Free House Deliveryという貿易条件の概要

質問

Free House Delivery とは、どういう貿易条件ですか。また、どのような場合に使用されるのか教えてください。

回答

Free House Deliveryとは、貨物をDoor-To-Doorで配送する際に多く用いられ、多くの場合、航空貨物に適用されます。クレーム品の交換、サンプルの発送や贈答品等で、荷受人(配送先)に金銭面の負担をかけさせたくない場合に使用されます。従って多くの場合、国内通関費用、運賃、仕向地通関費用(関税・消費税等含む)、仕向地配達料等全てを荷送人が負担します。
貨物の危険(リスク)負担については、荷受人への引き渡しまで荷送人負担となり、万一、途中で事故が発生した場合は荷送人の負担になります。運送人の損害賠償については、種々制約がありますので、商品代金によっては、予め貨物海上保険を付保した方が良いでしょう。貨物海上保険はクーリエ業者やフォワーダー等でも付保することが可能です。なお、壊れやすい品物等の特殊なケースの場合は、関係者と事前に十分相談されることをお勧めします。
Free House Deliveryは、業者により引受基準が若干異なる場合があります。詳しくは、クーリエ業者等にお尋ねください。
また、Free House Deliveryは、インコタームズ規則のDDPに近い取引条件ですが、インコタームズで規定された貿易条件ではありません。このため、荷降し費用や関税など、どちらが負担するか等は、事前に荷送人と荷受人との間で十分話し合って、明確にしておく必要があります。このため、通常の貿易取引であれば、これらの手間やトラブルを少なくするため、インコタームズによる貿易条件を使用することをお勧めます。

調査時点:2011年8月
最終更新:2025年7月

記事番号: A-011026

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