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貿易決済で使用される為替手形の必要記載事項

質問

貿易決済で使われる為替手形について、信用状付きの場合と、信用状なし(D/P・D/A)方式の場合、それぞれの必要記載事項を教えてください。

回答

為替手形の振り出しには行為地主義が適用されるので、日本で手形振出行為をする場合には日本の手形法が適用され、手形法によって「為替手形に記載すべし」と定められた記載事項があります。貿易決済で使用される為替手形は、私製のフォームを使用する場合もありますが、通常は買取銀行が用意したフォームに必要事項を記載して作成します。このフォームには、記載事項が間違いなく記入できるように、予め形式や用語が印刷されています。
なお、信用状付きとD/P (Document against Payment:手形支払い書類渡し、または支払い渡し)とD/A (Document against Acceptance:手形引き受け書類渡し、または引き受け渡し) の手形は、同一のフォームを使用しても有効ですが、銀行によっては、各々の専用フォームを提供することもあります。

I. 手形法上の必要記載事項

日本国手形法第1条、1-8項に従って、記載事項の内容と記載方法を説明します。

  1. 為替手形であることを示す文字:
    為替手形フォームには、「BILL OF EXCHANGE」と印刷されています。
  2. 一定の金額を支払う旨の単純なる委託文言:
    「受取人に手形代金を支払われたい」との文言が手形用紙に印刷されています。この委託文言の後に手形金額を記載しますが、金額はその金額を文字で表わします。例えば、「US$12,345.00」は、「Dollars Twelve Thousand Three Hundred and Fortyfive only in U.S. Currency」のように記載します。また、金額の記載後に、この欄に空白ができた場合には、その空白部分をハイフン(- - -)または点線(・・・)などで埋めます。これらは、数字表記の金額に間違いや改ざんをなくすためです。
  3. 支払いを為すべき物(支払人)の名称:
    支払人、すなわち手形の名宛人名(振出先名)を記載します。信用状付きの場合には、その信用状の中で指図されている名宛人、(原則として信用状開設銀行名)を記載します。(信用状統一規則第6条(c)の規定により、信用状発行依頼人を支払人として振り出された為替手形は認められません。)D/PやD/Aのような信用状なしの場合には、輸出入契約の当事者間で特約がない限り、名宛人は輸入者となります。
  4. 満期の表示:
    手形の期限を記載します。すなわち、一覧払い(At Sight)の場合には手形用紙に印刷されているATとSIGHTの間をハイフン(- - -)、または点線(・・・)で結びます。例えば、「一覧後90日払い」の場合には、ATとSIGHT間に「90 days after」と記入します。 信用状取引の場合は、為替手形が一覧払い以外あるいは一覧後一定期間以外の手形期間で振り出される場合(例えば船積み後X日)は、手形自体の中のデータから満期日を確定できるものでなければならず、船積み日を含める(X days after BL date of yy)か、実際の確定期日を入れる必要がある(荷為替信用状に基づく書類点検に関する国際標準銀行実務(ISBP)第43条)。
  5. 支払地の表示:
    上記3.項の支払人名欄に支払人の所在地を併記します。
  6. 支払を受ける者、または受ける者を指図する者の名称:
    手形代金の受取人、すなわち手形振出人(輸出者)から為替手形を買取るか、あるいは手形取立ての依頼を受ける銀行名を記載します。
  7. 振出日と振出地の表示:
    手形振出人の都市名などの所在地と手形振出日を記載します。
  8. 振出人の署名:
    振出人名をタイプ記載して、振出人の署名をします。

II. 印紙

日本で振り出される手形には日本の印紙税法が適用され、手形金額により印紙金額が決まっていますが、次の為替手形の場合は特例として、記載された金額が10万円未満は非課税、10万円以上は印紙税額が200円です。

  1. 一覧払のもの
  2. 金融機関相互間のもの
  3. 外国通貨で金額を表示したもの
  4. 非居住者円表示のもの
  5. 円建銀行引受手形表示のもの

なお、外国通貨建で表示された手形は日本銀行から毎月公表される基準外国為替相場および裁定外国為替相場で換算した金額に対応する印紙を使用します。
「FIRST(第1便の意味)」と表示された10万円以上の金額の為替手形には、200円の印紙の貼付が必要です。通常の印鑑や振出人のイニシャルなどで、印紙を消印します。「SECOND(第2便)」と表示のものには、印紙の貼付の必要はありません。

III. 手形法による必要記載事項のほかに、信用状付きの場合と信用状なしのD/PやD/Aの場合は、それぞれに下記の任意記載事項を記載することが国際慣例となっています。

  1. 手形番号:
    これは手形振出人の参照や整理番号などです。
  2. 金額:
    手形金額を通貨の略号と数字とで表示します。(銀行が提供するフォームでは文字による金額に加え数字による金額表示の欄もあります。)例:U.S.$12,345.00
  3. D/PまたはD/Aの文言の記載:
    信用状付きと同一の手形フォームを使用する場合に、 取立指図として手形面上にD/PまたはD/Aと記載することを求める買い取り銀行があります。
    関係銀行に問い合わせて、記載の要否を確認してください。なお、D/PやD/Aの専用フォームを使用する場合には、その旨を記載するように印刷されています。
  4. 対価文言:
    「対価は既に受領済みなので、同金額を(後述の者の)勘定に請求されたい」との文言が手形フォームに印刷されていますから、その文言に引き続き(後述の者として)上記I.-3.項の支払人が銀行になる場合は、信用状開設依頼人である輸入者名を記載します。
  5. 信用状準拠文言:
    信用状付きの場合には、信用状開設銀行名、信用状番号とその発行日を記載します。

IV. その他参考事項

  1. 為替手形の作成にあたって英文タイプライターが使用されなくなった現在、必要事項の全てを手書きした為替手形が多く流通しています。
    為替手形については、誤字や誤記の修正は認められず、銀行による手形買取拒否の理由にもなりますから、作成に当たっては特に慎重さが必要です。
  2. 為替手形は、代金の受取人が振り出すため、逆為替とか取立手形と呼ばれることもあり、またこの手形は単に「Draft」ともいわれます。

関係法令

手形法、印紙税法

調査時点:2012年7月
調査時点:2019年10月

記事番号: A-010803

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