保税制度を利用して輸出する際の手続き:オーストラリア

質問

オーストラリアの保税制度を利用して輸出する際の手続きについて教えてください。

回答

トレーデックス制度(Tradex Scheme)は日本の保税工場に類似する制度です。輸入許可後一年以内に輸入品あるいはその輸入品を加工して輸出することを条件に、輸入時の関税およびGST(Goods and Services Tax:財・サービス税)が免除されます。適用対象は、免税店で販売が予定されているもの、アルコール、たばこ、石油製品など一部の物品税(Excise Tax)もしくはその他の税を課せられるオーストラリアで生産された物を除く、すべての輸出のための輸入品です。

I. Tradex Scheme

The Department of Innovation, Industry, Science and Researchの管轄下にあるAusIndustry(business program delivery division)が管轄し、同国の各種産業に一層の国際競争力強化を目的としています。

また、Tradex対象品に関しては、輸入からオーストラリア国内での貯蔵・加工、輸出に至るまで、製造過程や商品に付加される価値について記録することが義務付けられています。AusIndustryや税関から提出を求められることがあります。

II. トレーデックスによる諸税の免除申請

商品をオーストラリアへ輸入する前に申請する必要があります。オーストラリア国内からでも海外からでも申請できます。輸出手続きは通常の輸出と同様です。ただし、トレーデックスを申請した内容と異なる製品が輸入された場合は、関税およびGST(Tredax Duty)を支払う必要があります。手続きの概要は以下のとおりです。

  1. 申請者(個人、法人、各種組織団体等)は、トレーデックス許可申請書(Application for Tradex Order)に必要事項を記入し、最寄りのAusIndustry事務所に申請します。
  2. AusIndustry事務所は、申請書の記載内容の審査および訪問調査にもとづき、当該申請の適否を検討します。適合と認められると、トレーデックス許可書を通知します。許可通知後に業者の変更や連絡先の変更などが生じた場合には、7日以内にAusIndustryへ届け出なければなりません(AusIndutryのChange of Applicant Details Formを使用)。
  3. 有効なトレーデックス許可を保有する申請者は、税関への輸入申告の際に、品目別に手続きを行います。詳細は文末のウェブサイトを参照ください。
    なお、Tradex Orderにもとづく輸入申告に際しては、オーストラリア ビジネス ナンバー(Australian Business Number: ABN)あるいはオーストラリア税関に登録されている税関顧客(Customs Client Identification Number: CCID)が必要です。

III. その他注意事項

  1. Tradex Schemeの許可は得たが、1年以内に輸出できなくなった場合は、期間の延長を申請します。延長が妥当であると認められれば引き続き許可が有効となります。
  2. 承認品目内容の変更(追加または除外)の申請は、許可後にもできます(Application for Variation of an Order to Include or Exclude Particular Goodsを使用)。
  3. 申請が不許可になった場合は、その理由とともに申請者に通知されます。それに対し、申請者は再審査を請求することができます。
  4. Tradexを利用して輸入した商品の品目や数量が許可申請の内容と異なる場合や、オーストラリア国内で一部販売・消却された場合などは、28日以内に関税に相当するTredax Dutyを支払う必要があります(Duty and Liability Payment Formを使用)。

関係法令

ComLaw:
Tradex Scheme Act 1999外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Tradex Scheme Regulations 2008外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2013年8月
最終更新:2017年9月

記事番号: A-011229

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