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原産地規則と原産地証明書:インドネシア

インドネシアの原産地規則と原産地証明書について教えてください。

インドネシアの原産地規則には特恵原産規則と非特恵原産規則があります。前者は一般特恵関税制度(Generalized System of Preferences: GSP)や経済連携協定(Economic Partnership Agreement: EPA)などにより関税の優遇を受ける場合の規則です。後者は最恵国待遇(Most Favored Nation: MFN)税率の適用のため、商取引上輸入者が求める場合など、前者以外の場合の規則です。いずれも2014年10月14日付商業大臣規則第77号(No.77/M-DAG/PER/10/2014)により、原産地認定基準、積送基準、原産地証明書の発給規定などが定められています。

I. 特恵/非特恵原産地規則

  1. 特恵原産地規則
    特恵原産地規則は、インドネシア産品の輸出先となる国あるいは複数国のグループによって、二国間もしくは複数国・地域間の経済連携協定に基づいて、それぞれ供与される関税の減免措置を得るのに使用される原産地規則です。
  2. 非特恵原産地規則
    非特恵原産地規則は、最恵国待遇(MFN)税率を適用する場合や関税の減免措置を伴わず、インドネシア産品に対して輸出先国、輸入者、輸出者の要請を満たすためなど、1以外の目的で使用される原産地規則です。

II. 原産地規則

  1. 原産地認定基準(Origin Criteria)
    原産地認定基準は完全生産品基準(Wholly Obtained)、付加価値基準(Value Added)、関税番号変更基準(Change in Tariff Classification)、加工工程基準(Specific Process)の各規定から成ります。後者の3基準は、非原産材料がそれらの条件を満たす加工を経て原産品となる、いわゆる非完全原産品の基準です。
    1. 完全生産品基準
      この規定では、インドネシアにある資源から得られたもの、あるいはインドネシアにある資源からそのすべてが得られた原材料を使用してインドネシアで生産されたものをインドネシア原産品と認めます。具体的には次のものを指します。
      1. インドネシアで採取された天然の鉱物と代用品
      2. インドネシアで収穫または採取された農産物と森林産物
      3. インドネシアで産まれ、育成された生物
      4. インドネシアに生息する生物から生産された産品
      5. インドネシアで狩猟、捕獲された産品
      6. インドネシア船籍船が国内外の海上領域で捕獲した産品
      7. インドネシア船籍船が国内外の海上領域の船上で、viによる捕獲品を原料として直接加工した産品
      8. インドネシアが開発権を有する領域外の海底または地下から得た産品
      9. インドネシア内での生産活動または加工、消費により発生した残余物および廃棄物で、廃棄または原料として再利用される産品
      10. iからixの商品を原料としてインドネシアで生産された産品
    2. 付加価値基準
      この規定は、輸入原料または原産国が不明な原料に対するインドネシア輸出品の付加価値量の比率の算出に基づき、特定比率の付加価値を有すると認められた産品をインドネシア原産品とみなすものです。輸出業者が直接または間接的な方法により計算します。
    3. 関税番号変更基準
      この規定は、輸入原料を用いてインドネシアで生産された産品が、輸入原料の関税分類と異なる関税分類に分類された場合に、インドネシア原産品とみなします。
    4. 加工工程基準
      この規定は、輸入原料を含め、化学反応による変化や、国際協約において規定された生産プロセスなど特定の工程で生産されたものをインドネシア原産品とみなします。

    以上の基準は、特恵原産地規則の場合、協定により異なるため、協定上の規則または特恵付与国が定めた規則を用いるよう定められています。それぞれの規定については、e-SKAの規則とガイドのページ(https://e-ska.kemendag.go.id/cms.php/download/mou)などで確認できます。
    一方、非特恵原産地規則は、国際協定が定める原産地規則または輸出先の輸入業者等の要請により、輸出業者が遵守します。

  2. 積送基準(Consignment Criteria)
    インドネシアから目的地まで積替えなしで直接輸送される商品、および積替えの場合は、地勢的な理由や輸送条件に関する特別な考慮によるもの、積替地で売買されないもの、積替以外の生産プロセスを行っていないものは積送基準を満たしたとみなされます。

III. 原産地証明書

2015年3月20日付商業大臣規則第22号(No.22/M-DAG/PER/3/2015)は、原産地証明書には、特恵原産地証明書と非特恵原産地証明書があると定めています。

  1. 特恵原産地証明書

    特恵原産地証明書は、インドネシア産品の輸出先となる国あるいは複数国のグループによって、または二国間もしくは複数国・地域間の経済連携協定によって、それぞれ供与される関税の減免措置を取るのに使用される原産地証明書です。

    商業省の原産地証明書オンライン申請・発給のためのシステムe-SKAには14の特恵原産地証明書の書式が挙げられています(https://e-ska.kemendag.go.id/cms.php/form)。うち主なものは

