化粧品の現地輸入規則および留意点:バングラデシュ向け輸出

バングラデシュに化粧品を輸出しますが、現地の輸入規則および輸出者として留意すべき事項があれば教えてください。

I. 輸入規制概要、輸入・販売許可手続き
バングラデシュでは輸入業者登録制度があり、すべての商業輸入者は下記の手続きを経て、輸入登録証明書をとらねばなりません。
1. 貿易許可証(Trade License)の取得
会社所在地の市役所等で取得します。毎年更新が必要です。
2. 商工会議所または貿易協会の会員登録
すべての輸入者および輸入業務を行う予定の者は、政府許認可の商工会議所あるいは貿易協会の会員になることが義務付けられています。会員ステータス(正会員か暫定会員かあるいは初期会員かなど)は該当者が選択できます。
3. 輸入登録証明書の取得
輸入者、および今後輸入業務を行う予定の者は、商業省(輸入・輸出管理庁長官事務所)に輸入登録証明書の発行を申請し、上記商工会議所または貿易協会の会員ステータスに応じた輸入登録証明書を取得することができます。
また、国内販売に関しては、スキンパウダー、スキンクリーム、リップスティック等、バングラデシュ基準検査機関BSTI(工業省管轄)の規格適合証明スキームの対象となるものを販売する場合には、商品毎の規格適合証(Certification Mark)を取る必要があります。なお、対象品目外の化粧品類を販売する場合は、この証明書を取得する必要はありません。
なお、すべての輸入について、貿易取引条件がC&F、CFR、CPT、FOBのいずれかに限定されており、CIFの場合は商業省の事前許可が必要です。原産国の表示および原産国証明書の提出、輸入品の包装への輸入者の氏名・住所・納税番号の記載義務など種々の規定がありますので、バングラデシュへの輸出に関しては、輸入者とよく協議し輸出形態を決定する必要があります。


II. 化粧品の成分規制
化粧品の内容物、すなわち配合原料について、禁止成分、制限成分の規定はありません。ただし、エチルアルコールを含む化粧水等の場合は注意が必要です。バングラデシュでは、アルコールの輸入が原則として禁止されており、登録された医薬品メーカー以外は、エチルアルコールの輸入ができません。現地のパートナーが医薬品の製造許可を取得している場合は問題ありませんが、そうでない場合には事前に、商業省との協議が必要になります。その他の留意事項として、医薬品の原料となるものを化粧品原料として輸入することはできません。プロビタミン(ビタミン前駆体)やビタミン、さらには植物性の液汁、エキス、ペクチン質、寒天等の植物由来原料については、薬物管理局長から事前に輸入許可を取得しておかないと輸入ができません。


III. 表示、ラベル
表示に関しては、外箱および商品に以下の表示が義務付けられています。a.化粧品の名称、b.製造者の名前・住所、輸入者の名前・住所、c.内容量、d.内容物、e.製造番号、f.製造年月日、g.使用期限、h.最大の小売価格(小売の上限価格)、i.バングラデシュ基準検査機関(BSTI)の認証マークが絶対表示事項です。ただし、リップスティック等の小さな化粧品については、別途簡略表示が可能です。


IV. 輸入関税、その他税
輸入化粧品に課せられる関税はすべて25%です。関税以外にSupplementary Duty(補足税)20.0%(シャンプーパーマ液等は60.0%)、Value Added Tax(付加価値税)15.0%、Advance Income Tax(前払所得税)5%、Regulatory Duty(調整税)5%、Advanced Trade Vat(前払貿易付加価値税)3%です。


V. その他輸出時の注意事項
1. 国内で流通している製品をそのまま輸出するのであれば、特別な手続きは必要ありません。しかし、現地仕様に変更したもの(表示も含む)を輸出しようとする場合は、輸出用化粧品(製造・輸入)届書を提出する必要があります。
2. 化粧品も安全保障貿易管理上のキャッチオール規制対象品目です。
以上の2点に関しての詳細は、 「化粧品を輸出する際の注意事項」 を参照してください。


関係機関
バングラデシュ商業省(Ministry of Commerce, Bangladesh)
輸出入管理長官事務所(Chief Controller, Imports & Export1:CCIE)
バングラデシュ基準検査機関(Bangladesh Standards and Testing Institution:BSTI)
国家歳入庁(National Board of Revenue:NBR)


参考資料・情報
ジェトロ:
世界各国の関税率


調査時点: 2011/11

記事番号: A-030125

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