船積書類に必要な領事査証

中東諸国では、輸出船積書類に関して、大使館もしくは領事館による領事査証(領事認証)を取得する必要があると聞きましたが、その手続きについて教えてください。

中東諸国向け輸出の場合、国により船積書類に領事査証を受ける必要があります。

I. 船積書類への領事査証について

  1. インボイスおよび原産地証明書に領事査証が原則必要な国

    UAE、イエメン、イラク、カタール、クウェート、シリア、レバノンおよびヨルダン。
    最終的には現地輸入業者を通じて確認してください。

  2. 信用状(L/C)開設銀行または輸入者からの要求がない限り、領事査証が不要な国

    イラン、サウジアラビアおよびトルコでは領事査証は不要です。ただし、信用状(L/C)開設銀行または輸入者から要求がある場合には申請が必要です。

  3. 取得手続き

    駐日各国大使館または領事館で申請します。費用は有料です。
    ただし、輸出国によっては事前に商工会議所からサイン証明を受ける必要がありますので、事前に申請先に確認してください。
    また、駐日外国公館では、申請時間帯が限られている上に、申請から発給まで数日を要するため、時間に余裕をもった手続きが必要です。
    なお、サウジアラビア向けの領事査証については、株式会社マイパック・プロシード・ビザセンターが指定代行店として発給手続きを行います。大使館では手続きを行いませんのでご注意ください。

II. 領事査証の代わりにアポスティーユ(公証)が必要な国とその手続き

  1. 領事査証の代わりにアポスティーユが必要な国

    バーレーンおよびオマーンの2カ国は「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」に加盟しているため、外務省または特定地域の公証役場で、アポスティーユを取得することで領事査証に代えることができます。
    ただし、公文書の種類や提出先によっては、アポスティーユではなく、領事査証を求められる場合もありますので、事前に提出先へ確認することをお勧めします。

  2. 取得手続き
    1. サイン証明の取得

      各地の商工会議所でサイン証明を取得します。申請に際しては、インボイス、梱包明細書、および原産地証明書など、必要な船積書類を事前に準備します。
      発給手続きや費用の詳細については、商工会議所へお問い合わせください。

    2. 公証役場での認証

      近隣の公証役場で公証人の認証を受けます。
      必要書類や費用は、案件によって異なるため、公証役場までお問い合わせください。
      なお、東京都、神奈川県および大阪府内の公証役場は、輸出書類への認証と同時にアポスティーユの発給も行うため、改めて外務省へアポスティーユを申請する必要はありません。

    3. 公証人押印証明の取得

      最寄りの法務局で、公証人押印証明を取得します。費用は無料で、必要書類および印鑑を持参することで、即日証明を受けられます。手続きの詳細は、法務局へお問い合わせください。
      なお、埼玉、茨城、栃木、群馬、千葉、長野、新潟および静岡の8県の公証役場では、公証人の認証と公証人押印証明を一度に取得できます。

    4. アポスティーユの申請

      外務省領事局政策課領事サービス室証明班へアポスティーユの取得を申請します。費用は無料です。申請に必要な書類は以下のとおりです。

      1. 公証人の認証および公証人押印証明を受けた書類(発行日より3か月以内の原本)
      2. アポスティーユ申請書
      3. 運転免許証等の身分証明書
      4. 委任状(代理人の方による申請のみ)

      郵送での手続きも可能です。詳細は、外務省領事局政策課領事サービス室証明班ウェブサイトをご確認ください。
      なお、船積書類以外で領事査証が要求される委任状、代理店契約書、販売店契約書および商標登録等については、ジェトロ貿易投資相談Q&A「代理店契約書に必要な認証の取得手続き:サウジアラビア」をご参照ください。

関係機関

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日本公証人連合会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
法務局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
株式会社マイパック プロシード・ビザセンター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

外務省:
駐日外国公館リスト中東外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
公印確認証明及びアポスティーユ証明等外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015年9月
最終更新:2017年8月

記事番号: A-A11043

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