電子部品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出
質問
中国向けに電子部品を輸出する際の現地輸入規制および留意点を教えてください。
回答
Ⅰ. 輸入関税と増値税
日本から中国に輸入する場合は、最恵国関税率(MFN税率)が適用されます。更に、RCEP協定の対象品目で、必要な原産地規則を満たす場合には、優遇税率の適用を受けることができます。RCEP協定の優遇税率は、HSコードごとに決められており、また品目ごとに各年の税率が決められています。そのため、それぞれの品目ごとに中国への輸入通関時のMFN税率とRCEP協定の優遇税率を確認することが必要です。
主な電子部品の最恵国関税率は2025年版「中華人民共和国税関輸出入税則」によると下記のとおりです。
- プリント回路板(HS8534):0%
- 回路の保護または接続用ブレーカ、リレー、スイッチ、光ファイバー等の電器装置(HS8536):0〜10%
- 電子管、撮像管、ディスプレ管(HS8540):5〜8%
- 集積回路(HS8542):0~3%
- その他電子部品の関税率は、実際に輸入する電子部品の品目分類番号HSコードに基づいて確定されます。
RCEP協定の優遇税率は、中国税関総署が公表している譲許表で、確認することができます。
輸入増値税率は一律13%です。
※なおMFN税率は毎年変わる可能性がありますのでジェトロ「世界各国の関税率」(World Tariff)等で最新のデータをご確認ください。
Ⅱ. 輸入時の規制
- 電子部品輸入の関連法規
中国の輸入規制は「対外貿易法」、「関税法」、「貨物輸出入管理条例」などを根拠法として規制や管理を行っており、さらに電子部品輸入は「機電製品輸入管理弁法」によっても規定されます。 - 電子部品の輸入手続き
中国は機電製品の輸入に関し輸入禁止、輸入制限、自由輸入の3種類に分けて管理を行っております。電子部品は主として自由輸入に分類されますが、自由輸入の電子部品は、税関監督管理条件の違いによってさらに下記a、b、cの3種類に分かれます。従って電子部品を輸入する際は、輸入する電子部品の品目分類番号HSコードに基づき、税関監督管理条件をチェックする必要があります。
- 自由輸入の電子部品で、かつ税関監督管理条件が規定されていないモノ。(例:プリント回路板:HSコード8534)
- 自由輸入の電子部品ではあるが、「輸入自動許可証」の取得かつ通関時にその提出が求められるモノ。(例:無線遠隔制御機器:HSコード8526.9200)「輸入自動許可証」は割当品目や制限品目の輸入数量を監視することを目的としております。「機電製品輸入管理弁法」、「機電製品輸入自動許可実施弁法」など関連法令の規定に基づき、輸入者は通関手続きを行う前に商務部または地方や部門の機電弁公室で「輸入自動許可証」を申請する必要があります。
- 自由輸入の電子部品ではあるが、輸入通関に際し税関検査検疫部門で法定検査を受け、「入国貨物通関書」を発行してもらった後に関税・増値税の納付して輸入許可となるモノ。(例:データ処理装置用定電圧電源:HSコード8504.4013)。
Ⅲ. その他の要留意点
- CCC強制認証を取得する必要のある製品
輸入する製品が国家強制認証(CCC認証)を受ける必要のある製品に該当する場合、事前にCCC強制認証を取得する必要があります。認証機関が発行する「中国国家強制性製品認証証書」または「強制性製品認証証明取得免除」を提出しなければなりません。「強制性製品認証証明取得免除」とは、強制認証を必要とする製品を商業展示、科学研究、検定等の目的で輸入する場合は強制認証証明の取得を免除する制度です。詳細は「強制性製品認証管理規定」第42条で確定します。中国の国家強制認証(CCC認証)についてはジェトロ貿易・投資相談Q&A「中国の強制製品認証制度について」も併せてご確認ください。 - 中国の両用物質の規制の対象になり、必要な許認可を取得しなければならない製品は、中国の「両用(転用可能)物質および技術輸出入許可管理弁法」の対象になり、中国政府管轄部門(商務部および地方政府の商務部門)の許可を取得することが必要です(例:HSコード 8540890010 光電倍增管)。対象品目は、「両用品目および技術輸出入許可証管理目録(2025年版)」として公表されています。 ジェトロでまとめた以下の資料がありますので、下記をご参照下さい。
両用(転用可能)物質および技術輸出入許可管理弁法」 - 中国版RoHS2「電器電子製品有害物質使用制限管理弁法」の対象製品
