3. 加工機能
      区内の工場を登記地として生産型企業を設立できます。生産型企業は貿易型企業および倉庫・仕分型企業の機能を兼営できます。
  2. 輸出加工区

    保税区に比べ、輸出加工区の機能は相対的に単一で(生産のみ)、製品輸出のための加工貿易企業の設立が認められています。なお、守衛と企業の当直担当者を除き、その他の人員は輸出加工区内に居住することはできません。また、営利目的の生活消費財の販売施設を建設することはできず、商業小売業、一般貿易、三国間貿易や当該輸出加工区と無関係な業務を行うことも禁じられています。輸出加工区内の企業が生産した貨物の輸出入業務を行うことができるのは、輸出加工区内の倉庫業者、税関が認定した輸送企業に限定されています。

III. 保税区と輸出加工区のそれぞれのメリット

上記以外に、保税区と輸出加工区にはそれぞれ以下のメリットがあります。

  1. 保税区のメリット
    保税区は保税貨物の売買(貿易)・保管および生産・加工という総合的な保税取引ニーズに対応できます。保税区は本来保税機能のみを持つエリアですが、政策的に区内企業が国内卸売り業務を兼営することも可能です(「外商投資商業領域管理弁法」、商務部8号令)。
  2. 輸出加工区のメリット
    同じ保税エリアながら、加工貿易(保税加工)を行う上で、輸出加工区は保税区に比べてより適しています。
    1. 保税区企業による中国国内(一般地区)からの貨物購入は国内企業間取引に類似し、増値税が課税されます。当該仕入増値税の還付を受けるには、貨物を当該保税区から海外に輸出する必要があります。一方、輸出加工区では、中国国内から原材料、物品などが輸出加工区内に持ち込まれた時点で輸出とみなされ、区外企業が規定に基づき増値税輸出還付を受けますが、輸出加工区内企業の中国国内からの原材料、物品調達には増値税がかかりません。
    2. 輸出加工区の税関は24時間業務を実施しています。手続きも簡素化され、加工貿易企業に対して迅速な通関手続きを行っています。
    3. 通常保税区に比べ、土地代が安く設定されています。

IV. 保税区と輸出加工区のデメリット

  1. 保税区のデメリット
    保税区企業による中国国内からの貨物購⼊は国内企業間取引に類似し、増値税が課税されます。保税区企業がこの仕⼊増値税の還付を受けるためには、当該保税区から貨物を海外に輸出する必要があり、他の地区で通関し、直接海外に持ち出す取引の場合には、税還付を受けられない可能性があり、仕⼊増値税が保税区企業のコストになります。
  2. 輸出加工区のデメリット
    輸出加⼯区企業の中国国内からの原材料調達に際して、原材料を販売する区外企業が増値税輸出還付の⼿続きを嫌い、増値税付での販売にのみ同意し、増値税専⽤発票ではなく輸出発票を発⾏する場合、当該輸出発票上の⾦額が貨物の⾦額と増値税の和となり、増値税は事実上、輸出加⼯区企業のコストになります。

関係機関

中国商務部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関総署(2019年6月現在、中国国内外からアクセスできない状態です)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

中国中央人民政府:
企業所得税の過渡期優遇政策の実施に関する通知(国発[2007]39号、2008年1⽉1⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関の輸出加⼯区に対する監督管理暫定弁法(中国国務院令第389号、2003年11⽉1⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国国務院法制弁公室:
輸出加⼯区加⼯貿易管理暫定弁法(商務部令2005年第27号、2006年1⽉1⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関総署(2019年7月現在、アクセスできない状態です):
保税区税関監督管理弁法(中国税関総署令第65号、1997年8⽉1⽇施⾏、国務院令588号により、一部改正)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国保税区輸出加工区協会:
輸出加⼯区の保税物流機能および研究開発、検査測定、メンテナンス業務の試験運営実施に関する管理弁法(2007年4⽉9⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2012年10月
最終更新:2019年7月

記事番号: A-A11130

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