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衣料品の現地輸入規則および留意点:EU向け輸出

EU向けに衣料品を輸出する際の現地輸入規制および留意点について教えてください。

I. EU全体としての輸入規制
WTO加盟国に対する輸入割当は2005年に廃止されており、日本製の繊維製品にも特段の輸入規制はありません。特定の中国製品に適用されていた輸入監視制度も2009年に廃止されています。また、EU指令1541/98の廃止により、2011年10月24日より原産地証明も不要となりました(欧州議会・理事会規則955/2011、FTAや第三国からEUへの輸出時に求められる一般特恵など他の制度を利用する場合を除く)。ただし、EU域内産業保護等のため、必要に応じて監視、セーフガードなどの措置がとられる場合があります(欧州議会・理事会規則2015/936)。また、知的財産権侵害物品の流通にも当局が介入します。

II. 輸出者としての留意点
1. 繊維製品のEU域内流通については、消費者の安全と保護を目的とする「製品の一般的な安全に関する規則」が適用され、難燃性やその他使用上の安全に関する規則を順守しなければなりません。そのほか、加盟各国レベルの規制についても注意が必要です。
2. 繊維の名称と繊維製品の組成表示・ラベリングに関する欧州議会・理事会規則1007/2011が2012年5月8日から施行されました。これに伴い、従来のEU指令2008/121/EC(繊維の名称に関する指令)、EU指令96/73/EC(2種類の繊維からなる織物の定量分析の方法に関する指令)、およびEU指令73/44/EEC(3種類の繊維からなる織物の定量分析に関する指令)の3指令、いわゆる「繊維指令」は廃止されました。
EU規則1007/2011は28の条文と10の付属書から構成されています。この規則の適用範囲、繊維の名称や関連のラベル表示とマークの要件、市場での監視、新しい繊維の出現に備えての対処法などを規定しています。また、繊維の定量分析の方法も付属書で規定しています。本規則では使用される繊維の名称と構成比を正確に表示すること、使用できる繊維の名称はCotton、Polyesterなど49種にのぼること、複数の繊維が使用されている場合は構成比を重量比(%)で正確に記載すること、少なくとも重量比80%を超える繊維が使われている製品にも適用されること、動物起源の素材が含まれている場合の表示義務などが含まれています。新規則は、a. 3つの指令にとってかわるため、加盟国の国内法整備のプロセスを待つ必要がなくなり、b. 繊維工業の発展により、新しい繊維が作られた場合に備えて、申請方法などが整備され、c. 消費者や経営者、各国の当局者が自己の権利や義務を容易に確認できるようになったとされています。なお、サイズの表示方法、完全なトレーサビリティを提供する原産地ラベリング制度、洗濯その他の取扱い方法を示すケアラベルのシステム、アレルゲン物質の表示、電子表示、非言語シンボル・コードによる繊維識別表示などにも注意が必要です。事前に輸入者を通じて、関係機関に確認することをお勧めします。
3. 欧州議会・理事会規則(EC)No. 1907/2006「化学物質の登録、評価、認可および制限(REACH)に関する規則」による発がん性染料および有害物質規制
REACH規則は、規制対象物質ごとに対象製品、含有限度値、例外規定などを規定しており、附属書17(Annex XII)に指定物質・調剤の上市と使用の禁止、または上市の条件などが記載されています。多種多様な物質・調剤・成型品が該当しますが、繊維製品関連物質としては、主に次の2物質のほか、難燃剤なども規制の対象となります。これらの点についても注意が必要で、事前に輸入者を通じ、関係機関に確認することをお勧めします。
a. 登録番号43:特定芳香族アミン類22物質(附表8)を生成するおそれのあるアゾ顔料・染料(附表9)
b. 登録番号51/52:可塑剤として樹脂に添加されたフタル酸エステル(PAE)(合成皮革のジャンパーやTシャツのプリント部分など)


関係法令                                                 
欧州議会・理事会規則(EU)No.1007/2011:繊維の名称と繊維製品の組成表示・ラベリングに関する規則(統合版)
欧州議会・理事会規則(EC)No.1907/2006:化学物質の登録、評価、認可および制限(REACH)に関する規則(統合版)


参考資料・情報                                              
ジェトロ: 「世界各国の関税率」                

調査時点:2015/12

記事番号: A-031212

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