電子部品は2016年7月1日に施行された特定有害物質の使用制限に関する中国版RoHS2「電器電子製品有害物質使用制限管理弁法」の規制対象です。輸入する電子部品は電器電子製品の有害物質に関する基準に適合している必要があります。 規制対象品は目標達成目録にて指定され、2018年3月15日にその第1次目録が告示され、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、電気温水器、プリンタ、コピー機、ファックス、テレビ、モニター、マイクロコンピュータ、モバイル通信・携帯電話、固定電話の12品目が対象となっております。
中国版RoHS2では国家推進自発的認証あるいは自己宣言による有害物質の含有制限に関する自己評価制度が採用され、2019年11月1日より施行されました。 なお、中国電子技術標準化研究院は、2024年12月25日、SJ/T11364-2024電子電気製品有害物質制限使用標識要求を公布し2025年4月1日発効、また、2024年6月29日、GB/T 26572-2011電子電気製品の制限物資の制限値に関する要求の第1号改正を公布し2026年1月1日から発効することを発表しました。これは、中国RoHS3.0とされています。 - 廃棄電器電子製品回収処理基金の納付義務
2012年7月1日より一部の輸入電器電子製品については、荷受人またはその代理人が税関に廃棄電器電子製品処理基金を納付します(「廃棄電器電子製品回収処理管理条例」等)。第1回目の基金徴収対象製品の名称、HSコード、徴収基準については、「廃棄電器電子製品処理基金徴収使用管理弁法」の付属書類2または「輸入電器電子製品の廃棄電器電子製品処理基金徴収に関する公告」の付属書類を参照ください。 なお、中国財政部は、2024年1月17日に、発表した公告で、2024年1月1日以降、廃電気電子機器処理基金の徴収を全面停止するとしており、現在はこの基金納付義務はありません。 - 安全保障貿易管理
日本からの輸出に当たって、安全保障貿易管理上、電子部品はリスト規制もしくはキャッチオール規制の対象となる可能性があり、場合によっては経済産業省の輸出許可が必要になります。事前に安全保障貿易管理のウェブサイトで手続きのフローを確認し、該非証明書を作成し、輸出許可が必要な場合に手続きできるよう準備しておくことをお薦めします。
関係機関
関係法令等
- 中国中央人民政府:
-
中华人民共和国进出口税则(2025)(国务院关税税则委员会公告2024年第13号)
-
機電製品輸入管理弁法(商務部、海関総署、国家品質監督検査検疫総局令2008年第7号、2008年5月1日施行、2018年10月10日修正)
(205KB)
-
機電製品輸入自動許可実施弁法(商務部、税関総署令2008年第6号、2008年5月1日施行、2019年11月30日第一次修正)
-
廃棄電器電子製品処理基金徴収使用管理弁法(財総[2012]34号、2012年7月1日施行、2024年9月13日付け第31号公告)
- 商務部:
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自動輸入許可管理貨物目録(2025年)(商務部公告2024年第64号、2025年1月1日施行)
-
両用物質および技術輸出入許可証管理弁法(商務部、税関総署令2005年12月31日付け発布第29号、2006年1月1日施行)
- 中国工業情報化部:
-
電器電子製品有害物質使用制限管理弁法(工業・情報化部、国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、環境保護部、商務部、税関総署、国家品質監督検査検疫総局令第32号、2016年7月1日施行)
-
電器電子製品有害物質使用制限基準達成管理目録(第1次)および基準達成管理目録の使用制限物質使用例外リスト(工業・情報化部2018年第15号公告、2019年3月施行)
- 中国国家認証認可監督管理委員会:
-
製品強制認証管理規定(国家品質監督検査検疫総局第117号、2009年9月1日施行、2022年9月29日付け第61号修正)
- 中国税関:
-
輸入電器電子製品の廃棄電器電子製品処理基金徴収に関する公告(税関総署公告2012年第33号、2012年7月1日施行)
- 中華人民共和国国務院:
-
废弃电器电子产品回收处理管理条例(2011年1月1日施行。)
- 中国財政部、生態環境部:
-
关于印发《废弃电器电子产品处理专项资金管理办法》的通知(2024年第31号)
-
关于废弃电器电子产品处理专项资金申请企业标准和条件的通知
-
关于停征废弃电器电子产品处理基金有关事项的公告(财政部、生态环境部、国家发展改革委 工业和信息化部2023年第74号)
- 四川省財務庁:
-
《中央财政废弃电器电子产品处理专项资金管理实施办法》政策解读
参考資料・情報
- ジェトロ:
- 世界各国の関税率(World Tariff)
- 経済産業省:
-
安全保障貿易管理
調査時点:2013年10月
最終更新:2025年12月
記事番号: A-031013
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