    1. フォームA:一般特恵関税(Generalized System of Preference: GSP)のための原産地証明書
    2. フォームAANZ:ASEAN・オーストラリア・ニュージーランド自由貿易協定(ASEAN Australia New Zealand Free Trade Agreement: AANZFTA)のための原産地証明書
    3. フォームAI:ASEAN・インド自由貿易協定(ASEAN India Free Trade Agreement: AIFTA)のための原産地証明書
    4. フォームAK:ASEAN・韓国自由貿易協定(ASEAN Korea Free Trade Agreement: AKFTA)のための原産地証明書
    5. フォームD:ASEAN物品貿易協定(ASEAN Trade in Goods Agreement: ATIGA)のための原産地証明書
    6. フォームE:ASEAN・中国自由貿易協定(ASEAN China Free Trade Agreement: ACFTA)のための原産地証明書
    7. フォームIJEPA:日本・インドネシア経済連携協定(EPA)のための原産地証明書
    8. フォームIP:インドネシア・パキスタン自由貿易協定(Inondesia Pakistan Free Trade Agreement: IPFTA)のための原産地証明書
  2. 非特恵原産地証明書
    非特恵原産地証明書は、最恵国待遇(MFN)税率を適用する場合や関税の減免措置を伴わず、インドネシア産品に対して輸出先国、輸入者、輸出者の要請を満たすために使用される原産地証明書です。2015年商業大臣規則第22号はその付属書にて、非特恵原産地証明書が必要な輸出品目として、HS 09.01台のコーヒーおよびHS 21.01台のコーヒー・茶等の抽出物類を挙げています。そのほかe-SKAには繊維など、非特恵原産地証明書の書式が5つ挙げられています(https://e-ska.kemendag.go.id/cms.php/form)。また、インドネシアが輸入国で設定されているダンピング防止税やセーフティガードの対象国でないことを証明するため、あるいは商取引上輸入者の要請に応じる目的でも、非特恵原産地証明書が必要になります。

IV. 原産地証明書の発給

原産地証明書の発給手続きは、上記e-SKAを通じてオンラインで行われています(https://e-ska.kemendag.go.id/cms.php/home)。輸出業者はまずe-SKAに登録して、ユーザーIDを取得します。これにより、e-SKA上で原産地証明書の発給を申請することが可能になります。申請には、輸出申告書(PEB)やB/LまたはAWB、納税者番号(NPWP)、インボイス、パッキングリスト等をアップロードします。輸入原材料を含む輸出品の場合は、コスト構成の計算書の提出も必要です。審査の後、原産地証明書署名官の承認が得られた場合、輸出業者は原産地証明書発給機関から入手した原産地証明書式のオリジナルに原産地証明書を印刷し、それを再び発給機関に持ち込み、署名官の署名をもらいます。
発給機関については、2015年6月30日付商業大臣決定第727号〔No.727/M-DAG/KEP/6/2015、2016年6月10日付商業大臣決定第666号(No.666/M-DAG/KEP/6/2016)で変更〕にて、全国の州や県/市の商業担当支局とたばこの管理機関、国営の保税地区運営会社PT. Kawasan Berikat Nusantara、バタム事業庁、サバン自由貿易地域/港管理庁の計86機関がリストアップされており、うち16の州の商業担当局が繊維製品やコーヒーなどの特定商品の輸出にかかわる発給機関とされています。

V. その他

商業省管轄外の原産地証明書もあります。たとえば、2013年4月3日付海洋水産大臣規則第7号(No.7/PERMEN-KP/2013)は、海草の輸出に、水産物品質・安全維持・水産検疫庁が発給する海草原産地証明書の保有を義務付けています。

関係機関

インドネシア商業省:
インドネシア水産物品質・安全維持・水産検疫庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

2014年商業大臣規則第77号(インドネシア原産地規則)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(749KB)
2015年商業大臣規則第22号(インドネシア産品の原産地証明書発給の規定と手順)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2,160KB)
2015年商業大臣規則第32号(インドネシア産品の原産地証明書発給機関、2016年商業大臣規則第28号で変更) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,986KB)
2015年商業大臣決定第727号(インドネシア産品の原産地証明書発給機関リスト、インドネシア2016年商業大臣決定第666号で変更) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,007KB)

参考資料・情報

財務省関税局:
日インドネシア経済連携協定 原産地規則の概要PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(400KB)

ジェトロ:
日本・インドネシア経済連携協定
ASEAN自由貿易協定(AFTA)の物品貿易に関する協定(ATIGA)PDFファイル(2,009KB)

Association of Southeast Asian Nations:
“ASEAN Trade in Goods Agreement”外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017/3

記事番号: A-051006

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