航空貨物として輸送できないもの、特別な条件が付くもの:日本

質問

航空貨物で、輸送できないもの、特別な条件が付くものについて教えてください。

回答

航空輸送は、そのスピードと多頻度の輸送が可能なことから現代生活には欠かせない物流インフラとなっています。一方で航空機と空港施設を使用することから、各国の航空法、航空施行例や国際航空運送協定(IATA協定)等により、船舶による輸送に比べより多くの厳しい基準が設けられています。

Ⅰ. 航空機による搭載可能重量、サイズの制限

航空貨物輸送に使用する航空機材は、旅客機の下部貨物室(ベリー)を使用するものと、旅客の代わりに全スペースを貨物に振り分けた貨物専用機を使用するものに大別されます。
通常のカートン梱包の貨物は、サイズ的に旅客機、貨物専用機両方に搭載可能ですが、大型貨物(特に高さが150cmを超えるものなど)は、旅客機への搭載が不可能な場合があります。貨物専用機の上部貨物室のドアサイズは高さ2.6〜3メートル(機種により異なる)に達しますので、大型貨物も搭載が可能ですが、航空機の貨物室は天井・側面が湾曲しているため、実際に搭載が可能な貨物の最大サイズは、縦、横、高さの比率で決まります。
また、コンテナ、パレットなどULD(Unit Load Device)から、はみ出す貨物は特殊な搭載法が必要となります。このように、搭載可能重量、サイズは航空機材や貨物の形状により異なりますので、大型貨物・重量貨物を出荷する場合は、事前に航空会社または航空貨物フォワーダーへの確認が必要となります。
また、最近は中型機材の航続距離の増大に伴い、ハブ空港間を大型機材で運行し、ハブ空港以遠に中小機材を使用する従来のハブ and スポーク方式から、需要のある空港間を中型機材による直行便で運行する方式を採用する航空会社が増えているため、仕向地によっては1機あたりの貨物搭載量が減少する傾向にあります。大量の貨物を出荷する場合は、事前に航空会社・航空貨物フォワーダーに対し、余裕を持ってブッキングを行うことが重要です。

Ⅱ. 危険品

爆発性または易燃性のもの、人に危害を与える、他の搭載物や機体に損傷を与える、あるいは飛行機の運航に支障を与えるおそれのある物品は、危険品として輸送できないものと、適切な梱包と数量制限により安全が確認できれば輸送可能なものがあります。
危険品貨物には、一般的に爆薬、花火などの火薬類、喫煙用ライターなど高圧ガス、硫酸、塩酸などの腐食性液体、石油、ベンジンなど引火性液体、硫黄など可燃性固体、殺虫剤など毒物、放射性物質、酸化性物質、その他の有害物質が含まれます。また、航空機の計器を狂わす磁性物質も航空機への搭載が制限されています。
危険品に準ずる品目として取り扱われるものとしては、エアゾール、バッテリー、殺虫剤、ドライアイスなどがあり、梱包、重量規制、ラベリングに十分な注意が必要です。
危険品であっても適切な梱包がされていれば、受諾される品目もあり、また旅客機には搭載禁止でも貨物専用機では可能なものもあります。
危険品目の具体的詳細は、IATA危険物規則書( IATADangerous Goods Regulations 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に分類されており、規定されているすべての要件を満たさないと搭載できません。荷送人は危険物申告書(Shipper's Declaration for Dangerous Goods)に署名し、貨物とともに航空会社に提出します。また荷送人はIATA危険物規則書に従って、表示、梱包、マーキングをして適切な危険物ラベルを貼る必要があります。
なお、危険物の運送には、危険物貨物取扱手数料(Dangerous Goods Handling Fee)が加算されます。仕向け国別、梱包、航空運送状毎に金額は異なります。

Ⅲ. 新KS/RA (Known shipper / Regulated agent) 制度

ノウンシッパー/レギュレーテッドエージェント(KS/RA)制度は航空機に搭載する航空貨物について、ICAO国際標準等に基づき、セキュリティレベルを維持しつつ、物流の円滑化を図るため、荷主から航空機搭載まで一貫して航空貨物を保護する制度です 。国土交通省では適切な保安措置が実施できるフォワーダーを「特定航空貨物利用運送事業者等」(RA)として認定しています。
2012年12月から、米国向け旅客便搭載の航空貨物への爆発物検査が義務化され、2014年4月からは全世界向けの旅客便搭載貨物へと対象が拡大されています。また、2025年3月からは検査対象が拡大され、全カートン確認検査に、2026年1月からは日本発の国際航空貨物については爆発物検査要件が厳格化され、貨物外装チェックに加え内容物の確認を前提としたX線検査が義務化されている事から、従来と比べ、保安検査の手順が増えているため、時間的に余裕を持った貨物・書類の搬入が必要です。

Ⅳ. リチウム電池の輸送規制

2026年1月よりリチウムイオン電池の単体または組電池を輸送する場合の充電率(State of Charge:Soc)規定が変更(充電率30%以下)されております。 規定充電率を超える場合は、事前に許可が必要となるため、フォワーダーや航空会社への確認が必要となります。

関係機関

関係法令

調査時点:2012年8月
最終更新:2026年8月

記事番号: A-020141