外国語書類の認証手続き:ベトナム
質問
ベトナム向けに食品等を輸出する際に自由販売証明書(CFS)や委任状などベトナム語以外で書かれた書類について、認証手続きを受けるよう求められました。必要な手続きについて教えてください。
回答
ベトナムの公的機関等に外国で作成または発行された書類を提出する場合、そのままでは受理されず、認証手続き、ベトナム語への翻訳および公証が求められることがあります。これらの手続きは、日本で完結させる方法と、日本で一部の手続きを済ませた後ベトナムで完了させる方法があります。
書類の種類や提出先機関の裁量によっては一部の手続きが不要とされる場合もあるため、実際に手続きを始める前にどこまでの手続きが必要かを、輸入者や現地の代理人等を通じて提出先機関に事前にご確認ください。
なお、ベトナムは、「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」(1961年10月5日)に加盟し、2026年9月11日から効力が発生しております。これにより、同日以降、ベトナムに提出する文書のうち、同条約の適用対象となる文書については、従前の外務省の公印確認および在日ベトナム大使館または総領事館による領事認証に代えて、外務省によるアポスティーユを受け提出することが可能になりました。
ただし、制度移行直後は提出先機関の運用が定まらず、取扱いが必ずしも明確ではない可能性があります。そのため、手続きを始める前に、アポスティーユによる提出が可能かどうかについても、事前に提出先機関にご確認されることをお勧めいたします。
Ⅰ. 外国語書類の認証手続き
- 日本で手続きする場合
- 署名または記名押印のある書類は、日本の公証役場で公証人による認証を受けます。
- 次に法務局に書類を提出し、上記の公証人証明が真正のものである旨の証明を受けます。
※登記簿謄本や納税証明書、官公庁が発行した許可証・認可証など公的機関が発行した証明書など公文書は、aとbの手続きは不要です。 - 外務省に書類を提出し、アポスティーユ(または提出先から領事認証を求められる場合は公印確認)を取ります。
- (領事認証を求められる場合には、)その後、東京のベトナム大使館か大阪または福岡の総領事館に書類を提出して領事認証を取ります。
- (翻訳公証を求められる場合には、)ベトナム大使館または総領事館に書類を提出し、ベトナム語への翻訳公証を申請します。
※bとcについて、北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府および福岡県の公証役場では、ワンストップサービスにより、公証人の認証と同時に、法務局の公証人押印証明および外務省のアポスティーユまたは公印確認を一度に取得できます。そのため、法務局と外務省に別途出向いて手続きを行う必要はありません(aの手続きを行う際に、bとcの手続きを併せて行うことができるため、aの手続きが終了した後はdの手続きとなります)。
※bについて、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、長野県および新潟県の公証役場では、公証人の認証と同時に、法務局の公証人押印証明を一度に取得できます。そのため、法務局に別途出向いて手続きを行う必要はありません(aの手続きを行う際に、bの手続きを併せて行うことができるため、aの手続きが終了した後はcおよびdの手続きとなります)。
- ベトナムで手続きする場合
ベトナム国内で手続きを行う場合でも、最初の段階(上記のaからdまで。dについてはベトナム国内で手続きを行う方法もあるものの、日本国内で実施することが現時点での実務上は確実性が高いといえます。)は日本国内で済ませておく必要があります。
その上で、書類をベトナム国内の公証役場(Notary Public)に持ち込み、認証を受けます。ベトナム語への翻訳は、ここで手続きができます(翻訳公証)。
実務上、ベトナムでの翻訳公証の手続きおよびその必要書類は、公証役場や個々の公証人によって異なる場合があります。したがって、事前に利用予定の公証役場に手続や必要書類等を確認することをお勧めいたします。
以上の手続きを経て、ベトナムにおいて認証済み(および翻訳公証済み)の書類としてベトナムの公的機関等に提出できるようになります。書類の種類によっては、翻訳した文書の写しを公的機関等に提出することができます。
「ベトナム会社・駐在員事務所設立マニュアル」p.5 にフロー図がありますので、併せてご参照ください。ただし、同マニュアルは2014年4月時点の資料であり、本フロー図はベトナムのハーグ条約加盟前の「公印確認+領事認証」を前提としたものです。上記のとおり、2026年9月11日の条約発効後は、アポスティーユを受け提出するルートも加わりますので、アポスティーユを受ける場合には、上記I.「外国語書類の認証手続き」の記載をご参照ください。
