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前渡金返還保証を求める際の留意点:日本

質問

ある国の企業に機械製作を委託したところ前渡金を要求されました。当方としてはリスク回避のため保証を求めたいと考えていますが、このような前渡金返還保証を求める際の留意事項を教えてください。

回答

前渡金返還保証の種類、保証内容、保証の消滅事由および有効期限、保証の取得および返却時期、保証の実行、金利などについて機械製作を委託する相手と取り決めて、契約書に明記することをお勧めします。

I. 取得する保証の種類

価値の評価が難しくまた担保権の行使が非居住者には簡単にできない土地、家屋、株、債券などの担保ではなく、前渡金と同額の銀行保証状を取得することが一般的です。銀行保証状に準ずるということでスタンドバイ信用状(Stand-by L/C)が利用されることもあります。

II. 保証内容

受託者が債務不履行をしたとき、保証状発行銀行が不履行の部分に該当する前渡金および金利(金利も加算する契約の場合)を、受託者に代わり委託者に支払う事を保証するものです。

III. 保証の消滅事由および有効期限

受託者の債務履行完了を当該機械の船積時とするか、委託者側での検収完了時(性能保証実証時)とするか、実態に合わせて決めます。ただし、別途契約上、契約代金の10%程度を検収時払いの契約履行保証金(Performance Bond)またはRetention(支払い保留金)として委託者が保証をとっていて、それが前渡金相当である場合は、前渡金の返還保証は船積時までと決めて問題ありません。 なお、納入が分割で行われる場合は、債務履行完了した部分に見合った保証額を減額するのが一般的です。有効期限は最終納期に2カ月〜3カ月を加算して決めておきます。

IV. 保証の取得および返却時期

前渡金の支払い前に請求書と一緒に取得し、返却は受託者が契約上の債務履行を完了した後とします。

V. 保証の実行

保証状に基づき保証銀行に支払いを要求する際は、受託者の債務不履行を立証する必要がないようにしておくべきです。すなわち、債務不履行を理由とした委託者の請求書で支払いが実行されるような保証状にしておく必要があります。

VI. 金利

受託者の債務不履行のため前渡金を返却してもらうとき、前渡金を支払ってから返金されるまでの期間について、あらかじめ委託者と受託者間で合意した利率で計算した金利を加算して、受託者に支払ってもらうという取り決めをする場合もあります。

VII. 契約書に記載

上記各項目につき合意したら、契約書の支払条件に銀行保証状の取得を条件に前渡金の支払いをすると明記し、合意事項を反映した銀行保証状のテキストを、サンプルとして契約書に添付することをおすすめします。 テキストのサンプルは大手取引銀行から入手可能です。

VIII. 代案

受託者の財務内容が悪いなどの理由で銀行保証状が取得できない場合は、契約時に委託者が契約金額全額のL/Cを開設すれば、受託者が銀行から融資を受けられる可能性もあります。前渡金の代案として検討することをおすすめします。

参考資料・情報

銀行保証状発行準拠ルール(ICC Uniform Rules for Demand Guarantees Including Model Forms 2010 Revision(ICC publication No.758))

調査時点:2011年11月
最終更新:2018年9月

記事番号: A-010817

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