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バーゼル条約規定の廃棄物の輸出入手続き

有害廃棄物の輸出入に際して留意すべき点を教えてください。

欧米先進国からの廃棄物が1980年頃からアフリカの開発途上国に放置され、環境汚染の発生が目立つようになりました。このような問題に対する国際的な枠組みとして、国連環境計画(United Nations Environment Programme: UNEP)主導の「有害廃棄物の越境移動およびその処分の規制に関するバーゼル条約1992」が制定されました。我が国も1993年に同条約に加入し、その履行のための国内法としてバーゼル法を定めています。バーゼル条約には2016年6月現在184か国、1機関が加盟しています。

I. バーゼル条約とOECD理事会決定

バーゼル法では、船舶の航行に伴い生ずる廃棄物、放射性物質・汚染物を除く以下の2つに該当するものを特定有害廃棄物等として定義しています。

  1. 条約附属書IVの処分(最終処分又は再生・回収)を行うため輸出入されるものであって以下のいずれかに該当するもの
    1. 条約附属書IIIの有害特性を有するものであって、かつ条約附属書Iの廃棄物の経路・含有成分に該当するもの(平成10年告示別表1に該当せず別表2又は3に該当するもの)
    2. 条約附属書IIの家庭系廃棄物
    3. 我が国が独自に定め、条約の事務局に通報したもの(条約3条)
    4. 他国が条約3条に基づき事務局に通報したもので環境省令で定めるもの
  2. 2国間又は多数国間の地域的な条約以外の協定等に基づき規制を行っているもの(条約11条)

付属書VIIIには原則として規制対象となるものが、付属書IXには原則として規制対象外となるものが示されています。

バーゼル条約に規定される処分作業(再生・回収作業)を行うために「回収作業が行われる廃棄物の越境作業の規制に関するOECD理事会決定」が定められています。バーゼル条約非締約国である米国を含めたOECD加盟国は、バーゼル条約締約国か否かに関わらず、OECD理事会決定が適用されます。OECD理事会決定では、規制対象となるものは別表第一に、規制対象とならないものは別表第二に掲げられています。

台湾については財団法人交流協会(現在の公益財団法人日本台湾交流協会)と亜東関係協会との間の取り決めに従います。

II. バーゼル法と廃棄物処理法(国内法)

バーゼル条約の国内実施法として「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」(バーゼル法)と「廃棄物の処理および清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が施行されています。バーゼル法ではバーゼル条約上の「有害廃棄物」を「特定有害廃棄物等」と定義し、告示「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第二条第一項第一号イに規定する物」に具体的な規制対象、規制対象外となるものを示しています。
別表第一(鉄くず、繊維くず等53種類)は原則として規制対象外ですが、別表第二(対象リスト)は規制対象となります。別表第二に掲載されていないものについては、別表第三で判断します。例えば、鉄くずは別表第一により原則規制対象外ですが、鉄以外の金属やプラスチック等の異物が含まれている場合、別表第三の第17号から第41号に掲げているものに該当するかどうかを確認する必要があり、該当する場合は規制対象となります。

III. 輸出入手続き

バーゼル法では「特定有害廃棄物等」について、廃棄物処理法では国内で「廃棄物」とされているものについてそれぞれ規制を行っています。したがって貨物によってはバーゼル法・廃棄物処理法の両方が適用となる場合もありますし、また貨物によってはどちらか一方のみが適用となる場合もあります。

バーゼル法に規定する特定有害廃棄物を輸出しようとする場合には、あらかじめ相手国の書面による同意、バーゼル法に基づく環境大臣の確認(相手国が非OECD加盟国の場合)および外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく経済産業大臣の承認が必要です。また、実際に貨物を運搬する際には輸出移動書類を携帯し、処分にあたっては輸出移動書類に記載された内容に従って環境保全上適正に行うことが必要となります。

バーゼル法に規定する特定有害廃棄物を輸入しようとする場合には、あらかじめ相手国からの書面による通告、外為法に基づく経済産業大臣の承認が必要となります。また、実際に貨物を運搬する際には輸入移動書類を携帯し、処分に当たっては輸入移動書類に記載された内容にしたがって環境保全上適正におこなうことが必要です。また処分を行ったときは決められた様式にしたがってその旨を経済産業大臣、環境大臣、輸出者および輸出国に報告する必要があります。

廃棄物処理法による輸出入の場合は、廃棄物の輸出時の環境大臣確認、輸入時の環境大臣許可の取得義務付け等が必要です。

IV. バーゼル法の一部改正について

バーゼル法が制定されて25年が経過し、廃電子基板や使用済み鉛蓄電池の取引が世界的に増大したことから2017年3月に法改正が行われました。
主なポイントは下記のとおりです。

  1. 具体的な特定有害廃棄物等の範囲(規制対象物)を法的に明確化(法2条第1項第1号イ)することで不適正輸出取り締まりの実効性を確保。
  2. 輸出国において条約上の有害廃棄物とされるものを特定有害廃棄物等(規制対象物)に追加し、輸出承認を要件化(法第2条第1項第1号ホ)することにより繰り返されるシップバック通報を予防。
  3. 輸出先での環境汚染防止措置について環境大臣による確認事項を法的に明確化(法第4条第3項)することで輸出先での環境汚染を予防。使用済み鉛蓄電池については別途、省令改正により先進国向けの輸出であっても環境大臣による確認対象とする予定。
  4. 比較的有害性の低い廃電子基板等の再生利用(リサイクル)等目的での輸入について途上国からの輸入についてもバーゼル法の規制対象から除き、通告・同意や輸入承認等を不要とする(先進国からは現行でも不要)(法第2条第1項第1号イ)。
  5. 輸入事業者および再生利用等事業者の認定制度を創設。比較的有害性の高い特定有害廃棄物等(規制対象物)の再生利用等目的での輸入について認定輸入業者が輸入を行う際の輸入承認を不要とする(法第8条第1項、第14条から第16条まで)。

本法律案の規定については、公布の日から1年6か月以内に政令で定める日に施行することになっています。

関係機関

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経済産業省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
環境省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
バーゼル法輸出入規制事前相談(一般財団法人日本環境衛生センター)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

環境省:
有害廃棄物の輸出入に関する各国の規制(バーゼル条約事務局による通報)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

経済産業省:
バーゼル条約・バーゼル法の規制対象物、仕組み、手続き等外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日・台間のバーゼル条約に準じた民間取決めの締結に伴う告示の制定についてPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(18KB)
特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

外務省:
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調査時点:2017年6月

記事番号: A-010933

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