Ⅱ. 認証手続きを要する主な外国語書類
ベトナムでは、外国で作成または発行された書類について、認証手続きやベトナム語への翻訳公証を求められることが少なくありません。以下は、これらの手続きを要することが多い書類の例です。
- 駐在員事務所・会社の設立
登記事項証明書、監査済み財務報告書または直近の納税証明書、定款の写し、駐在員事務所長への委任状、代表者または署名権限者のパスポートの写しなど - 既存企業への出資・株式取得
登記事項証明書、認証済みの定款の写し、投資家の財務能力を示す書類(直近2年分の財務諸表、金融機関の残高証明書等)、代表者や署名権限者のパスポートの写しなど - 委任状
代理申請など委任状はさまざまな手続きで使用されますが、外国語で作成された委任状については、認証手続きおよび翻訳公証が必要となるのが一般的です。 - 自由販売証明書(Certificate of Free Sale: CFS)
特定の生産品が輸出国または輸入国の市場で、自由に販売されていることを証明する証明書です。ベトナムでは政令292/2026/ND-CP附録IVにおいて、CFSに関する品目および管轄官庁が定められています。対象品目の輸出入にはCFSの取得が必要です。(注)日本から食品をベトナム向けに輸出する場合
日本の農林水産省(地方農政局等)がCFSを発行します。これは(日本の公的機関が発行する)公文書ですが、翻訳公証が求められた場合には、ベトナム大使館もしくは総領事館、またはベトナム国内の公証役場で翻訳公証を受けることが一般的です。 - 日本人とベトナム人が結婚する場合
戸籍謄本、結婚条件具備証明書(独身証明書)、健康診断書など。なお、健康診断書はベトナム国内の公立総合病院で取得することが推奨されており、日本の病院が発行したものを使用する場合は、別途認証が必要となります。 - 労働許可証の取得
学歴証明書、資格証明書、職務経歴証明書、犯罪経歴証明書など - 製品登録・各種許認可申請
医薬品、医療機器、化粧品、食品等の登録申請や輸入手続に際し、GMP証明書(Good Manufacturing Practice)、製造許可証その他の品質・製造管理に関する証明書について、認証手続きおよびベトナム語への翻訳公証が求められることがあります。※GMPは、日本語では一般に「医薬品等の製造管理および品質管理の基準」と呼ばれます。
※上記Ⅱ. 1や2の説明にあるパスポートの写しは、パスポート保有者の所在地等によって要求される認証方法が異なる場合があります。
一般的には、当該パスポート保有者がベトナム国外に所在する場合には、領事認証またはアポスティーユを取得したパスポートの写し及びそのベトナム語への翻訳公証済み文書の提出が必要となります。
他方、パスポート保有者がベトナム国内に所在する場合には、所管当局の運用によりベトナム国内で作成された公証済みの写しまたはベトナム語への翻訳公証済み文書の提出で足りる場合があります。
関係法令
- ベトナム政府:
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「政令292/2026/ND-CP」
関係機関
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日本公証人連合会
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駐日ベトナム社会主義共和国大使館
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在ベトナム日本国大使館(Viet Nam Embassy of Japan)
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在ホーチミン日本国総領事館(Consulate General of Japan in Ho Chi Minh City)
- 外務省:
-
公印確認・アポスティーユとは
- 農林水産省:
-
輸出食品に関する自由販売証明書の発行申請について
参考資料・情報
- ジェトロ:
- 「外国企業の会社設立手続き・必要書類」
-
「ベトナム会社・駐在員事務所設立マニュアル」(2014年4月)
(2.67MB)
-
「ベトナムにおける労働許可書/ビザ(査証)の取得手続き」(2024年12月)
(3.91MB)
-
「CFSの管轄官庁および製品一覧」(2025年9月)
(243KB)
調査時点:2017年6月
最終更新:2026年9月
記事番号: A-121101





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