保税工場に貨物を蔵置する際の期間と移入承認:日本

質問

保税工場に貨物を置いておける期間はどのくらいでしょうか。また、移入承認とはどういう関係になるのでしょうか。

回答

I. 保税工場とは

保税工場は、関税法により規定された保税地域の一種です。

  1. 保税地域
    保税地域では、以下の貨物(「外国貨物」といいます)を、一時的に置くこと(「蔵置」といいます)ができます。
    1. 輸入手続きがまだ済んでいない貨物
    2. 輸出の許可を受けた貨物
    3. 日本を通過する貨物
  2. 保税作業
    保税工場では、運搬をして通関手続きを待つなど、通常の外国貨物の蔵置のために利用することに加え、外国貨物を原料とした製造(混合を含む)、加工および改装仕分けなどの作業「保税作業」を行うことができます。
    ただし保税作業の結果、外国貨物の原形(外形)や性質が変化した場合は、輸入申告と同じ手続きによって税関長の移入承認を受ける必要があります。詳細は下記II.項をご参照ください。
  3. 保税工場のメリットと蔵置期間
    保税工場では、外国貨物を入れた日から3カ月間は、保税地域として外国貨物を蔵置する許可をあわせて受けているものと見なされます(関税法56条第2項)。この期間は関税未納のままで蔵置することができます。
    従って、外国貨物の蔵置と保税作業の両方を行うことができる保税工場では、外国貨物を原料として蔵置し、商機を見て保税作業を行い、その製品を国内に引き取る(輸入)、または積戻し(輸出)をすることもできるという点でメリットがあります。

II. 移入承認と蔵置期間の延長

保税工場では、3カ月を超えて外国貨物を蔵置する場合、または3カ月以内であっても外国貨物に対して保税作業を開始する場合、税関長による承認を受ける必要があります。これを移入(うつしいれ)承認といいます(保税作業が終了した場合にも税関長に移入承認を受ける必要があります)。

移入承認を受けた外国貨物は、承認を受けた日から2年間蔵置することができます。また、特別な事由があれば再度の申請により税関長の指定した期間、延長が認められます(関税法施行令第50条の二、第57条)。
その他、保税地域における外国貨物の取り扱いについては、文末のジェトロ貿易・投資相談Q&A「保税地域の目的と利用方法」、「保税蔵置場の管理方法と記帳義務」および「輸入貨物の保税期間」などもご参照ください。

関係機関

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関係法令

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参考資料・情報

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ジェトロ:
貿易・投資相談相談Q&A
保税地域の目的と利用方法
保税蔵置場の管理方法と記帳義務

調査時点:2014年10月
最終更新:2019年10月

記事番号: A-011061

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